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7-1 恋のキューピッド
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6月6日、木曜日。午前6時。
目が覚めると、いい匂いが鼻をくすぐった。起きると朝食の匂いがする光景は、何年ぶりだろう。祖母が亡くなるまでは日常だった。今、夢の中にいるのだろうかと思った。そして、ついこの間のことを思い出した。その日は色んな事が凝縮された一日だった。ギター教室からの帰りに早瀬と喧嘩して仲直りできたからだ。こうして目覚めると、あれは夢の中で起きた出来事のように感じた。
ベッドから起き上がり、キッチンへ入ると、早瀬がカウンターの奥から出て来た。夢ではないと分かり、安心した。すると、彼から声を掛けられた。
「おはよう。よく眠っていたね」
「うん。スッキリしているよ」
「はい、朝の挨拶をしよう」
「おはようって言ったよ。んん?」
「もう一回しようか?」
「顔を洗ってくる……」
頬と唇にキスをされたが嫌ではなかった。そして、恥ずかしくて堪らず、洗面所へ逃げ出そうとして、引き留められた。今朝のスープの味見をして欲しいのだそうだ。
「今朝はコンソメスープなんだね」
「君が好きだって言っていた味だ。どうだ?」
鍋から小皿にスープを入れて、味見をした。とても美味しいと思った。そして、懐かしくなった。祖母と暮らしていた時、よく作ってくれていたのがコンソメスープだったからだ。
「すごく美味しいよ!」
「おばあちゃんが作ってくれていたんだろう?叶わないだろうけれど、俺も作ってみたくなった」
「あれ?話したことがあったっけ?」
「先週、話してくれたじゃないか。そうか、寝ぼけていた時だね。お腹が空いたって言うから、何が良いか聞いたら、コンソメスープが飲みたいって、君が言ったんだ」
「ああ……」
寝ぼけていても食べ物の話をしてしまったのだと分かり、恥ずかしくなった。こうしていつも早瀬に食事を作って貰っている。そのお礼がしたい。何か贈り物をしたいと思っている。早瀬にはブックカバーがいいのではないかと思った。部屋には何冊かの本がある。しかし、本を読んでいる姿を見たことが無い。
「裕理さん。いつもありがとう。お返しがしたいんだけど、何が良いかな?ブックカバーはどうかなって思ったんだけど、本を読むところを見たことが無いからさ……」
「ありがとう。今度で良いよ。本は読むよ。悠人君が来るまでは、よく読んでいたよ」
「そっか!じゃあ、それにするよーー」
これで贈り物の件は解決した。後は買いに行くだけだ。早瀬は気にするなと言うが、やっぱりお返しはしておきたい。
「悠人君。一緒に買いに行かないか?」
「うん。行こうよ。選んで貰った方が良いと思うし」
「君が欲しい物もプレゼントしたい」
「だめだよ!いつもご馳走になっているんだから……。え?」
すると、体全体が暖かくなった。早瀬から軽く抱きしめられたからだ。そして、こめかみや頬にキスをされた。全然怖くない。不思議と気持ちが落ち着いた。
「怖くないか?」
「怖くないよ。でも、離れてよ」
「ははは。やめておこうか。あ、悠人君……」
「なに?」
「朝ご飯の時に話す」
「うん!」
何か話したいことがあるそうだ。先に顔を洗っておいでと言うから、洗面所に行った。甘い雰囲気が恥ずかしかったから、やっぱり逃げ出すようになってしまった。
目が覚めると、いい匂いが鼻をくすぐった。起きると朝食の匂いがする光景は、何年ぶりだろう。祖母が亡くなるまでは日常だった。今、夢の中にいるのだろうかと思った。そして、ついこの間のことを思い出した。その日は色んな事が凝縮された一日だった。ギター教室からの帰りに早瀬と喧嘩して仲直りできたからだ。こうして目覚めると、あれは夢の中で起きた出来事のように感じた。
ベッドから起き上がり、キッチンへ入ると、早瀬がカウンターの奥から出て来た。夢ではないと分かり、安心した。すると、彼から声を掛けられた。
「おはよう。よく眠っていたね」
「うん。スッキリしているよ」
「はい、朝の挨拶をしよう」
「おはようって言ったよ。んん?」
「もう一回しようか?」
「顔を洗ってくる……」
頬と唇にキスをされたが嫌ではなかった。そして、恥ずかしくて堪らず、洗面所へ逃げ出そうとして、引き留められた。今朝のスープの味見をして欲しいのだそうだ。
「今朝はコンソメスープなんだね」
「君が好きだって言っていた味だ。どうだ?」
鍋から小皿にスープを入れて、味見をした。とても美味しいと思った。そして、懐かしくなった。祖母と暮らしていた時、よく作ってくれていたのがコンソメスープだったからだ。
「すごく美味しいよ!」
「おばあちゃんが作ってくれていたんだろう?叶わないだろうけれど、俺も作ってみたくなった」
「あれ?話したことがあったっけ?」
「先週、話してくれたじゃないか。そうか、寝ぼけていた時だね。お腹が空いたって言うから、何が良いか聞いたら、コンソメスープが飲みたいって、君が言ったんだ」
「ああ……」
寝ぼけていても食べ物の話をしてしまったのだと分かり、恥ずかしくなった。こうしていつも早瀬に食事を作って貰っている。そのお礼がしたい。何か贈り物をしたいと思っている。早瀬にはブックカバーがいいのではないかと思った。部屋には何冊かの本がある。しかし、本を読んでいる姿を見たことが無い。
「裕理さん。いつもありがとう。お返しがしたいんだけど、何が良いかな?ブックカバーはどうかなって思ったんだけど、本を読むところを見たことが無いからさ……」
「ありがとう。今度で良いよ。本は読むよ。悠人君が来るまでは、よく読んでいたよ」
「そっか!じゃあ、それにするよーー」
これで贈り物の件は解決した。後は買いに行くだけだ。早瀬は気にするなと言うが、やっぱりお返しはしておきたい。
「悠人君。一緒に買いに行かないか?」
「うん。行こうよ。選んで貰った方が良いと思うし」
「君が欲しい物もプレゼントしたい」
「だめだよ!いつもご馳走になっているんだから……。え?」
すると、体全体が暖かくなった。早瀬から軽く抱きしめられたからだ。そして、こめかみや頬にキスをされた。全然怖くない。不思議と気持ちが落ち着いた。
「怖くないか?」
「怖くないよ。でも、離れてよ」
「ははは。やめておこうか。あ、悠人君……」
「なに?」
「朝ご飯の時に話す」
「うん!」
何か話したいことがあるそうだ。先に顔を洗っておいでと言うから、洗面所に行った。甘い雰囲気が恥ずかしかったから、やっぱり逃げ出すようになってしまった。
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