眠れる森の星空少年~あの日のキミ

夏目奈緖

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 窓からの灯りだけが、室内を明るくさせている。夕暮れの光が差し込み、何も着ていない体が照らされた。スプリングが軋んだ音に鼓動が高鳴ると、早瀬が隣に寝転がった。そして、顔の横で肘をついた姿勢でのままで見つめられた。苦笑いをしている。

「そんなに見ないでくれ。悪いことが出来なくなる」
「じゃあ、閉じているよ」 
 
 怖さもあるから目を閉じると、瞼に熱いものが押し当てられて、目尻を舐め取られた。そして、掠れた声で、やっぱり見つめてほしいと言われた。体が密着している。胸から上しか離れていないから、お互いの体が熱くなったのが分かった。

「悠人。好きだ」 
「俺もだよ……」

 深いキスをされた。舌を絡められているから言葉を出せない。肌を滑っていく手が触れた場所から熱が上がり、息も上がった。だんだんと唇が下がり、足のつま先にキスを落とされた。怖いような怖くないような、不思議な気持ちだ。 

 足元から早瀬の視線を感じた。熱っぽく濡れたような目に、鼓動が跳ね上がった。視線が絡み合っているから、目が反らせない。体が震えたのは怖いからではない。もっと近づきたい。好きな人の体に触りたい。そう思った。

「ここに触るよ」
「え……」 
「力を抜いてごらん」
「あ……」  

 熱いものに包まれた。すごいことをされている。それなのに、エロい気分にならない。大好きな人に触られていることが嬉しいからだ。その場所の熱が高まり、息が上がった。そして、視界が霞んだ後、一気に全身の力が抜けた。荒い呼吸を繰り返していると、早瀬からキスをされた。

「いい子に出来たね」
「子ども扱いだね……」 
「はいはい。大人扱いするよ?」
「うん。裕理さんの体に触ってもいい?」 
「いいよ、どこにする?」
「えーっとね……」 

 肩に添えていた手を移動させて、汗ばんでいる胸元を、ゆっくりと撫でた。早瀬が小さく笑い声を立てたのは、くすぐったいからだった。 

「観察しているみたいだ」
「仕方ないだろ。触り方が分からないし」
「汗ばんでいるから嫌じゃないか?」
「ううん、気にならないよ」 

 早瀬の大事な体だ。汗だって汚くない。今まで触れることが怖かった。今は違う。大好きな人の体に触れることが幸せだと思った。

「裕理さん……、もっと近づきたい」 
「そうか……」 
「本気だから」
「分かっているよ」 

 掠れたままの声で笑った後、早瀬が起き上がった。その体が、見るだけでも熱を持っているのが分かった。それでも怖くない。
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