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【第九幕】4thステージ「ビタミンC」
スタフィッシュとヴィルクルの恋
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交合の性癖――フンフケルパーのクリーチャーたちは神に畏れを抱いていた。ダイオウイカーヌと同様、他のクリーチャーたちも神と交わることを避けていた。彼らは、交合の法則はもちろんのこと、性の存在すら知らなかった。だがそれでも、クリーチャー同士のクロス交合では決して神が生まれないことを、経験的に知っていた。スラッシュ交合で偶偶に神を産んでしまうことを知り、それを恐れていた。これこそが、クリーチャーたちがスラッシュ交合を忌み嫌った理由であり、安心してクロス交合を営むことができた理由だったのだ。
また、性の存在を知らないとはいえ、クリーチャーたちも同性の雰囲気を本能的に感じることができた。特に、Vの雰囲気を感じ取ることに長けていたダイオウイカーヌは、純粋のVを強く感じる相手と積極的にクロス交合を営み、純粋のVを守ることによって、結果的に繁栄してきたのだ。
「さあ、続けましょう」
老亀が瞑想を終えて沈黙を破った。
「スタフィッシュとヴィルクルの恋バナですわね♪」
「はい。その二人は、まずダイダロウスの第二子であるイカアロウスを味方につけました」
「イカアロウスは、ヴィルクルの弟ですの?」
老亀は、ここぞとばかりに鼻を膨らませた。
「男か女か、という区別としての性別などはなかったのですが、少しは男気のある若者であったことから、どちらかというと弟になるでしょうか」
「そうですか」
「左様でございます。それでイカアロウスは、スタフィッシュとヴィルクルに、ダイダロウスに気づかれないよう気をつけながら交際することを勧め、良く手助けをしていました。二人のために隠れ家を用意したりもしたのです。そして、スラッシュ交合は良いがクロス交合は良くない、などとアドバイスしました」
「なんと大胆な!」
イカアロウスは、日頃から禁書をこっそり読んでいた。それでダイオウイカーヌが神とスラッシュ交合する場合に神が生まれることがなく、しかもVの雰囲気を持つ子が生まれることを、彼は知っていた。スラッシュ交合の法則が解明されている現在なら法則表を見れば一目で分かるが、当時は知る者も少なかった。しかし禁書には、既にそういう情報が載っていたのだ。
「ところが、スタフィッシュとヴィルクルは、イカアロウスからの忠告を忘れ、ついクロス交合を営み、nを産んでしまいました」
「あら!」
「そして運悪く、そのことがヴィルクルの親ダイダロウスにも、純粋ネプチューンの長ウラノスガイアにも、知れてしまったのです」
「まあ!!」
「その結果、ヴィルクルはダイダロウスから縁を切られてしまい、スタフィッシュに至っては、生まれたばかりの成り上がりの神の子をクサイで刺し殺すよう、ウラノスガイアから、それはもうとても厳しく命じられました」
「ええぇーっ!!」
ピクルスはどうにもこうにも耐えられなくなった。ヴィルクルとスタフィッシュにとって、どれほど辛いことであったろうかと思うと、自分のことのように胸が痛むのだ。
「一方、イカアロウスはというと、自分がヴィルクルたちに悪知恵をつけたことをダイダロウスには黙っていました。そればかりか、次の大王になれることを喜び、陰では密かにほくそ笑んでいたのです」
「な、なんとも酷いですこと!」
一転して今度は腹の底から怒りがこみ上げてくる。最初はナイス・ガイのように思ったのだが、イカアロウスというのは、とんだ食わせ者だったのだ。
「スタフィッシュは悩み、考え抜きました。そして偽のクサイを製造しました」
「偽の?」
「はい、純粋のNでない神であっても、Vが産んだ神だけは死なないような偽りのクサイです。それを使い、スタフィッシュは親の目の前で、ヴィルクルとの間にもうけた我が子の心の臓を刺しました」
「それで?」
「もちろん、子は無事でした」
「はあぁ~~、よかったぁ~」
緊張が一気に解けて力が抜け切った。
しかし悲劇の話というものは、そう簡単には終わらないものだ。
「一時的に危機を脱しましたが、純粋ネプチューンの長の鋭い目を、そのように欺き続けることなど、到底できはしないものです。そのことを一番良く理解していたのは、他でもなくスタフィッシュでした」
「へえっ!?」
「当時の神は、毎月初日に、かかりつけの病院で定期健康診断を受けることが義務づけられていたのです。その際、クサイ検査というのがあり、神々は、たとえ純粋ネプチューンの長の孫であっても、例外なくクサイで刺されるのです」
「へええぇぇ、そうなるとヴィルクルたちの子は!?」
「本物のクサイで刺されるのは、いわば時間の問題だったのです」
「ああ、なんとも」
悲しい。もう、この一言だけである。
また、性の存在を知らないとはいえ、クリーチャーたちも同性の雰囲気を本能的に感じることができた。特に、Vの雰囲気を感じ取ることに長けていたダイオウイカーヌは、純粋のVを強く感じる相手と積極的にクロス交合を営み、純粋のVを守ることによって、結果的に繁栄してきたのだ。
「さあ、続けましょう」
老亀が瞑想を終えて沈黙を破った。
「スタフィッシュとヴィルクルの恋バナですわね♪」
「はい。その二人は、まずダイダロウスの第二子であるイカアロウスを味方につけました」
「イカアロウスは、ヴィルクルの弟ですの?」
老亀は、ここぞとばかりに鼻を膨らませた。
「男か女か、という区別としての性別などはなかったのですが、少しは男気のある若者であったことから、どちらかというと弟になるでしょうか」
「そうですか」
「左様でございます。それでイカアロウスは、スタフィッシュとヴィルクルに、ダイダロウスに気づかれないよう気をつけながら交際することを勧め、良く手助けをしていました。二人のために隠れ家を用意したりもしたのです。そして、スラッシュ交合は良いがクロス交合は良くない、などとアドバイスしました」
「なんと大胆な!」
イカアロウスは、日頃から禁書をこっそり読んでいた。それでダイオウイカーヌが神とスラッシュ交合する場合に神が生まれることがなく、しかもVの雰囲気を持つ子が生まれることを、彼は知っていた。スラッシュ交合の法則が解明されている現在なら法則表を見れば一目で分かるが、当時は知る者も少なかった。しかし禁書には、既にそういう情報が載っていたのだ。
「ところが、スタフィッシュとヴィルクルは、イカアロウスからの忠告を忘れ、ついクロス交合を営み、nを産んでしまいました」
「あら!」
「そして運悪く、そのことがヴィルクルの親ダイダロウスにも、純粋ネプチューンの長ウラノスガイアにも、知れてしまったのです」
「まあ!!」
「その結果、ヴィルクルはダイダロウスから縁を切られてしまい、スタフィッシュに至っては、生まれたばかりの成り上がりの神の子をクサイで刺し殺すよう、ウラノスガイアから、それはもうとても厳しく命じられました」
「ええぇーっ!!」
ピクルスはどうにもこうにも耐えられなくなった。ヴィルクルとスタフィッシュにとって、どれほど辛いことであったろうかと思うと、自分のことのように胸が痛むのだ。
「一方、イカアロウスはというと、自分がヴィルクルたちに悪知恵をつけたことをダイダロウスには黙っていました。そればかりか、次の大王になれることを喜び、陰では密かにほくそ笑んでいたのです」
「な、なんとも酷いですこと!」
一転して今度は腹の底から怒りがこみ上げてくる。最初はナイス・ガイのように思ったのだが、イカアロウスというのは、とんだ食わせ者だったのだ。
「スタフィッシュは悩み、考え抜きました。そして偽のクサイを製造しました」
「偽の?」
「はい、純粋のNでない神であっても、Vが産んだ神だけは死なないような偽りのクサイです。それを使い、スタフィッシュは親の目の前で、ヴィルクルとの間にもうけた我が子の心の臓を刺しました」
「それで?」
「もちろん、子は無事でした」
「はあぁ~~、よかったぁ~」
緊張が一気に解けて力が抜け切った。
しかし悲劇の話というものは、そう簡単には終わらないものだ。
「一時的に危機を脱しましたが、純粋ネプチューンの長の鋭い目を、そのように欺き続けることなど、到底できはしないものです。そのことを一番良く理解していたのは、他でもなくスタフィッシュでした」
「へえっ!?」
「当時の神は、毎月初日に、かかりつけの病院で定期健康診断を受けることが義務づけられていたのです。その際、クサイ検査というのがあり、神々は、たとえ純粋ネプチューンの長の孫であっても、例外なくクサイで刺されるのです」
「へええぇぇ、そうなるとヴィルクルたちの子は!?」
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