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第Ⅱ章 暗黒に生まれし者達 ~Out of Heaven~
#38 不死者の妄執 その2
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「……大シタモノダ。ダガ分カッタ所デ、結果ハ何モ変ワラナイ!」
レンポッサ卿が手を替えた。
動いたのは、エリマキトカゲを彷彿させる首回りの襞と、全身真っ青の異形のゾンビ──中級アンデッドの『バンシー』。
「ゥギュウウウウウウ……ッ!!」
体型から女性と判別できるそれが大きく息を吸い込むと、喉元が風船の如くブォンと膨張、特徴的な首の襞も更に大きくなった。
「耳を塞げ……!」
ダスクの合図で、私とオズガルドも両耳を塞いだ。
そして、咆哮が響き渡る。
「ギュエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!!」
音響自体はそこまで大きい訳ではないが、まるで鼓膜を突き抜けて脳深くに刺さる針のような、鋭い絶叫だった。
「くうぅ……ッ」
「むぅ……ッ」
どうやらあの首の襞は、パラボラアンテナのように反響を目的としたもので、それにより絶叫の方向を自在に操作しているようだ。
聴覚を刺激されて、私とオズガルドは耳を塞いだが、ダスクはそのまま動き続けている。
両耳からは出血。
「まさか、耳を潰して……!」
バンシーの咆哮で動きを止めてしまわないよう、ダスクは両耳を指で突いて潰していた。
「今度はゾンビ共か……!」
十五体のヒューマン・ゾンビがダスクに襲い掛かる。
「バンシーの鳴き声は、単に聴覚を刺激して敵を怯ませるだけのものではない。あれは音響魔法の一種で、聴いたアンデッドを呼び寄せたり、強化することができるのだ」
それまでフラフラヨロヨロと不格好な歩き方しかできなかったゾンビたちが、ネコ科の野獣の如きしなやかな動作で高々と跳躍、頭上からダスクへ襲い掛かる。
「邪魔だ!」
ダスクの剣がそれら全てを斬り散らすが、数が多いためか急所に命中した個体は少なく、一旦地面に倒れ伏した後、再び起き上がってきた。
手足を斬り落とされようが、骨を折られようが、内臓を裂かれようが、眼を潰されようが、知能も理性も苦痛も恐怖も無いゾンビは全く意に介さず、ひたすら攻撃あるのみ。
「……ッ!? おい、レンポッサが居ないぞ! どこへ行った!?」
「いつの間に……」
バンシーの咆哮とゾンビの強襲に気を取られている内に、レンポッサ卿の姿が見えなくなっていた。
彼の死体の保管場所となっているドレイク・ゾンビがこの場に居る以上、逃亡したとは思えないが──
「──捉エタ」
足首に伝わる、ひんやりとした薄気味悪い気配。
何かと思って視線を下げると、私とオズガルドを丸呑みにするかのように口を開けた、巨大な髑髏が地面に居た。
「頂クゾ、ソノ素晴ラシイ魔力ヲッ……!!」
バンシーとゾンビでダスクを足止めして、その隙に私たちの魔力を吸収するのが彼の狙いだったのだ。
「ぐっ……『紫陽の閃光花』……ッ!!」
オズガルドが咄嗟に放ったのは、聖騎士たちも使っていた紫外線魔法。
しかし、レンポッサ卿は素早く反応、紫外線を浴びる前に、光が届かない地中へ避難してしまった。
「流石ハ宮廷魔術団総帥。危ナイ、危ナイ」
「レイスがアースバウンドの真似事か……」
敵にダメージは与えられなかったが、こちらもダメージも受けなかった。
「ココニ来ルマデニ、我ラハ結構ナ数ノ人間ヲ始末シテキタ。ソノ中ニハ、腕利キノ聖騎士ヤ冒険者モ居タ。彼奴ラトノ戦闘ノ経験ガ、吸イ取ッタ魔力ガ、私ヲココマデ成長サセテクレタ……!」
上級アンデッドの最も恐ろしい点は、何と言っても、魔物の強さと人間の知性を兼ね備えている点だ。
元の世界でライオンや虎、熊やゴリラなどの猛獣が人間と同等の知性を得て、チームを組み、戦術を駆使して襲って来たら、人間は生態系の最上位から転落してしまう。
「これは想像以上の強敵だな。ダスクよ、ここからは私も加勢するが構わないね?」
不死身の再生力で、ダスクの耳は元通りになっている。
「そうだな。戦場での痩せ我慢は命取りだ」
二人で挑めば流石に勝てるとは思うが、それでも楽勝ということは無いはず。
再びレンポッサ卿が私の魔力を奪いに来る可能性は大いにあり、今度はオズガルドも対応できないかも知れない。
私の魔力が奪われれば、レンポッサ卿は更なるパワーアップを遂げ、そうなるともう誰も手が付けられなくなってしまう。
「私にも何かできれば……」
戦いに関して全くの素人である私では、ただ二人の邪魔になるだけかも知れない。
「行ケ、ドレイク・ゾンビ! 腐食ノ吐息ヲ浴ビセヨ!」
レンポッサ卿の指示に従い、ドレイク・ゾンビが口を開ける。
「……まずいな。いくらヴァンパイアと言えど、あれを喰らったら再生するよりも早く、全身がグズグズに朽ちてしまう。……ならばッ!」
ブレスを吐き出される前にドレイク・ゾンビの頭を破壊して仕留め、その勢いでレンポッサ卿の死体も破壊して決着を付けるべく、ダスクが猛スピードで駆け出す。
しかし、それを読んでいたかのように、ドレイク・ゾンビの上に飛び乗る青い不死者。
「ギュエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!!」
バンシーの再びの咆哮を、今度は耳を潰していなかったダスクが聞いてしまう。
私とオズガルドもたまらず耳を塞いでしまう。
「マダ終ワラヌ」
そこへ殺到するゾンビの群れ。
「ぐっ、こいつら……」
「しまった……!」
ダスクによって何体かは倒されていたが、残ったゾンビが二人に掴み掛かって押し倒す。
その間もバンシーの咆哮は止まず、聴覚を強烈に刺激され続ける今の二人では、強化されたゾンビの怪力を振り払うことができず、噛み付かれないように抵抗するのが精一杯だった。
先程のようにバンシーの咆哮で二人の動きを止めた所へ、更にゾンビを突っ込ませることで二重の妨害を施し、レンポッサ卿がオズガルドを、ドレイク・ゾンビがダスクをそれぞれ攻撃して決着──というのが敵の筋書きだった。
「勝負アッタナ。シカシ貴様ラヲ侮リハシナイ。全力ノ『獄炎の飛球・四重奏』ヲ叩キ込ンデ、確実ニ止メヲ刺ス」
四つの『獄炎の飛球』が、レンポッサ卿の周りに浮かぶ。
ドレイク・ゾンビも腐食の吐息の発射準備が整ったようだ。
このままでは二人が死んでしまう。
「どうすれば……」
今から二人の元まで転移して、全員でフェンデリン邸へ逃げられるだろうか。
否、複数のゾンビに取り押さえられている状態では、二人に触れることはまず不可能。
仮にできたとしても、猶予がほんの数秒では、助けられるのはどちらか一人だけ。
もう一人の救出には間に合わず、その者は攻撃を受けて消え去るだろう。
「ダスクさんもオズガルド様も助け、レンポッサ卿を倒す。その方法は一つだけ……!」
闇の極大魔力を解放、私は意志を込めて呼び掛ける。
「──闇の力を以て、不死なる者たちに命じます。全ての行動を停止しなさい、今すぐに……ッ!!」
私が立っている場所を中心に、暗黒の波紋が辺りに広がる。
途端に、アンデッドたちの様子が変わった。
まず、バンシーの咆哮がピタリと止まった。
腐食の吐息をダスクへ放とうとしていたドレイク・ゾンビも口を閉ざし、ダスクとオズガルドに掴み掛かっていたゾンビたちも途端に力を緩め、石像のように固まってしまった。
「今だ……!」
ゾンビたちの急停止を受け、オズガルドは拘束を脱する。
『獄炎の飛球・四重奏』が飛んで来た頃には、彼は射線上から離脱しており、不動のゾンビたちだけが吹き飛ぶ結果となった。
「ナ、何ダ……? オ前タチ、何ヲシテイル……!? ソイツラヲ攻撃セヨッ!」
電源が落ちた機械のような、アンデッドたちの唐突な動作停止。
レンポッサ卿が狼狽した様子で命令を下すが、応じるアンデッドは一体も居らず、微動だにしない。
「何ダコレハ……何故誰モ私ニ従ワナイ……? 貴様、一体何ヲシタ……!?」
私の仕業だと気付いたレンポッサ卿が、鬼火の眼をギョロリと動かして睨み付ける。
「レイスはその闇の魔力を以て、中級以下のアンデッドの精神と霊魂を支配し使役する。だとすれば、同じく闇の魔力を持つ私にも可能かも知れない──そう考えたのですが……間違ってはいなかったようですね」
今あのアンデッドたちの支配権を握っているのは、レンポッサ卿ではなく私だ。
「カグヤもレンポッサも、共に闇の魔力を宿す者。しかしカグヤの魔力は奴のそれを遥かに上回る……!」
「レンポッサ卿の支配を上書きし、アンデッドたちを制御しているというのか。何と……」
ただし、やはり支配可能なのは中級以下のアンデッドだけで、ダスクやレンポッサ卿のような、知性を持つ上級アンデッドの支配は不可能なようだ。
レンポッサ卿が手を替えた。
動いたのは、エリマキトカゲを彷彿させる首回りの襞と、全身真っ青の異形のゾンビ──中級アンデッドの『バンシー』。
「ゥギュウウウウウウ……ッ!!」
体型から女性と判別できるそれが大きく息を吸い込むと、喉元が風船の如くブォンと膨張、特徴的な首の襞も更に大きくなった。
「耳を塞げ……!」
ダスクの合図で、私とオズガルドも両耳を塞いだ。
そして、咆哮が響き渡る。
「ギュエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!!」
音響自体はそこまで大きい訳ではないが、まるで鼓膜を突き抜けて脳深くに刺さる針のような、鋭い絶叫だった。
「くうぅ……ッ」
「むぅ……ッ」
どうやらあの首の襞は、パラボラアンテナのように反響を目的としたもので、それにより絶叫の方向を自在に操作しているようだ。
聴覚を刺激されて、私とオズガルドは耳を塞いだが、ダスクはそのまま動き続けている。
両耳からは出血。
「まさか、耳を潰して……!」
バンシーの咆哮で動きを止めてしまわないよう、ダスクは両耳を指で突いて潰していた。
「今度はゾンビ共か……!」
十五体のヒューマン・ゾンビがダスクに襲い掛かる。
「バンシーの鳴き声は、単に聴覚を刺激して敵を怯ませるだけのものではない。あれは音響魔法の一種で、聴いたアンデッドを呼び寄せたり、強化することができるのだ」
それまでフラフラヨロヨロと不格好な歩き方しかできなかったゾンビたちが、ネコ科の野獣の如きしなやかな動作で高々と跳躍、頭上からダスクへ襲い掛かる。
「邪魔だ!」
ダスクの剣がそれら全てを斬り散らすが、数が多いためか急所に命中した個体は少なく、一旦地面に倒れ伏した後、再び起き上がってきた。
手足を斬り落とされようが、骨を折られようが、内臓を裂かれようが、眼を潰されようが、知能も理性も苦痛も恐怖も無いゾンビは全く意に介さず、ひたすら攻撃あるのみ。
「……ッ!? おい、レンポッサが居ないぞ! どこへ行った!?」
「いつの間に……」
バンシーの咆哮とゾンビの強襲に気を取られている内に、レンポッサ卿の姿が見えなくなっていた。
彼の死体の保管場所となっているドレイク・ゾンビがこの場に居る以上、逃亡したとは思えないが──
「──捉エタ」
足首に伝わる、ひんやりとした薄気味悪い気配。
何かと思って視線を下げると、私とオズガルドを丸呑みにするかのように口を開けた、巨大な髑髏が地面に居た。
「頂クゾ、ソノ素晴ラシイ魔力ヲッ……!!」
バンシーとゾンビでダスクを足止めして、その隙に私たちの魔力を吸収するのが彼の狙いだったのだ。
「ぐっ……『紫陽の閃光花』……ッ!!」
オズガルドが咄嗟に放ったのは、聖騎士たちも使っていた紫外線魔法。
しかし、レンポッサ卿は素早く反応、紫外線を浴びる前に、光が届かない地中へ避難してしまった。
「流石ハ宮廷魔術団総帥。危ナイ、危ナイ」
「レイスがアースバウンドの真似事か……」
敵にダメージは与えられなかったが、こちらもダメージも受けなかった。
「ココニ来ルマデニ、我ラハ結構ナ数ノ人間ヲ始末シテキタ。ソノ中ニハ、腕利キノ聖騎士ヤ冒険者モ居タ。彼奴ラトノ戦闘ノ経験ガ、吸イ取ッタ魔力ガ、私ヲココマデ成長サセテクレタ……!」
上級アンデッドの最も恐ろしい点は、何と言っても、魔物の強さと人間の知性を兼ね備えている点だ。
元の世界でライオンや虎、熊やゴリラなどの猛獣が人間と同等の知性を得て、チームを組み、戦術を駆使して襲って来たら、人間は生態系の最上位から転落してしまう。
「これは想像以上の強敵だな。ダスクよ、ここからは私も加勢するが構わないね?」
不死身の再生力で、ダスクの耳は元通りになっている。
「そうだな。戦場での痩せ我慢は命取りだ」
二人で挑めば流石に勝てるとは思うが、それでも楽勝ということは無いはず。
再びレンポッサ卿が私の魔力を奪いに来る可能性は大いにあり、今度はオズガルドも対応できないかも知れない。
私の魔力が奪われれば、レンポッサ卿は更なるパワーアップを遂げ、そうなるともう誰も手が付けられなくなってしまう。
「私にも何かできれば……」
戦いに関して全くの素人である私では、ただ二人の邪魔になるだけかも知れない。
「行ケ、ドレイク・ゾンビ! 腐食ノ吐息ヲ浴ビセヨ!」
レンポッサ卿の指示に従い、ドレイク・ゾンビが口を開ける。
「……まずいな。いくらヴァンパイアと言えど、あれを喰らったら再生するよりも早く、全身がグズグズに朽ちてしまう。……ならばッ!」
ブレスを吐き出される前にドレイク・ゾンビの頭を破壊して仕留め、その勢いでレンポッサ卿の死体も破壊して決着を付けるべく、ダスクが猛スピードで駆け出す。
しかし、それを読んでいたかのように、ドレイク・ゾンビの上に飛び乗る青い不死者。
「ギュエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!!」
バンシーの再びの咆哮を、今度は耳を潰していなかったダスクが聞いてしまう。
私とオズガルドもたまらず耳を塞いでしまう。
「マダ終ワラヌ」
そこへ殺到するゾンビの群れ。
「ぐっ、こいつら……」
「しまった……!」
ダスクによって何体かは倒されていたが、残ったゾンビが二人に掴み掛かって押し倒す。
その間もバンシーの咆哮は止まず、聴覚を強烈に刺激され続ける今の二人では、強化されたゾンビの怪力を振り払うことができず、噛み付かれないように抵抗するのが精一杯だった。
先程のようにバンシーの咆哮で二人の動きを止めた所へ、更にゾンビを突っ込ませることで二重の妨害を施し、レンポッサ卿がオズガルドを、ドレイク・ゾンビがダスクをそれぞれ攻撃して決着──というのが敵の筋書きだった。
「勝負アッタナ。シカシ貴様ラヲ侮リハシナイ。全力ノ『獄炎の飛球・四重奏』ヲ叩キ込ンデ、確実ニ止メヲ刺ス」
四つの『獄炎の飛球』が、レンポッサ卿の周りに浮かぶ。
ドレイク・ゾンビも腐食の吐息の発射準備が整ったようだ。
このままでは二人が死んでしまう。
「どうすれば……」
今から二人の元まで転移して、全員でフェンデリン邸へ逃げられるだろうか。
否、複数のゾンビに取り押さえられている状態では、二人に触れることはまず不可能。
仮にできたとしても、猶予がほんの数秒では、助けられるのはどちらか一人だけ。
もう一人の救出には間に合わず、その者は攻撃を受けて消え去るだろう。
「ダスクさんもオズガルド様も助け、レンポッサ卿を倒す。その方法は一つだけ……!」
闇の極大魔力を解放、私は意志を込めて呼び掛ける。
「──闇の力を以て、不死なる者たちに命じます。全ての行動を停止しなさい、今すぐに……ッ!!」
私が立っている場所を中心に、暗黒の波紋が辺りに広がる。
途端に、アンデッドたちの様子が変わった。
まず、バンシーの咆哮がピタリと止まった。
腐食の吐息をダスクへ放とうとしていたドレイク・ゾンビも口を閉ざし、ダスクとオズガルドに掴み掛かっていたゾンビたちも途端に力を緩め、石像のように固まってしまった。
「今だ……!」
ゾンビたちの急停止を受け、オズガルドは拘束を脱する。
『獄炎の飛球・四重奏』が飛んで来た頃には、彼は射線上から離脱しており、不動のゾンビたちだけが吹き飛ぶ結果となった。
「ナ、何ダ……? オ前タチ、何ヲシテイル……!? ソイツラヲ攻撃セヨッ!」
電源が落ちた機械のような、アンデッドたちの唐突な動作停止。
レンポッサ卿が狼狽した様子で命令を下すが、応じるアンデッドは一体も居らず、微動だにしない。
「何ダコレハ……何故誰モ私ニ従ワナイ……? 貴様、一体何ヲシタ……!?」
私の仕業だと気付いたレンポッサ卿が、鬼火の眼をギョロリと動かして睨み付ける。
「レイスはその闇の魔力を以て、中級以下のアンデッドの精神と霊魂を支配し使役する。だとすれば、同じく闇の魔力を持つ私にも可能かも知れない──そう考えたのですが……間違ってはいなかったようですね」
今あのアンデッドたちの支配権を握っているのは、レンポッサ卿ではなく私だ。
「カグヤもレンポッサも、共に闇の魔力を宿す者。しかしカグヤの魔力は奴のそれを遥かに上回る……!」
「レンポッサ卿の支配を上書きし、アンデッドたちを制御しているというのか。何と……」
ただし、やはり支配可能なのは中級以下のアンデッドだけで、ダスクやレンポッサ卿のような、知性を持つ上級アンデッドの支配は不可能なようだ。
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