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*ヴェイル視点 27
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ステラに別れを告げられてから、俺は生きる気力が湧かない。
憎いはずのキャロライン達の刑執行時でさえ、心は動かなかった。
今の俺の姿は、堕落した父上にそっくりだ。
あれだけ情けない父上の姿に嫌悪していたというのに、俺にはもう、ステラがいない日々をどうやって過ごせばいいのか、分からなかった。
それでも、俺には使命がある。民を守るという使命が。
俺はひたすらに仕事に打ち込んだ。食事や睡眠の時間すら削って。
そんな日々を送っていれば、さすがの俺でも早々に体の限界は来る。しかし、止めることは出来なかった。
何もしていない時間は、ステラを思い出し、眠っていれば、ステラを失う悪夢に襲われる。俺は、己の体を酷使することで、苦痛を齎す寂しさから逃れていた。
そんな俺を兄上や部下達が心配していることに気付いてはいても。
兄上は、不甲斐ない俺に変わってサージェント側と連絡を取ろうと試みていた。しかし、相手から拒絶されているのだろう。結果は芳しくないようだった。
せめてステラのためにと、俺は自分の魔力の入った魔石をサージェントに送り続けた。
そんな事でもしていないと、ステラが心配で何も手につかなかったのだ。
それでも、終ぞ、ステラから連絡が来ることはなかった。
そんな折、イザリア聖国の巫女から兄上と俺に、謁見の申し出があった。
兄上はともかく、神への信仰心の薄い俺に何の用だ?
俺まで呼ばれた理由が分からない。
神の降り立った地を守るイザリアの民に対して、強い憧れを持つ獣人達は、長年、聖国に敬意を払ってきた。彼の地の神殿を模した礼拝堂を各地に建立するほどに。
けれど、俺は、神を嫌厭してきたため、イザリア聖国との繋がりは薄かったのだ。
疑問に思いながらも、俺は急いで身なりを整え、謁見室に向かった。
騎士に促され部屋に入ると、兄上の他に、宰相や大臣達も勢揃いしていた。そこへ、一番遅く来た俺は、全員の憐憫の視線を受けることになる。
先日のバルガンデイル公爵家の裁判の件で、俺が番に逃げられたと公になったからだろう。
遠巻きに見てくる者達を無視して、俺は兄上に近付いた。
「ヴェイル、ここへ。」
「はい。」
兄上の横につくと、暫くして、通信機が光り、金髪の女性の姿を映し出した。
「お久しぶりでございます、ガイル陛下。お元気でしたか?」
「ああ、エレンディール巫女殿も元気そうでなによりだ。」
エレンディール…。
アデライード陛下のご息女の先見の巫女か。
先見の巫女がわざわざ連絡してきたということは、天啓絡みか?
挨拶も早々に終わり、巫女が真剣な表情で話し始める。
その言葉に、皆が息を呑んだ。
「第三の災厄が、まもなくやって来ます。魔物の王の目覚めです。心して下さいませ。」
「真か?」
「残念ながら、真実です。」
兄上の覇気が籠った声に、巫女がはっきりと肯定を返す。
その時、巫女が俺を見た。
「魔物の王は、貴方の番を真っ先に狙うでしょう。」
俺は兄上を押し退けて、不吉な予言をした巫女へ詰め寄った。
憎いはずのキャロライン達の刑執行時でさえ、心は動かなかった。
今の俺の姿は、堕落した父上にそっくりだ。
あれだけ情けない父上の姿に嫌悪していたというのに、俺にはもう、ステラがいない日々をどうやって過ごせばいいのか、分からなかった。
それでも、俺には使命がある。民を守るという使命が。
俺はひたすらに仕事に打ち込んだ。食事や睡眠の時間すら削って。
そんな日々を送っていれば、さすがの俺でも早々に体の限界は来る。しかし、止めることは出来なかった。
何もしていない時間は、ステラを思い出し、眠っていれば、ステラを失う悪夢に襲われる。俺は、己の体を酷使することで、苦痛を齎す寂しさから逃れていた。
そんな俺を兄上や部下達が心配していることに気付いてはいても。
兄上は、不甲斐ない俺に変わってサージェント側と連絡を取ろうと試みていた。しかし、相手から拒絶されているのだろう。結果は芳しくないようだった。
せめてステラのためにと、俺は自分の魔力の入った魔石をサージェントに送り続けた。
そんな事でもしていないと、ステラが心配で何も手につかなかったのだ。
それでも、終ぞ、ステラから連絡が来ることはなかった。
そんな折、イザリア聖国の巫女から兄上と俺に、謁見の申し出があった。
兄上はともかく、神への信仰心の薄い俺に何の用だ?
俺まで呼ばれた理由が分からない。
神の降り立った地を守るイザリアの民に対して、強い憧れを持つ獣人達は、長年、聖国に敬意を払ってきた。彼の地の神殿を模した礼拝堂を各地に建立するほどに。
けれど、俺は、神を嫌厭してきたため、イザリア聖国との繋がりは薄かったのだ。
疑問に思いながらも、俺は急いで身なりを整え、謁見室に向かった。
騎士に促され部屋に入ると、兄上の他に、宰相や大臣達も勢揃いしていた。そこへ、一番遅く来た俺は、全員の憐憫の視線を受けることになる。
先日のバルガンデイル公爵家の裁判の件で、俺が番に逃げられたと公になったからだろう。
遠巻きに見てくる者達を無視して、俺は兄上に近付いた。
「ヴェイル、ここへ。」
「はい。」
兄上の横につくと、暫くして、通信機が光り、金髪の女性の姿を映し出した。
「お久しぶりでございます、ガイル陛下。お元気でしたか?」
「ああ、エレンディール巫女殿も元気そうでなによりだ。」
エレンディール…。
アデライード陛下のご息女の先見の巫女か。
先見の巫女がわざわざ連絡してきたということは、天啓絡みか?
挨拶も早々に終わり、巫女が真剣な表情で話し始める。
その言葉に、皆が息を呑んだ。
「第三の災厄が、まもなくやって来ます。魔物の王の目覚めです。心して下さいませ。」
「真か?」
「残念ながら、真実です。」
兄上の覇気が籠った声に、巫女がはっきりと肯定を返す。
その時、巫女が俺を見た。
「魔物の王は、貴方の番を真っ先に狙うでしょう。」
俺は兄上を押し退けて、不吉な予言をした巫女へ詰め寄った。
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