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「眠らないのか?」
「ヴェイル様…。少し緊張してしまって。」
湯浴みで熱った体を窓際で冷ましていたら、いつの間にか、すぐ近くにヴェイル様が立っていた。
「夜風で体が冷えている。もう奥に戻ろう。」
返事をする前に、背後から伸びてきた逞しい腕に抱き上げられて、部屋の奥へ運ばれる。その間、私の頭には、ヴェイル様の甘過ぎる口付けが降り注ぎ続けていた。
「ヴェ、ヴェイル様っ!」
「何だ?獣姿の時は、これが普通だっただろう?」
「で、でも!い、今は…。」
今夜のヴェイル様は、人の姿に戻っている。
神殿の中央部にある祈りの間であれば、一晩ぐらいなら元の姿に戻っても大丈夫なはずだと、姫様に直談判したらしい。
その結果、歴代の巫女や神官達が神に祈りを捧げてきたこの場に、寝具を持ち込んで簡易の寝所を作ってしまったのだ。
そんな神聖な場所に敷かれたカーペットの上に下ろされた私は、ヴェイル様に再び抱き締められていた。
こんな事をしていていいのかしら。
何だが罰当たりな気が…。
トントンとヴェイル様の背中を叩くと、私の首元に彼の熱い吐息がかかった。
「ステラにしてやりたいことが沢山あるんだ。美味い物を腹一杯食べさせたいし、サウザリンドの色々な名所に連れて行きたい。ステラが望むなら、世界中を旅してもいいな。そして、貴女が気に入った場所に、俺達二人の家を作るんだ。そうだな…。一年中、赤薔薇が咲く白亜の城なんてどうだ?」
「ヴェイル様…。」
「毎年、豊穣祭にも参加しよう。絆のリボンを結んで、俺達は、祝福された夫婦になるんだ。」
「私達が、夫婦に…。」
「ああ、そうだ。式も考えなければな。ステラの花嫁姿を誰にも見せたくないから、出来れば二人だけで挙げてしまいたいんだが。それは、兄上が許してくれないだろうな。」
「嬉しい…。ヴェイル様、私、凄く、凄く、幸せです。」
ヴェイル様が紡ぐ言葉の一つ一つに、私の胸が幸福な熱で満たされ、涙が溢れる。ヴェイル様の背中に回した腕に力を入れて、強く抱き付くと、彼の胸に私の涙が吸い込まれていった。
すると、ヴェイル様は、私を囲う腕の力を緩め、ゆっくり顔を上げた。
急に離れていく熱に寂しさが込み上げた私は、縋るようにヴェイル様を見上げる。すると、ヴェイル様の両手が、私の頬を包んだ。
「世界のどんなものよりも、貴女が愛おしい。俺の全てを貴女に捧げる。だから、どうか、俺と結婚してくれ。貴女がいない人生なんて、もう考えられないんだ。愛してる、ステラ。」
「私も、ヴェイル様を心から愛しています。どうか、ずっと、お側に置いて下さい。」
ヴェイル様への返事が、自然と私の口から溢れ出た。あれだけ悩んでいたのに。
私の望みは、もうずっと前から、私の中で決まっていたのだ。
「ああ、約束だ。」
ヴェイル様は、少し掠れた声で囁くと、真剣な表情のまま私に顔を寄せてきた。
私とヴェイル様の距離がなくなり、お互いの唇が重なる。
触れ合った場所から生まれた熱を追いかけて、私は夢中でヴェイル様に縋りついた。
幸せ…。
この方を愛することが出来て、愛してもらえて幸せ。
名残惜しくも、唇を離した私達の顔には、幸福に満たされた笑みが浮かんでいた。
「ヴェイル様…。少し緊張してしまって。」
湯浴みで熱った体を窓際で冷ましていたら、いつの間にか、すぐ近くにヴェイル様が立っていた。
「夜風で体が冷えている。もう奥に戻ろう。」
返事をする前に、背後から伸びてきた逞しい腕に抱き上げられて、部屋の奥へ運ばれる。その間、私の頭には、ヴェイル様の甘過ぎる口付けが降り注ぎ続けていた。
「ヴェ、ヴェイル様っ!」
「何だ?獣姿の時は、これが普通だっただろう?」
「で、でも!い、今は…。」
今夜のヴェイル様は、人の姿に戻っている。
神殿の中央部にある祈りの間であれば、一晩ぐらいなら元の姿に戻っても大丈夫なはずだと、姫様に直談判したらしい。
その結果、歴代の巫女や神官達が神に祈りを捧げてきたこの場に、寝具を持ち込んで簡易の寝所を作ってしまったのだ。
そんな神聖な場所に敷かれたカーペットの上に下ろされた私は、ヴェイル様に再び抱き締められていた。
こんな事をしていていいのかしら。
何だが罰当たりな気が…。
トントンとヴェイル様の背中を叩くと、私の首元に彼の熱い吐息がかかった。
「ステラにしてやりたいことが沢山あるんだ。美味い物を腹一杯食べさせたいし、サウザリンドの色々な名所に連れて行きたい。ステラが望むなら、世界中を旅してもいいな。そして、貴女が気に入った場所に、俺達二人の家を作るんだ。そうだな…。一年中、赤薔薇が咲く白亜の城なんてどうだ?」
「ヴェイル様…。」
「毎年、豊穣祭にも参加しよう。絆のリボンを結んで、俺達は、祝福された夫婦になるんだ。」
「私達が、夫婦に…。」
「ああ、そうだ。式も考えなければな。ステラの花嫁姿を誰にも見せたくないから、出来れば二人だけで挙げてしまいたいんだが。それは、兄上が許してくれないだろうな。」
「嬉しい…。ヴェイル様、私、凄く、凄く、幸せです。」
ヴェイル様が紡ぐ言葉の一つ一つに、私の胸が幸福な熱で満たされ、涙が溢れる。ヴェイル様の背中に回した腕に力を入れて、強く抱き付くと、彼の胸に私の涙が吸い込まれていった。
すると、ヴェイル様は、私を囲う腕の力を緩め、ゆっくり顔を上げた。
急に離れていく熱に寂しさが込み上げた私は、縋るようにヴェイル様を見上げる。すると、ヴェイル様の両手が、私の頬を包んだ。
「世界のどんなものよりも、貴女が愛おしい。俺の全てを貴女に捧げる。だから、どうか、俺と結婚してくれ。貴女がいない人生なんて、もう考えられないんだ。愛してる、ステラ。」
「私も、ヴェイル様を心から愛しています。どうか、ずっと、お側に置いて下さい。」
ヴェイル様への返事が、自然と私の口から溢れ出た。あれだけ悩んでいたのに。
私の望みは、もうずっと前から、私の中で決まっていたのだ。
「ああ、約束だ。」
ヴェイル様は、少し掠れた声で囁くと、真剣な表情のまま私に顔を寄せてきた。
私とヴェイル様の距離がなくなり、お互いの唇が重なる。
触れ合った場所から生まれた熱を追いかけて、私は夢中でヴェイル様に縋りついた。
幸せ…。
この方を愛することが出来て、愛してもらえて幸せ。
名残惜しくも、唇を離した私達の顔には、幸福に満たされた笑みが浮かんでいた。
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