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22時。
あれから食事をした後、黒崎のマンションへ向かっているところだ。今夜は泊まることにした。さっき一度家に戻って着替えを取ってきた。そして、黒崎の家に出発した。久しぶりに黒崎の車に乗った気分だ。芳香剤の匂いが懐かしいと思った。この香りが好きだと思った。そして、この車を運転している人のことも好きだと思った。
車内から見えるのは、いつもの街並みだ。ここで交わしている会話も同じだ。何もなかったかのように振る舞い、お互いに演技をしているのを感じる。でも、そうでは無いと分かった。黒崎が俺の頭を撫でようとした時、その指先が空中で止まったからだ。こういうことは気まずいと思った。だから何か話題は無いだろうかと考えた結果、今回の期末試験結果を話すことにした。
「期末試験の結果なんだけど、校内で二番になったよ」
「良かったじゃ無いか。ご褒美がまだだったな。何がいい?」
「褒めて貰うだけでいいよーーー。そうだ。今度また泊まりに来させてよ」
「そんなに簡単なことでいいのか。水曜日か日曜はどうだ?両方でもいいぞ」
「本当にいいいの?」
「本当だ。夕食を作ってくれ」
「もちろん作るよ。厚焼き玉子と、筑前煮。麻婆豆腐。ネギの酢味噌和え。食べたいものはある?」
「スペアリブの赤ワイン煮込みが食べたい」
「いいよ。料理の本を買って貰ったところだから作ってみたかったんだ。家で作ってくるよ」
「すまない。俺の家はまだ何も無い。調理家電も買っておく」
「いいよ。気にしなくて」
こうして黒崎とは話ができるのが嬉しかった。さっきの広場では寂しくなり、恋人同士になりたいということまで考えたけれど、今は元の自分に戻った。こういう風に遊びに行ける友達同士の付き合いが楽しいと思った。
しかし、黒崎のことを見つめて胸が痛くなった。今自分が乗っている助手席には、自分の他の誰かが乗る日が来るかもしれないと思ったからだ。その人とも一緒に食事をしてマンションに遊びに行こうとしたとしたら、自分は後部座席に乗るのだと思う。そして、後ろから仲の良さそうな黒崎達を見つめることになる。そして、新しい恋人に遠慮して、こうして遊びに行ける日さえもなくなるかも知れない。優衣さんとのことのように遠ざかるのかもしれないと思った。そこまで考えた時、胸の痛みが一層強くなった。そして、涙まで出そうになった。なんだか情けないと思った。
するとその時だ。黒崎から乱暴に頭を撫でられた。俺がうわの空になっていたからだと思う。
「夏樹。どうしたんだ?」
「俺は大丈夫だよ」
「そうか?苦手な科目はどうだった?志望校には合格できるラインまできたのか?」
「もっと頑張らないといけないんだ」
「先月の校内模試の結果はどうだった?」
「模試も良かったよ。模試も校内で二番だったんだ」
「やっぱり何か様子がおかしいぞ。どうした?うわの空じゃないか。その結果が残念なのか興味がないのか、どっちなんだ?一番じゃないから不満なのか?」
「不満じゃないよ。いつかは一番になってみたいって思ったんだ」
模試の結果は嬉しかった。あんたの中での ”一番” になりたい。そう口にすると、どんな反応が返って来るのだろうかと思った。こうして友達づきあいをしている俺の順位って何位ぐらいか聞いてみたくなった。まるで黒崎からの告白を待っているかのようだ。俺は告白されたくないと思っていたのに矛盾している。
俺は黒崎と恋人同士になることを断った。あれだけ好きだと言われたのに、迷った結果だ。黒崎に恋人ができたとしても、自分は黒崎の中の一番でいたいことに気づいて、自分に呆れかえった。黒崎が言っていたみたいに、俺は駄々をこねているように思えたからだ。
あれから食事をした後、黒崎のマンションへ向かっているところだ。今夜は泊まることにした。さっき一度家に戻って着替えを取ってきた。そして、黒崎の家に出発した。久しぶりに黒崎の車に乗った気分だ。芳香剤の匂いが懐かしいと思った。この香りが好きだと思った。そして、この車を運転している人のことも好きだと思った。
車内から見えるのは、いつもの街並みだ。ここで交わしている会話も同じだ。何もなかったかのように振る舞い、お互いに演技をしているのを感じる。でも、そうでは無いと分かった。黒崎が俺の頭を撫でようとした時、その指先が空中で止まったからだ。こういうことは気まずいと思った。だから何か話題は無いだろうかと考えた結果、今回の期末試験結果を話すことにした。
「期末試験の結果なんだけど、校内で二番になったよ」
「良かったじゃ無いか。ご褒美がまだだったな。何がいい?」
「褒めて貰うだけでいいよーーー。そうだ。今度また泊まりに来させてよ」
「そんなに簡単なことでいいのか。水曜日か日曜はどうだ?両方でもいいぞ」
「本当にいいいの?」
「本当だ。夕食を作ってくれ」
「もちろん作るよ。厚焼き玉子と、筑前煮。麻婆豆腐。ネギの酢味噌和え。食べたいものはある?」
「スペアリブの赤ワイン煮込みが食べたい」
「いいよ。料理の本を買って貰ったところだから作ってみたかったんだ。家で作ってくるよ」
「すまない。俺の家はまだ何も無い。調理家電も買っておく」
「いいよ。気にしなくて」
こうして黒崎とは話ができるのが嬉しかった。さっきの広場では寂しくなり、恋人同士になりたいということまで考えたけれど、今は元の自分に戻った。こういう風に遊びに行ける友達同士の付き合いが楽しいと思った。
しかし、黒崎のことを見つめて胸が痛くなった。今自分が乗っている助手席には、自分の他の誰かが乗る日が来るかもしれないと思ったからだ。その人とも一緒に食事をしてマンションに遊びに行こうとしたとしたら、自分は後部座席に乗るのだと思う。そして、後ろから仲の良さそうな黒崎達を見つめることになる。そして、新しい恋人に遠慮して、こうして遊びに行ける日さえもなくなるかも知れない。優衣さんとのことのように遠ざかるのかもしれないと思った。そこまで考えた時、胸の痛みが一層強くなった。そして、涙まで出そうになった。なんだか情けないと思った。
するとその時だ。黒崎から乱暴に頭を撫でられた。俺がうわの空になっていたからだと思う。
「夏樹。どうしたんだ?」
「俺は大丈夫だよ」
「そうか?苦手な科目はどうだった?志望校には合格できるラインまできたのか?」
「もっと頑張らないといけないんだ」
「先月の校内模試の結果はどうだった?」
「模試も良かったよ。模試も校内で二番だったんだ」
「やっぱり何か様子がおかしいぞ。どうした?うわの空じゃないか。その結果が残念なのか興味がないのか、どっちなんだ?一番じゃないから不満なのか?」
「不満じゃないよ。いつかは一番になってみたいって思ったんだ」
模試の結果は嬉しかった。あんたの中での ”一番” になりたい。そう口にすると、どんな反応が返って来るのだろうかと思った。こうして友達づきあいをしている俺の順位って何位ぐらいか聞いてみたくなった。まるで黒崎からの告白を待っているかのようだ。俺は告白されたくないと思っていたのに矛盾している。
俺は黒崎と恋人同士になることを断った。あれだけ好きだと言われたのに、迷った結果だ。黒崎に恋人ができたとしても、自分は黒崎の中の一番でいたいことに気づいて、自分に呆れかえった。黒崎が言っていたみたいに、俺は駄々をこねているように思えたからだ。
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