悪役令嬢は家族に支えられて運命と生きる

西 ゆう

文字の大きさ
4 / 46

3

しおりを挟む
応接間に移動し、ソファーに案内されるも、二人は、尻尾をお互いの腰に回し、手を繋いで体温を分かち合っていた。

移動したことによって少し落ち着いた両親達はこれからの事を相談し始めた。

「やっぱりこれって『運命のツガイ』よね」
王妃陛下は甘みのある紅茶を飲みながら話し出した。

冷静さを取り戻した国王陛下は
「じゃがまだそうと決めるのは早くないか?
大体私達は17歳を過ぎた時に分かったじゃないか」

そう、国王陛下も王妃陛下も『運命のツガイ』どうしである。

「そうですけど、あの二人の言ってる匂いと、行動がツガイを見つけた時の獣人の行動にそっくりですよ。

あっそういえばレオパルト公爵達もツガイ同士でしたよね?
お二人はどうでしたか?」

母親マリアンヌは一口紅茶を飲んだ後、頬に手を置き話し出す。
「私は17歳の時にロバートに出会い、なんとなくいい匂いがしてなって思っていました。
その後18歳になってハッキリとツガイと認識しました」

まだ困惑が取れていない父親ロバートは
「私も18歳の時にマリアンヌがツガイと認識しました」

「そうじゃよな。
アルは15歳、エリーナ嬢は13歳になったばっかりじゃ。
流石に『運命のツガイ』認定するには、前例がないか、調べてみないと分からないが、婚約するには早すぎると思う」

「嫌です。エリィと離れたくないです」
アルフォンスは尻尾をピンと立てて、即座に反論をする。

「アルそうは言ってもね。まだ二人は成人してないのよ。
それにレオパルト公爵達もまだまだエリーナ嬢と一緒に暮らしたいのよ。
なのにアルの我儘で家族を引き離すの?
それで本当にいいと思っているの?」

尻尾を股の間に挟みながらアルフォンス不貞腐れていた。

「エリィはどうしたい?」
母親マリアンヌは問いかける。

「私はアルと一緒居たいです」
そう言うとアルフォンスは尻尾を振りましながら、エリーナを抱きしめる。

「でも……私お父様達とも一緒に居たいです…」
と小声で、どう自分の気持ちを伝えていいのか分からず、尻尾だけが、ダラリとソファーに横たえる。

そんなエリーナの様子を見た国王陛下は

「じゃあ二人を婚約者候補とする。
王妃教育をするために、王宮に来たらいい。アルもエリーナ嬢に会える。
もしツガイじゃなくても、候補だから令嬢に瑕は付かない。
成人になっても二人が変わらず、お互いをツガイと認識していたら、婚約者とし二人を祝福しようと思う。
アルこれで今は納得してくれ」

「はい」
婚約出来なかった事は残念だが、エリィなの気持ちを考えるとこれで妥協するしかないと、諦めた。

「エリィ僕に毎日会ってくれる?」
「はい。アルに会えるの嬉しいです。」
満面の笑みを浮かべるエリーナにアルフォンスは抱きしめ、頬擦りをし、尻尾を振り回した。


そんな二人を見ながら、国王陛下はロバートに声を掛けていた。


王妃陛下の勧めで、王宮で昼食を頂き、レオパルト公爵家に3人は戻った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた

22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。

断罪中、味方が多すぎて王子が孤立している件について

夏乃みのり
恋愛
バーンスタイン伯爵家の令嬢ラミリアは、魔力も剣の才能もない「ごく普通」の地味な女性。 ある日のパーティーで、婚約者であるジェラルド第二王子から「地味で無能で嫉妬深い」と罵られ、身に覚えのない罪で婚約破棄を突きつけられてしまう。 しかし、断罪劇は予想外の展開へ。

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

わがままな婚約者はお嫌いらしいので婚約解消を提案してあげたのに、反応が思っていたのと違うんですが

水谷繭
恋愛
公爵令嬢のリリアーヌは、婚約者のジェラール王子を追いかけてはいつも冷たくあしらわれていた。 王子の態度に落ち込んだリリアーヌが公園を散策していると、転んで頭を打ってしまう。 数日間寝込むはめになったリリアーヌ。眠っている間に前世の記憶が流れ込み、リリアーヌは今自分がいるのは前世で読んでいたWeb漫画の世界だったことに気づく。 記憶を思い出してみると冷静になり、あれだけ執着していた王子をどうしてそこまで好きだったのかわからなくなる。 リリアーヌは王子と婚約解消して、新しい人生を歩むことを決意するが…… ◆表紙はGirly Drop様からお借りしました ◇小説家になろうにも掲載しています

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?

ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」 バシッ!! わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。 目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの? 最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故? ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない…… 前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた…… 前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。 転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

処理中です...