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第42回作文大会 高校生の部
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「随分前のことだから自信ないけど多分ここだよ」
昨日から夏休みが始まり早速暇を持て余していた僕はふと小学生の頃近所で流行った怖い話を思い出しました。その話では通学路から外れた雑木林の奥に(キムラさんの家)と呼ばれる木造の廃屋があり、中にはたくさんの人形が転がっている。その家に入ると呪いがかかり、呪われた子供は6日後行方不明になる。いかにも小学生の間で噂になりそうな、どこにでもあるありきたりな話です。
ただこの手の話は大抵(呪いの館)とか(人形の家)とか話のサビがタイトルとして呼ばれるはずなのですが(キムラさんの家)という話の内容とは全く関係ない人間の名字がタイトルに付くこの話に私は何処となく気持ちの悪さを感じました。一体なぜこんなタイトルになったのでしょう。私は同じく夏休みに入った友人を誘ってこの(キムラ)さんの家を調べることにしました。調べると言ってもキムラさんの家の場所をそもそも知らない僕は、小学生当時キムラさんの家に行ったという友人に案内を頼みその場所まで連れて行ってもらいました。
噂では雑木林と聞いたのですが、実際はいくら通学路が山道と言えど道中の殆どはアスファルトで舗装され、とても恐ろしい場所に着くとは思えませんでした。
例の家はそこから横にそれた未舗装の小道に入ってすぐの場所にありました。しかしそれは噂で聞いた廃屋などではなく近所でもよく見る洋風建築の二階建て一軒家。庭はきれいに草が刈られ、少し型落ちの軽自動車が一台停まり、ベランダからは洗濯物だろう白い服が干され風に揺れています。道を間違えたのかと思い友人に訪ねましたが当時訪れた場所で合っていると言います。この家がキムラさんの家だとすればただただ木村さんが住む家を寄り道をして帰っていた誰かが見つけて、いつの間にか話に尾鰭がついていただけかと僕は少々気を落としていたのですが、友人曰くこの家に住む人は「木村」という名字ではないと言います。少し気が引けましたが家の前まで近づいて玄関前に設置された表札を確認してみました。確かに表札には「木村」の文字はありませんでした。代わりにそこにはとてもきれいな筆文字で
「へずれた」
と書いてありました。
昨日から夏休みが始まり早速暇を持て余していた僕はふと小学生の頃近所で流行った怖い話を思い出しました。その話では通学路から外れた雑木林の奥に(キムラさんの家)と呼ばれる木造の廃屋があり、中にはたくさんの人形が転がっている。その家に入ると呪いがかかり、呪われた子供は6日後行方不明になる。いかにも小学生の間で噂になりそうな、どこにでもあるありきたりな話です。
ただこの手の話は大抵(呪いの館)とか(人形の家)とか話のサビがタイトルとして呼ばれるはずなのですが(キムラさんの家)という話の内容とは全く関係ない人間の名字がタイトルに付くこの話に私は何処となく気持ちの悪さを感じました。一体なぜこんなタイトルになったのでしょう。私は同じく夏休みに入った友人を誘ってこの(キムラ)さんの家を調べることにしました。調べると言ってもキムラさんの家の場所をそもそも知らない僕は、小学生当時キムラさんの家に行ったという友人に案内を頼みその場所まで連れて行ってもらいました。
噂では雑木林と聞いたのですが、実際はいくら通学路が山道と言えど道中の殆どはアスファルトで舗装され、とても恐ろしい場所に着くとは思えませんでした。
例の家はそこから横にそれた未舗装の小道に入ってすぐの場所にありました。しかしそれは噂で聞いた廃屋などではなく近所でもよく見る洋風建築の二階建て一軒家。庭はきれいに草が刈られ、少し型落ちの軽自動車が一台停まり、ベランダからは洗濯物だろう白い服が干され風に揺れています。道を間違えたのかと思い友人に訪ねましたが当時訪れた場所で合っていると言います。この家がキムラさんの家だとすればただただ木村さんが住む家を寄り道をして帰っていた誰かが見つけて、いつの間にか話に尾鰭がついていただけかと僕は少々気を落としていたのですが、友人曰くこの家に住む人は「木村」という名字ではないと言います。少し気が引けましたが家の前まで近づいて玄関前に設置された表札を確認してみました。確かに表札には「木村」の文字はありませんでした。代わりにそこにはとてもきれいな筆文字で
「へずれた」
と書いてありました。
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