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21、ウォード公爵の秘策&秘密?
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*ウォード公爵目線
シエルが家を出てから約3ヶ月が経った。
王都だけではなくあちらこちらから王家に対しての不満が目立つようになった。
愛する我が子たちと最愛の妻オリビアを守る為、少し…かなり寂しすぎるが、"シエルの療養"を兼ねて子どもたちと妻を領地で過ごしてもらう事にした。
四男のルイリーだけは、あと一年は学園に通わなくてはならないので私と王都に残る事になった。
「お父様、シエル兄様は……」
「あぁ、領地で……離れてるが、今は見守るしかない。」
王家がこの先どう動くか分からないので、念入りに影をあちこちに忍ばせることにした。
シエルの二の舞にならぬ様、ルイリーにも護衛と影をつけた。
末っ子のミーユは、生まれた直後からこの国の王族はもちろん、隣国のリーンコック王国どころかあちこちの国から申し込みが殺到した。
婚約はまだしも、求婚の申し込みまであった。
そしてあの隣国であるリーンコック王国の王家からふざけたことに養子縁組まであった。
養子縁組の前に、あのわがままで高飛車な王妃を引き取れ!!と言いたくなるほどだったが、腐っても王族、しかも隣国のリーンコック王国。
やっかいだ。
あの国の王なら、自分の娘(貴重な女性)だとしてもコマとして使い捨てにするだろう。
そんな国に、大切な我が子を渡すわけない!!
丁重かつはっきりとお断りの手紙をしたためた。
しつこくくる手紙や贈り物までも、丁重にお断りし無駄な事はするなとばかりに、開封すらせず送り返した。
婚約も結婚もしたいならすれば良いが、うちとは関わらないでくれ!!
子どもたちが大きくなり自分の意思で選ぶなら、それを応援する。
だから、婚姻関連は強要させないし、成人するまで受け付けない。
するやつは徹底的にぶっ潰してヤる!!
幸せは、人それぞれだから、恋愛をしてもいいが自分で相手を見つけるなり、好きな事があればそれをつき求めてもいい。
我が公爵家である私には、それが出来る力と財産と秘密がある。
秘密の力は約2年前のスタンピートから突然の頭痛に見舞われた時身についたものだった。
少しずつ使いこなそうとは思うが、思いのほか使い勝手が悪くイマイチ使い方がわからないことばかりだった。
ないよりはあるほうがいいと言ったようなスキルだった。
他はたまたまだが、スタンピートも落ち着いた頃、領地の魔物を片付ける際、発覚した"チート"だったり、能力?スキル?と呼ばれるものだろうと思う。
この年でスキルが発覚したとわかれば、騒ぎになると思い、何の能力なのかは調べていない。
だがどんな使い方をすれば効率がいいのか、どうすればすんなりこの魔法が使いこなせるのかなど、暇を見つけてはこっそり試している。
家族…愛する妻のオリビアと20歳になったばかりのエドワードには、私のよくわからない力の事を話している。
それを多少活かして領地経営もなんとかやりくりし、周辺に違和感がない程度に色々している。
最愛の妻と愛する我が子たちのためは、私の能力を駆使しそれらを活かしてもらう為、領地に……。
さみしい。
あの第一王子に気に入られたせいで、私たちの可愛いシエルは、表情を無くした。
表情どころか何もかも奪っていった。
やっと公爵邸に連れ戻せたシエルは、どの人形より酷く痩せ細り、顔色は青白さを通り越しまるで、儚くなってしまったかのようだった。
婚約破棄後、気を失うように倒れたらしいシエル。
それを隠そうとした王族。
あの時、強引に王城に押しかけたが良かったと思った。
同時にシエルに辛い思いをさせてしまったことに、申し訳ないと謝罪しても足りないくらいだ。
こんな事になるなら、あれとの婚約なんか徹底的に反対すれば良かった。
今更悔やんでも、悔やみきれない……。
シエルの身体は、肋骨が浮き出るほどやせこけ、肋骨や足、そして腕にも骨折痕や酷いあざががあった。
服に隠れるところを集中的に狙ったようにムチで打たれたような跡や刃物で切り付けられたような傷、手首や足首にもカセを付けた跡が残っていた。
生きてるのが不思議なくらいだった。
こんな酷いことを誰が!!
王城に必ずいる犯人を見つける為、影も使いながら探した。思いのほか直ぐに犯人が見つかった。
あっさり見つかり何らかの罠でもあるのではないかと思うほど、証拠品が次々と見つかった。
王妃の使途不明金の証書、第一王子がシエルに贈り物をした時折りおりの、贈り物変更通知書、第二妃と第三妃に贈られたはずの宝石類、何に使うのかはわからない薬の数々。
王妃は、別棟に幽閉される事になった。
王妃が謝罪するわけでもないし、謝罪されてもシエルが受けた残虐で非道な行為は消えない。
同じ目にあえばいいとか、もっと酷い仕打ちの中死刑にして欲しいと思ってしまったこともある。
色々と思案したが、アレ(王妃)を視界に入れるのも汚い行いをしたアレをムチや棒、刃物で刻みつけても怒りはおさまるどころか、さらに痛めつけたくなる。
結果、アレ(王妃)と同じ非道な行いをする人族に成り下がってしまう。
そんな事をしても、シエル自身どう思っているのかとか、何をして欲しいのかと、愚かな私には、シエルに問いかける事すら出来ない。
親としてどうすればいいのかも、今の私にはわからない。
アレが閉じ込められ、反省したとしてもどうでもいい。
あの王妃も第一王子もとにかく、私の大切な家族に関わらないで欲しいと思った。
王族に関わらない複数の医師、公爵邸専属医師はもちろん、信用出来る教会の者などにも証拠として我が子の身体を診せたあの時、目を背けたくなるような酷い傷などに、まるで拷問を受けたようだと呟いたのは、誰だっただろうか?
極度の栄養失調、魔力枯渇、数多くの生々しい傷。
医師たちの複数の診断書
教会の者たちの治癒と回復の記録書
2部ずつ作成し、王族に抗議した。
シエルを衆人環視(しゅうじんかんし)のもと、罵声(ばせい)を発した上、婚約破棄した第一王子に慰謝料などを請求、そして今後一切関わらないようにと要求した。
上部だけの謝罪も結構だ!!
何度でも言う。
もう王族には、関わりたくない。
あの第一王子が婚約破棄してくれた事に関しては、ありがたい事だったが、あろうことがイナモデント男爵令嬢をすぐさま婚約しようとしたり、卒業式直前のプロムでは、婚約者だったはずのシエルへの贈り物の一つもなく、男爵令嬢にはドレスと髪飾りまで贈ったあのクソ王子!!
許しがたいバカでクソで…どんな言葉をぶつけても許せないヤツだ!!
我が子に濡れ衣を着せた上、酷い仕打ち。
しかも、なぜか制服で出るよう強要した誰か。
シエルがどんな思いで耐えていたのかと思うとやりきれない。
公爵邸に帰ってきた時は、ほとんど会話もなく食事もそこそこに部屋に閉じこもっていた。
帰ってきた翌日どころか、その日の夜などにもかかわらず王妃のお側仕えたちが、"お気に入り"だからシエルを城に連れ戻すようと何度も来たが……。
いま思えば、なぜ王妃付きの使用人だったのかとか、なぜ王子のお付きの者ではなかったのかとか、私はシエルの姿をみているはずなのに、なぜ見過ごしてしまったんだろうか?と悔やまれる事ばかり。
元王妃直属の護衛や元王妃付きの使用人たちにより、シエルへの酷い仕打ちが、次々と告発された。
同じ目に合わしてやる!!
こんなにも人を恨んだのは初めてだった。
第二妃や第三妃が子を儲けるたび王妃は荒れっていったとか、子が流れる薬を買い求めるようになったとか告発する元使用人もいた。
調べれば調べるほど、おかしな点や不可解な事ばかり出てきたのだった。
王城から学園に通っていたはずのシエルは、学園に在籍していなかった。
シエルの学費はどこに行ったのか?
王妃が王子に付けていた教師陣を(王子があまりの厳しさに嫌悪した教師陣)朝から夜遅くまでシエルに付け厳しく勉強をさせられていた。
高熱や明らかに体調を崩していた時も、勉強を強要させられていたそうだ。
王城に何度も足を運んだり、手紙を送りシエルを家に戻すように訴えたのにもかわらず、訴えや手紙も受け取っていないと言われた事。
そして、王子が婚約者に贈るはずの衣装代は二つ分の請求書があった事。
受け取りが、イナモデント男爵令嬢ともう一つが王妃になっていた。
王妃が受け取った衣装の方が、イナモデント男爵の物より3倍以上の値段だった事。
あのクソ国王が、あのプライドばかり高い高飛車な隣国の……!!
婚約が整った時、いくら女性が少なくともあんな性悪な女性を王妃にするなんて辞めた方がいいと臣下として忠告したのに!!
"国と国を結ぶ為だし、ほら、僕は国王って身分だから政略結婚は当たり前なんだよ。貴重な"女性"を娶れるし、3人以上の妻を持たないといけないって先代からもいわれてるし、僕は、婚姻後に愛を育てるつもりだ。一年毎に妻が増える予定の僕ってすごいだろ?君みたいに、オリビアみたいな可愛い女性に選ばれて恋愛結婚しようとしてる方がおかしな事なんじゃないのか?"
そう言ったあのバカは、隣国のプライドが高く、身分が下の者を見下し金遣いが荒い女性を妻にした。
本当バカな国王だ。
王妃との結婚し2年後懐妊し、第一王子が生まれた。
王妃と結婚一年後に予定通りに第二妃を娶ったが、王妃は徹底して第二妃を嫌い見下した。
その翌年には第三妃となった男性の妃を娶ったが王妃は、第二妃と第三妃を嫌い見下した。
国王は、それを見かねて口出しをしたが修復する事は出来ないまま、義務として子を作り、同じく第二妃と第三妃にも子宝が出来た。
王妃は荒れ、使用人の入れ替わりも激しくなった。
月日が経ち、国王は王妃のもとへ通う回数も減ったらしい。
第二妃と第三妃にそれぞれに第二子が誕生した。
物や使用人に当たり散らし、さらにドレスや宝石を購入し金遣いが酷くなっていった。
そして茶髪の風貌がよく似た数人の使用人を"お気に入り"にし身の回りの世話や入浴の手伝いもさせていたそうだ。
辞めさせられた使用人によると、お茶もこだわりがあり隣国から取り寄せた茶葉やお茶菓子にする材料までもが隣国から取り寄せていたと聞いた。
王妃が酷く荒れることが多くなったのは、シエルが10歳を過ぎた頃だったと元使用人からの話を聞いた。
側室である第二妃と第三妃に子どもが立て続けに産まれからだとか、国王が王妃の元へ通わなくなったとか。
側室扱いの第二妃は2人、第三妃には3人の子宝が産まれた。
第一王子は式典など王族の行事などでよく見かけるが、第二王子以降や第一王女にはお目にかかる事はかなり稀(まれ)になった。
国王と王妃の仲は冷め切っていたらしい。
王族の子どもは5人の王子と1人の王女になっていた。
王妃と国王は政略結婚をし子をもうけたが、第二妃と代三妃は国王自ら選んで婚姻を結んだと聞いた。
未婚の者を中心に呼んだパーティーを開催し、そして出逢ったと。
国王は王妃を無視する形で2人の妃の所に今でもよく通っているらしい。
王妃はもともとが隣国の王女でプライドも高かった。
私は臣下として忠告したのに、聞き入れず、その王妃のせいで私の愛する妻との子を痛めつけられた。
許せない!!
隣国でも嫌煙されがちだったらしい元王女を、女性という事と、年が釣り合うからとか、国と国を繋ぐ為だけに隣国の王妃だった気性の荒い女性を、ほぼ強制的に選ばれ嫁がされた王妃。
王妃には国に好きな人がいたらしいが身分差の為、認められず諦められないまま政略結婚させられた。
不仲のまま結婚した王妃と国王。
2年経っても子どもは出来ず、周りから責められていた王妃。
子を作るのは義務として、3人以上の妻を娶るよう先代に言われていた国王は、王妃以外に2人娶ることになったらしいが、国王に対して王妃はキツイ目をする事が多くなったらしい。
そしてやっと出来た王子を甘やかし可愛がっていたと聞いた。
その結果、わがままで勉強もせずバカな王子が出来上がた。甘い言葉だけを囁(ささや)く者ばかりを侍(はべ)らす王妃のように、似通った側近候補を連れ歩きイナモデント男爵令嬢に想いを寄せた。
だが以外な事に、イナモデント男爵令嬢は第一王子との婚約どころか交際そのものを否定し、我が息子のシエルへの濡れ衣、ウワサなども否定。
イジメられた事実もなく、勝手にシエルを悪役に仕立てていったのは、王妃と第一王子だとも発言した。
立場的にも弱い男爵位の令嬢。
シエルを擁護する発言を繰り返し王族から狙ってくれとでもいうかのように言う令嬢。
女性が少ないこの世の中だが、王侯貴族、貴族内の序列、騎士位や平民の身分の差はそのまま残っている。
獣人族への差別も減らないこの国は、滅びの道をたどってるのかと思えるほどだった。
突然変異なのか、人口が減り続けたから神が嘆(なげ)き悲しんだため、男性も妊娠する事が出来るようになったとか。
ここ数十年で、男性同士の婚姻が増加したからか、ビューティフル ラブ教と言う新たな教団も現れた。
もともとはボーイズ ラブ教だったらしいが、あからさまだったから教皇が名を考えたそうだ。
フェニックス、死しても蘇(よみがえ)る不死鳥を神とし、火の鳥との別名をもじり、腐ェニックス神を祀(まつ)っている。
なぜ"腐"の文字かはわからない。
男同士の火のように燃え上がるような熱い恋愛を推進(すいしん)し、もふもふの獣人族を差別から守るための教団。
内緒だよ!!と教皇自ら教えてくれた衝撃の事実。
我が子息子が"病気"の為、わざわざ領地にある教会から足に身体強化までかけ走ってきてくれた。
だが、もう他の教会の者と医師たちに治癒と回復魔法をかけてもらったというと、なぜか残念そうにしていた。
私は知らなかったが、我ウォード公爵の者の容姿や考えに人気があるそうだ。
私たちの考えや行動に共感し、特に恋愛に関して自ら恋をし愛し"愛"をしたウォード公爵として、腐ェニックス神に通ずる考えがどうのこうのと、熱く語られてしまった。
そして幼い頃、第一王子がシエルを選んだから王族を見直したのに、とても残念だ!とよくわからない持論まで語っていた。
いつからだったろうか?
国が傾いてるのに気づいてたが、あの友人だと思っていた国王は変わってしまった。
あの隣国の女性を王妃に勧めた隣国の者たちとそれらと手を組んだ者たちにより婚約、そして婚姻した国王。
私は友人だった友から離れる準備をした。
まず手始めに領地にある国教である教会の者を追い出すことにした。
人族主義の教えを持つ国教、王都にある金持ち主義者であり、人族主義。
人族が一番えらい、獣人や他の種族たちは人族が繁栄する傍ら出来た副産物であり生き物であり、人族がその生き物を従え教え導く必要がある。
そんな考えの教団に期待する事なく、領地から追い出す為に王都にある処分予定のタウンハウスを教団に寄付した。
教会近くの王都にあるタウンハウス、そして改装費用にどうぞと寄付金も渡した。
領地の教団の者には、ぼろぼろになりかけている教会の為、王都にある我タウンハウスを教会としお使い下さいと伝えた。
教団の者たちはわずかな土地とぼろぼろの建物ごと売却し、少なくはないお金を懐(ふところ)に入れ王都に行った。
そして、私はすぐにそのぼろぼろの建物と土地を買った。
その時はまだ、土地と建物をどう使うかは検討していなかったが、たまたま、偶然だったが重なった。
少し前からウワサだけは聞いていた新しい教団にその土地と建物を譲った。
寄付したとなると、国教である教会に寄付と贈呈したばかりなのに、何か企んでいると思われるので、表向き格安でBL教団が買った事にした。
BL教団の者と協力し、各領地に散らばっていたスタンピートによる親を亡くした子や虐待を受けた子、そして獣人族の子たちを保護した。
残念ながら助けることが出来なかった者たちもたくさんいた。
ウォード公爵の一つにイバド町という町がある。
そこそこ栄えた町になったが、まだまだ改革が必要だ。
シエルが"ヨーグリコ商会"の荷馬車に乗って、家出をした時、幸運な事に我が領地に留まってくれている事に感謝した。
ヨーグリコ商会の店も、偶然にもシエルを助けてくれたアロン君もいる。
元第三騎士団団長のアロン・ローレンスだ。
ローレンス辺境伯の兄 36歳
あのクソ国王と私とそして最愛の妻オリビアと同年代、つまり同じ歳だ。
あのスタンピートで仲間を失い、クソ国王は何もしなかった。王都が無事ならと何でもいいのかと思ったほどだ。
あの頃に私の摩訶不思議な力を授かったのも、何かの縁なのか?
そんな事より、どうもうちの可愛いシエルがアロン君を気にしているとかなんとか、驚く報告をしてくれちゃったりしてきた、BL教会にこっそり入った影。
ウソだよな。
ウソだとイッて、い?言わない?言う?いや、どっちだ?(*公爵は、かなり動揺してます)
アロン君は、私と同じ年齢だぞ?
私は36歳でアロン君も36歳、愛妻も同じ歳だが女性に年齢の事を言うと場合により、酷い目にあうので言わないが、36歳からシエルの年齢を引くと……。
シエルが生まれた時の私と愛妻の年齢になる。
36歳と18歳……!!えっ!!
計算もしたくない!!年齢差?!
わ、わからない?!わかりたくない!!
認めない!!認めたくないが、もし、万が一、アロン君が私の息子に?いやいやいやいやいやいやいやいや、ない、それはない!!
私たちとアロン君は同じ年齢だ!!
アロン君にパパと呼ばれても嬉しくない!!(*ウォード公爵家の誰も公爵当主の事"パパ"とは言ってません)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~メモ~
・隣国→リーンコック王国
・アロン・ローレンス
ローレンス辺境伯の兄 36歳
イバド町の冒険者ギルド(指導員)
冒険者ギルドランク A級
現国王と親友
元第三騎士団団長
約2年前のスタンピートで第三騎士団ほぼ壊滅
生き残った数人も国からの保証も何もない為、国には全員死亡と報告
その当時の、アロンの全財産を死んだ仲間と生き残った仲間に分け与え、死に場所を探し続けている
・グリーコ 40代
"ヨーグリコ商会"という馬車持ちの大商人
ヨーグリコ商会2代目
主に食品を扱っているが、生活用品や古着も少し取り扱っている
妻は2年前になくなっている
スポロ21歳、長男夫婦は本店
クエン18歳、次男夫婦はイバド支店
・ローマン・ウォード 36歳 公爵→たぶん前世持ち、特殊なチートあり(調べていないので本人も何のチートかわかってない)
・オリビア・ウォード 36歳 公爵夫人
(ベルウッド侯爵令嬢)
エドワード 長男 20歳
ライル 次男 19歳
シエル 三男 18歳←主人公
ルイリー 四男 17歳
ミーユ 長女 10歳
シエルが家を出てから約3ヶ月が経った。
王都だけではなくあちらこちらから王家に対しての不満が目立つようになった。
愛する我が子たちと最愛の妻オリビアを守る為、少し…かなり寂しすぎるが、"シエルの療養"を兼ねて子どもたちと妻を領地で過ごしてもらう事にした。
四男のルイリーだけは、あと一年は学園に通わなくてはならないので私と王都に残る事になった。
「お父様、シエル兄様は……」
「あぁ、領地で……離れてるが、今は見守るしかない。」
王家がこの先どう動くか分からないので、念入りに影をあちこちに忍ばせることにした。
シエルの二の舞にならぬ様、ルイリーにも護衛と影をつけた。
末っ子のミーユは、生まれた直後からこの国の王族はもちろん、隣国のリーンコック王国どころかあちこちの国から申し込みが殺到した。
婚約はまだしも、求婚の申し込みまであった。
そしてあの隣国であるリーンコック王国の王家からふざけたことに養子縁組まであった。
養子縁組の前に、あのわがままで高飛車な王妃を引き取れ!!と言いたくなるほどだったが、腐っても王族、しかも隣国のリーンコック王国。
やっかいだ。
あの国の王なら、自分の娘(貴重な女性)だとしてもコマとして使い捨てにするだろう。
そんな国に、大切な我が子を渡すわけない!!
丁重かつはっきりとお断りの手紙をしたためた。
しつこくくる手紙や贈り物までも、丁重にお断りし無駄な事はするなとばかりに、開封すらせず送り返した。
婚約も結婚もしたいならすれば良いが、うちとは関わらないでくれ!!
子どもたちが大きくなり自分の意思で選ぶなら、それを応援する。
だから、婚姻関連は強要させないし、成人するまで受け付けない。
するやつは徹底的にぶっ潰してヤる!!
幸せは、人それぞれだから、恋愛をしてもいいが自分で相手を見つけるなり、好きな事があればそれをつき求めてもいい。
我が公爵家である私には、それが出来る力と財産と秘密がある。
秘密の力は約2年前のスタンピートから突然の頭痛に見舞われた時身についたものだった。
少しずつ使いこなそうとは思うが、思いのほか使い勝手が悪くイマイチ使い方がわからないことばかりだった。
ないよりはあるほうがいいと言ったようなスキルだった。
他はたまたまだが、スタンピートも落ち着いた頃、領地の魔物を片付ける際、発覚した"チート"だったり、能力?スキル?と呼ばれるものだろうと思う。
この年でスキルが発覚したとわかれば、騒ぎになると思い、何の能力なのかは調べていない。
だがどんな使い方をすれば効率がいいのか、どうすればすんなりこの魔法が使いこなせるのかなど、暇を見つけてはこっそり試している。
家族…愛する妻のオリビアと20歳になったばかりのエドワードには、私のよくわからない力の事を話している。
それを多少活かして領地経営もなんとかやりくりし、周辺に違和感がない程度に色々している。
最愛の妻と愛する我が子たちのためは、私の能力を駆使しそれらを活かしてもらう為、領地に……。
さみしい。
あの第一王子に気に入られたせいで、私たちの可愛いシエルは、表情を無くした。
表情どころか何もかも奪っていった。
やっと公爵邸に連れ戻せたシエルは、どの人形より酷く痩せ細り、顔色は青白さを通り越しまるで、儚くなってしまったかのようだった。
婚約破棄後、気を失うように倒れたらしいシエル。
それを隠そうとした王族。
あの時、強引に王城に押しかけたが良かったと思った。
同時にシエルに辛い思いをさせてしまったことに、申し訳ないと謝罪しても足りないくらいだ。
こんな事になるなら、あれとの婚約なんか徹底的に反対すれば良かった。
今更悔やんでも、悔やみきれない……。
シエルの身体は、肋骨が浮き出るほどやせこけ、肋骨や足、そして腕にも骨折痕や酷いあざががあった。
服に隠れるところを集中的に狙ったようにムチで打たれたような跡や刃物で切り付けられたような傷、手首や足首にもカセを付けた跡が残っていた。
生きてるのが不思議なくらいだった。
こんな酷いことを誰が!!
王城に必ずいる犯人を見つける為、影も使いながら探した。思いのほか直ぐに犯人が見つかった。
あっさり見つかり何らかの罠でもあるのではないかと思うほど、証拠品が次々と見つかった。
王妃の使途不明金の証書、第一王子がシエルに贈り物をした時折りおりの、贈り物変更通知書、第二妃と第三妃に贈られたはずの宝石類、何に使うのかはわからない薬の数々。
王妃は、別棟に幽閉される事になった。
王妃が謝罪するわけでもないし、謝罪されてもシエルが受けた残虐で非道な行為は消えない。
同じ目にあえばいいとか、もっと酷い仕打ちの中死刑にして欲しいと思ってしまったこともある。
色々と思案したが、アレ(王妃)を視界に入れるのも汚い行いをしたアレをムチや棒、刃物で刻みつけても怒りはおさまるどころか、さらに痛めつけたくなる。
結果、アレ(王妃)と同じ非道な行いをする人族に成り下がってしまう。
そんな事をしても、シエル自身どう思っているのかとか、何をして欲しいのかと、愚かな私には、シエルに問いかける事すら出来ない。
親としてどうすればいいのかも、今の私にはわからない。
アレが閉じ込められ、反省したとしてもどうでもいい。
あの王妃も第一王子もとにかく、私の大切な家族に関わらないで欲しいと思った。
王族に関わらない複数の医師、公爵邸専属医師はもちろん、信用出来る教会の者などにも証拠として我が子の身体を診せたあの時、目を背けたくなるような酷い傷などに、まるで拷問を受けたようだと呟いたのは、誰だっただろうか?
極度の栄養失調、魔力枯渇、数多くの生々しい傷。
医師たちの複数の診断書
教会の者たちの治癒と回復の記録書
2部ずつ作成し、王族に抗議した。
シエルを衆人環視(しゅうじんかんし)のもと、罵声(ばせい)を発した上、婚約破棄した第一王子に慰謝料などを請求、そして今後一切関わらないようにと要求した。
上部だけの謝罪も結構だ!!
何度でも言う。
もう王族には、関わりたくない。
あの第一王子が婚約破棄してくれた事に関しては、ありがたい事だったが、あろうことがイナモデント男爵令嬢をすぐさま婚約しようとしたり、卒業式直前のプロムでは、婚約者だったはずのシエルへの贈り物の一つもなく、男爵令嬢にはドレスと髪飾りまで贈ったあのクソ王子!!
許しがたいバカでクソで…どんな言葉をぶつけても許せないヤツだ!!
我が子に濡れ衣を着せた上、酷い仕打ち。
しかも、なぜか制服で出るよう強要した誰か。
シエルがどんな思いで耐えていたのかと思うとやりきれない。
公爵邸に帰ってきた時は、ほとんど会話もなく食事もそこそこに部屋に閉じこもっていた。
帰ってきた翌日どころか、その日の夜などにもかかわらず王妃のお側仕えたちが、"お気に入り"だからシエルを城に連れ戻すようと何度も来たが……。
いま思えば、なぜ王妃付きの使用人だったのかとか、なぜ王子のお付きの者ではなかったのかとか、私はシエルの姿をみているはずなのに、なぜ見過ごしてしまったんだろうか?と悔やまれる事ばかり。
元王妃直属の護衛や元王妃付きの使用人たちにより、シエルへの酷い仕打ちが、次々と告発された。
同じ目に合わしてやる!!
こんなにも人を恨んだのは初めてだった。
第二妃や第三妃が子を儲けるたび王妃は荒れっていったとか、子が流れる薬を買い求めるようになったとか告発する元使用人もいた。
調べれば調べるほど、おかしな点や不可解な事ばかり出てきたのだった。
王城から学園に通っていたはずのシエルは、学園に在籍していなかった。
シエルの学費はどこに行ったのか?
王妃が王子に付けていた教師陣を(王子があまりの厳しさに嫌悪した教師陣)朝から夜遅くまでシエルに付け厳しく勉強をさせられていた。
高熱や明らかに体調を崩していた時も、勉強を強要させられていたそうだ。
王城に何度も足を運んだり、手紙を送りシエルを家に戻すように訴えたのにもかわらず、訴えや手紙も受け取っていないと言われた事。
そして、王子が婚約者に贈るはずの衣装代は二つ分の請求書があった事。
受け取りが、イナモデント男爵令嬢ともう一つが王妃になっていた。
王妃が受け取った衣装の方が、イナモデント男爵の物より3倍以上の値段だった事。
あのクソ国王が、あのプライドばかり高い高飛車な隣国の……!!
婚約が整った時、いくら女性が少なくともあんな性悪な女性を王妃にするなんて辞めた方がいいと臣下として忠告したのに!!
"国と国を結ぶ為だし、ほら、僕は国王って身分だから政略結婚は当たり前なんだよ。貴重な"女性"を娶れるし、3人以上の妻を持たないといけないって先代からもいわれてるし、僕は、婚姻後に愛を育てるつもりだ。一年毎に妻が増える予定の僕ってすごいだろ?君みたいに、オリビアみたいな可愛い女性に選ばれて恋愛結婚しようとしてる方がおかしな事なんじゃないのか?"
そう言ったあのバカは、隣国のプライドが高く、身分が下の者を見下し金遣いが荒い女性を妻にした。
本当バカな国王だ。
王妃との結婚し2年後懐妊し、第一王子が生まれた。
王妃と結婚一年後に予定通りに第二妃を娶ったが、王妃は徹底して第二妃を嫌い見下した。
その翌年には第三妃となった男性の妃を娶ったが王妃は、第二妃と第三妃を嫌い見下した。
国王は、それを見かねて口出しをしたが修復する事は出来ないまま、義務として子を作り、同じく第二妃と第三妃にも子宝が出来た。
王妃は荒れ、使用人の入れ替わりも激しくなった。
月日が経ち、国王は王妃のもとへ通う回数も減ったらしい。
第二妃と第三妃にそれぞれに第二子が誕生した。
物や使用人に当たり散らし、さらにドレスや宝石を購入し金遣いが酷くなっていった。
そして茶髪の風貌がよく似た数人の使用人を"お気に入り"にし身の回りの世話や入浴の手伝いもさせていたそうだ。
辞めさせられた使用人によると、お茶もこだわりがあり隣国から取り寄せた茶葉やお茶菓子にする材料までもが隣国から取り寄せていたと聞いた。
王妃が酷く荒れることが多くなったのは、シエルが10歳を過ぎた頃だったと元使用人からの話を聞いた。
側室である第二妃と第三妃に子どもが立て続けに産まれからだとか、国王が王妃の元へ通わなくなったとか。
側室扱いの第二妃は2人、第三妃には3人の子宝が産まれた。
第一王子は式典など王族の行事などでよく見かけるが、第二王子以降や第一王女にはお目にかかる事はかなり稀(まれ)になった。
国王と王妃の仲は冷め切っていたらしい。
王族の子どもは5人の王子と1人の王女になっていた。
王妃と国王は政略結婚をし子をもうけたが、第二妃と代三妃は国王自ら選んで婚姻を結んだと聞いた。
未婚の者を中心に呼んだパーティーを開催し、そして出逢ったと。
国王は王妃を無視する形で2人の妃の所に今でもよく通っているらしい。
王妃はもともとが隣国の王女でプライドも高かった。
私は臣下として忠告したのに、聞き入れず、その王妃のせいで私の愛する妻との子を痛めつけられた。
許せない!!
隣国でも嫌煙されがちだったらしい元王女を、女性という事と、年が釣り合うからとか、国と国を繋ぐ為だけに隣国の王妃だった気性の荒い女性を、ほぼ強制的に選ばれ嫁がされた王妃。
王妃には国に好きな人がいたらしいが身分差の為、認められず諦められないまま政略結婚させられた。
不仲のまま結婚した王妃と国王。
2年経っても子どもは出来ず、周りから責められていた王妃。
子を作るのは義務として、3人以上の妻を娶るよう先代に言われていた国王は、王妃以外に2人娶ることになったらしいが、国王に対して王妃はキツイ目をする事が多くなったらしい。
そしてやっと出来た王子を甘やかし可愛がっていたと聞いた。
その結果、わがままで勉強もせずバカな王子が出来上がた。甘い言葉だけを囁(ささや)く者ばかりを侍(はべ)らす王妃のように、似通った側近候補を連れ歩きイナモデント男爵令嬢に想いを寄せた。
だが以外な事に、イナモデント男爵令嬢は第一王子との婚約どころか交際そのものを否定し、我が息子のシエルへの濡れ衣、ウワサなども否定。
イジメられた事実もなく、勝手にシエルを悪役に仕立てていったのは、王妃と第一王子だとも発言した。
立場的にも弱い男爵位の令嬢。
シエルを擁護する発言を繰り返し王族から狙ってくれとでもいうかのように言う令嬢。
女性が少ないこの世の中だが、王侯貴族、貴族内の序列、騎士位や平民の身分の差はそのまま残っている。
獣人族への差別も減らないこの国は、滅びの道をたどってるのかと思えるほどだった。
突然変異なのか、人口が減り続けたから神が嘆(なげ)き悲しんだため、男性も妊娠する事が出来るようになったとか。
ここ数十年で、男性同士の婚姻が増加したからか、ビューティフル ラブ教と言う新たな教団も現れた。
もともとはボーイズ ラブ教だったらしいが、あからさまだったから教皇が名を考えたそうだ。
フェニックス、死しても蘇(よみがえ)る不死鳥を神とし、火の鳥との別名をもじり、腐ェニックス神を祀(まつ)っている。
なぜ"腐"の文字かはわからない。
男同士の火のように燃え上がるような熱い恋愛を推進(すいしん)し、もふもふの獣人族を差別から守るための教団。
内緒だよ!!と教皇自ら教えてくれた衝撃の事実。
我が子息子が"病気"の為、わざわざ領地にある教会から足に身体強化までかけ走ってきてくれた。
だが、もう他の教会の者と医師たちに治癒と回復魔法をかけてもらったというと、なぜか残念そうにしていた。
私は知らなかったが、我ウォード公爵の者の容姿や考えに人気があるそうだ。
私たちの考えや行動に共感し、特に恋愛に関して自ら恋をし愛し"愛"をしたウォード公爵として、腐ェニックス神に通ずる考えがどうのこうのと、熱く語られてしまった。
そして幼い頃、第一王子がシエルを選んだから王族を見直したのに、とても残念だ!とよくわからない持論まで語っていた。
いつからだったろうか?
国が傾いてるのに気づいてたが、あの友人だと思っていた国王は変わってしまった。
あの隣国の女性を王妃に勧めた隣国の者たちとそれらと手を組んだ者たちにより婚約、そして婚姻した国王。
私は友人だった友から離れる準備をした。
まず手始めに領地にある国教である教会の者を追い出すことにした。
人族主義の教えを持つ国教、王都にある金持ち主義者であり、人族主義。
人族が一番えらい、獣人や他の種族たちは人族が繁栄する傍ら出来た副産物であり生き物であり、人族がその生き物を従え教え導く必要がある。
そんな考えの教団に期待する事なく、領地から追い出す為に王都にある処分予定のタウンハウスを教団に寄付した。
教会近くの王都にあるタウンハウス、そして改装費用にどうぞと寄付金も渡した。
領地の教団の者には、ぼろぼろになりかけている教会の為、王都にある我タウンハウスを教会としお使い下さいと伝えた。
教団の者たちはわずかな土地とぼろぼろの建物ごと売却し、少なくはないお金を懐(ふところ)に入れ王都に行った。
そして、私はすぐにそのぼろぼろの建物と土地を買った。
その時はまだ、土地と建物をどう使うかは検討していなかったが、たまたま、偶然だったが重なった。
少し前からウワサだけは聞いていた新しい教団にその土地と建物を譲った。
寄付したとなると、国教である教会に寄付と贈呈したばかりなのに、何か企んでいると思われるので、表向き格安でBL教団が買った事にした。
BL教団の者と協力し、各領地に散らばっていたスタンピートによる親を亡くした子や虐待を受けた子、そして獣人族の子たちを保護した。
残念ながら助けることが出来なかった者たちもたくさんいた。
ウォード公爵の一つにイバド町という町がある。
そこそこ栄えた町になったが、まだまだ改革が必要だ。
シエルが"ヨーグリコ商会"の荷馬車に乗って、家出をした時、幸運な事に我が領地に留まってくれている事に感謝した。
ヨーグリコ商会の店も、偶然にもシエルを助けてくれたアロン君もいる。
元第三騎士団団長のアロン・ローレンスだ。
ローレンス辺境伯の兄 36歳
あのクソ国王と私とそして最愛の妻オリビアと同年代、つまり同じ歳だ。
あのスタンピートで仲間を失い、クソ国王は何もしなかった。王都が無事ならと何でもいいのかと思ったほどだ。
あの頃に私の摩訶不思議な力を授かったのも、何かの縁なのか?
そんな事より、どうもうちの可愛いシエルがアロン君を気にしているとかなんとか、驚く報告をしてくれちゃったりしてきた、BL教会にこっそり入った影。
ウソだよな。
ウソだとイッて、い?言わない?言う?いや、どっちだ?(*公爵は、かなり動揺してます)
アロン君は、私と同じ年齢だぞ?
私は36歳でアロン君も36歳、愛妻も同じ歳だが女性に年齢の事を言うと場合により、酷い目にあうので言わないが、36歳からシエルの年齢を引くと……。
シエルが生まれた時の私と愛妻の年齢になる。
36歳と18歳……!!えっ!!
計算もしたくない!!年齢差?!
わ、わからない?!わかりたくない!!
認めない!!認めたくないが、もし、万が一、アロン君が私の息子に?いやいやいやいやいやいやいやいや、ない、それはない!!
私たちとアロン君は同じ年齢だ!!
アロン君にパパと呼ばれても嬉しくない!!(*ウォード公爵家の誰も公爵当主の事"パパ"とは言ってません)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~メモ~
・隣国→リーンコック王国
・アロン・ローレンス
ローレンス辺境伯の兄 36歳
イバド町の冒険者ギルド(指導員)
冒険者ギルドランク A級
現国王と親友
元第三騎士団団長
約2年前のスタンピートで第三騎士団ほぼ壊滅
生き残った数人も国からの保証も何もない為、国には全員死亡と報告
その当時の、アロンの全財産を死んだ仲間と生き残った仲間に分け与え、死に場所を探し続けている
・グリーコ 40代
"ヨーグリコ商会"という馬車持ちの大商人
ヨーグリコ商会2代目
主に食品を扱っているが、生活用品や古着も少し取り扱っている
妻は2年前になくなっている
スポロ21歳、長男夫婦は本店
クエン18歳、次男夫婦はイバド支店
・ローマン・ウォード 36歳 公爵→たぶん前世持ち、特殊なチートあり(調べていないので本人も何のチートかわかってない)
・オリビア・ウォード 36歳 公爵夫人
(ベルウッド侯爵令嬢)
エドワード 長男 20歳
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シエル 三男 18歳←主人公
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ミーユ 長女 10歳
560
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ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
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