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6.百鬼夜行
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あらすじ
騒がしいやつ退治したらなんかすごいの見た
ーーーーー
7月14日 午前2時30分。
リビングルームに置いている漢数字の時計が鐘を1度鳴らし、再びカチコチと音を立てて時を刻みだす。
その時、俺が見たものは、遙かに理解の及ばない存在だった。
それは恐怖の体現。
それは醜悪の象徴。
それは畏怖の対象。
それは和人の尊敬。
それは故人の執念。
それは子供の想像。
それは不浄で美徳ーーー。
俺はおもわず足を進めていた。
ここから見えるのは、「後眼(ウシロメ)」、「大百足(オオムカデ)」、「醜女(シコメ)」。
一瞬見惚れたが、素数を数えることで、直ぐに我に戻った。
そもそも、何故この街に百鬼夜行が?何か惹き付ける魅力があるのか?それとも、やはりこの街が特別なのか?疑問に思い、陰に隠れつつ見ていると、
「そこで見ておるのは誰でおろう?」
体が反応した、逃げなければ。
「我が名は山本五郎左衛門。今では魔王と呼ばれる者である。」
「あ、はい、三神剣です。」
なんて礼儀正しいんだ!つい反射的に挨拶してしまったではないか!
「ところで少年、君は異変に気がついておるか?」
いや、知らないですね。
「主の知り合いに『鏡乃光里』なる女がおるであろう?」
YES。ヒカリさんには是非とも俺の伴侶に迎え入れたいね。
「恐らく、主は、三種の神器と説明されただろう。だがそれは間違いだ。」
何だと?じゃあ何だというんだ。
「我々がこうして列を作るのは、7月は戌の日と決められている。だが、次の戌の日、15日より早くここに出てきたのは何故か。わかるか?少年。」
わからないぞ。
「…やつの正体は、三種の神器ではない、雲外鏡だ。」
雲外鏡、それは鏡の妖怪。別名照魔鏡とも言われている。魔物を映し、浄化するという。
「拙者らにとっては邪魔な存在だである。故、拙者らは倒さねばならない。それと同時に、主らにも迷惑を掛けることになる。今は鏡として働いているが、その内、主らを操り僕とする時が来るだろう。」
「そんな馬鹿な!そんなことがあるわけがない!」
そうだ、あるはずがない。あってはならないんだ。あの、あの!ヒカリさんが…!そんな者で、物で、あって良いわけがない!
「現実逃避はいかんぞ少年。目の前のものを見るのだ。」
嫌だ!俺はヒカリさんを信じる!
「面倒な小僧よ。共闘を頼もうと思ったのだが、これでは仕方がない。我が妖の前に勝てるものかね!」
失念していた。
こいつは、大量の妖怪を引き連れていることを。
また、俺には対抗し得る術がないということを。
騒がしいやつ退治したらなんかすごいの見た
ーーーーー
7月14日 午前2時30分。
リビングルームに置いている漢数字の時計が鐘を1度鳴らし、再びカチコチと音を立てて時を刻みだす。
その時、俺が見たものは、遙かに理解の及ばない存在だった。
それは恐怖の体現。
それは醜悪の象徴。
それは畏怖の対象。
それは和人の尊敬。
それは故人の執念。
それは子供の想像。
それは不浄で美徳ーーー。
俺はおもわず足を進めていた。
ここから見えるのは、「後眼(ウシロメ)」、「大百足(オオムカデ)」、「醜女(シコメ)」。
一瞬見惚れたが、素数を数えることで、直ぐに我に戻った。
そもそも、何故この街に百鬼夜行が?何か惹き付ける魅力があるのか?それとも、やはりこの街が特別なのか?疑問に思い、陰に隠れつつ見ていると、
「そこで見ておるのは誰でおろう?」
体が反応した、逃げなければ。
「我が名は山本五郎左衛門。今では魔王と呼ばれる者である。」
「あ、はい、三神剣です。」
なんて礼儀正しいんだ!つい反射的に挨拶してしまったではないか!
「ところで少年、君は異変に気がついておるか?」
いや、知らないですね。
「主の知り合いに『鏡乃光里』なる女がおるであろう?」
YES。ヒカリさんには是非とも俺の伴侶に迎え入れたいね。
「恐らく、主は、三種の神器と説明されただろう。だがそれは間違いだ。」
何だと?じゃあ何だというんだ。
「我々がこうして列を作るのは、7月は戌の日と決められている。だが、次の戌の日、15日より早くここに出てきたのは何故か。わかるか?少年。」
わからないぞ。
「…やつの正体は、三種の神器ではない、雲外鏡だ。」
雲外鏡、それは鏡の妖怪。別名照魔鏡とも言われている。魔物を映し、浄化するという。
「拙者らにとっては邪魔な存在だである。故、拙者らは倒さねばならない。それと同時に、主らにも迷惑を掛けることになる。今は鏡として働いているが、その内、主らを操り僕とする時が来るだろう。」
「そんな馬鹿な!そんなことがあるわけがない!」
そうだ、あるはずがない。あってはならないんだ。あの、あの!ヒカリさんが…!そんな者で、物で、あって良いわけがない!
「現実逃避はいかんぞ少年。目の前のものを見るのだ。」
嫌だ!俺はヒカリさんを信じる!
「面倒な小僧よ。共闘を頼もうと思ったのだが、これでは仕方がない。我が妖の前に勝てるものかね!」
失念していた。
こいつは、大量の妖怪を引き連れていることを。
また、俺には対抗し得る術がないということを。
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