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第1章

あれれ?テンプレ?(シャルル編)

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——とても美味しかった。

トマトパスタ以外にもコーンスープは今日から私の好きな料理に変わった。
そしてデザートのプリン?はもう想像を絶するほどの美味しさだった。

「ご、ご馳走様だった。…クロ殿は食べなくてよかったのか?」

「あぁ、確かに食べてなかったですね。あとで適当に食べておきます。」

そう言うとクロは食器を持って部屋を出た。

「……。」

あぁ!!やばい。は、はは、初めて男の人に食べさせてもらった。
というか初めて男の人に優しくしてもらえた…気がする。

とか考えて赤面しているシャルルの横にあいつがいた。

「シャルル様?」

いつの間にか食器を片付け終わったクロはその様子の一部始終を見ていた。

「あ、なな、クロ殿!?…いつも気配がしないですね。」

「ええ、消してますので。」と苦笑交じりにいった。

消してる…?あまり追求しないでおこう。

「…。」

そうだ……。お風呂…。

それを聞こうとシャルルが口を開こうとすると。

「…あぁ、そういえばお風呂、まだでしたね。」

「ちょっと待ってくれ、もしかしてクロ殿は私の心が読めるのか?」

「いえ、読めませんけど。あぁ、でも運命の人って意識が通じ合うって言いますよね。」

う、うう、運命の人!?え、え!?そういう!?いや、さっきと変わらずニコニコしてるし…。クロ殿は鈍感…なのか?

「どうされました?」

「い、いや、なんでもない。…あの、一時的に体を動くようにできないだろうか。お風呂とかお手洗いとか不便が多い。」

「…分かりました。今から行う術は禁術とされているものですので目をつぶっていてください。」と。

禁術使用は危険とされているため普通避けるが。
シャルルは色々と混乱していてそれどころではなかった。



——一瞬、強い頭痛がしたかと思うとバタッと倒れる音がした。

「く、クロ殿!?」

目を開けるとそこにクロが倒れていた。

「あぁ、結構制御きついですね。ちょっと待ってください…。…よし、これで良さそうです。」

するとクロは普通に起き上がった。

「今、シャルル様と俺の体のバフやデバフを総入れ替えしました。」

「…でばふ?ばふ?」

「あ、いえ、なんでもないですよ。とりあえずシャルル様の体は万全になったというわけですね。」

「そ、そうなのか。助かる。」

「はい、ではお風呂場を案内します。」
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