夢の結晶

優歩

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夢の結晶 第19話

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何台ものカメラを前に、大川助教授は、話し始めた。「本日、一部新聞で、報道されております、本学の小山教授について、より詳しい事を、お話しさせていただきたく、会見を開きました。後程、質問を受けますので、まずは私共の話しを、お聞き下さい。では、主治医の三島裕次郎先生から、お話ししていただきます。」「只今、大川助教授より、ご紹介いただきました、三島裕次郎でございます。小山教授からは、真実を話して良い、との許可を、いただきましたので、そのまま申し上げます。小山教授の病名は、脳腫瘍です。少し広範囲ではありましたが、手術で全て摘出する事が、できました。今後も、慎重に経過観察して行く事になります。」私の後を引き継ぎ、大川助教授が、再び口を開いた。「大学側から、異例ではありますが、この場を借りて、小山教授の今後について、お話し致します。小山教授は、今現在手術予定の患者様の手術の執刀が、終わる10月いっぱいを、持ちまして、教授の職を退く意思を決めております。後任の教授は、決まり次第、速やかに発表させていただきます。最後に、小山教授の回復を、静かに見守って頂きたく、報道各社様には、病院周辺での取材の自粛を、お願いしたいと、存じます。私共からの発表は、以上です。何か、ご質問のある方は、いますか、挙手して下さい。それでは、前列の、そちらの男性。」「東洋新聞の箱田です。この度の手術は、何故、大学の医師が、主治医、手術の執刀を、しなかったのでしょうか。」「それは、小山教授自らが、三島先生に、主治医になり、執刀していただく事を、希望しておりましたので、私が、病院まで出向き、お願い致しました。」「この度の手術で病気が、手術不可能の領域にあり、そこにメスが入ったとの、情報がありますが、それは、事実なのでしょうか、三島先生、お答え下さい。」僕は大川助教授の顔を一瞬見た後、「今の質問の情報元が、どこからかは、お聞きしませんが、それは事実です。小山教授が以前、アメリカの医学誌に、発表した論文を読み、可能だと私が判断して、手術致しました。小山教授の命を助ける事は、手術の執刀を待つ、患者様をも救う事だとの私の決断です。」その僕の発言の間中、カメラのシャッター音と、フラッシュの光が、会見場を包みこんでいた。
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