青い月の天使~あの日の約束の旋律

夏目奈緖

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 周りと馴染めない子が開明高校を出た後、大学等へ進学して無事に卒業し、企業に就職し、離職をしていたとしても別の企業への転職であり、健康で元気にしているとなれば、評判が上がるだろうと思った。高校側からの卒業生へのコンタクトにより、面談もして、今どうしているか調査したところ、導き出された結果だ。芸術家の道に進んだ生徒もいるし、海外に居る子もいる。この間、藤沢が俺と同級生だとブログで書いたことで、また入学希望者が増えたのだと思う。

 まだ15歳の子が人生のやり直しをしたいだなんて身につまされる話だが、問い合わせは増えていっているそうだ。開明高校は私立であり、授業料や設備投資費などの心配もあるだろうが、学校の奨学金の種類が多いから、全国から生徒が集まってくる。ほとんどの子が学生寮に入ることになる。女の子は親と一緒に学校のそばに引っ越してきて、学校に通うケースまで出ているそうだ。

 学生寮は男子寮しかない。女子寮は安全面から作られていない。生徒数が一学年125人のうち、たったの10人しか居ないからでもある。しかし、作った方がいいのなという流れが出てきたそうだ。

 最近、男子寮には良いことがあった。寄付が集まり、浴場のお風呂の壁と床が新しくなるそうだ。暖房もつくというから、寒さに弱い生徒が喜んでいるそうだ。礼拝堂のエアコンも新しくなるそうで、週1回の礼拝の時間を温かく過ごせるようになるだろう。夏は涼しいはずだ。

「夏樹、サンドイッチが美味いぞ!」
「伊吹お兄ちゃんも好きだもんね。エビカツ。ところで、開明高校にはいつ行くんだよ?」
「その話か……。クリスマスイブに生まれた自分らしく、12月24日に訪ねていきたいと思っている。26歳のバースデーだ。聡太郎は俺の誕生日には興味が無いから、特別に食事に出かける予定は立てていない。俺の学年主任だった花森氏に会いに行ってくる。そして、来年の講演会の打ち明わせを穏やかな気持ちで行ってくる予定だ」
「別の日にしたら?水曜日は礼拝の時間があるから、先生が忙しいんだ」
「そうでもないと言っていたぞ。クリスマス当日のイベントが忙しいから、イブの方が良いと言っていた。礼拝の時間の準備は全て、3年生の生徒に任せているそうだ。だから、時間が空いているそうだ」
「へえーー。言うことを聞く子達なんだね。今年の3年生って……。変な話だよね。プロテスタント教会に、禅宗のお坊さんが説法に来るなんて……。そうなんだろ?今年のクリスマスイブの礼拝の時間って……」
「その通りだ。多様性がある。お前がいたときから、お坊さんは来ていただろう。聡太郎が悔しがっていたぞ。どちらかというと、あいつは禅宗のお坊さんの方が好きらしい。礼拝の時間は肩が凝るそうだ」
「まあね。じーっとして話を聞かないといけないもんね。お坊さんは面白い人だったから、聡太路君としてはそうだったんだね。俺が話したからだね」
「その聡太郎は俺がいない朝を過ごしているけど、気楽でいいそうだ。うるさくなくて、静かで良いんだと言われたぞ。今朝の電話でだ……」
「お兄ちゃんの電話の声って、大きいんだもん。普段の話し声もそうだけどさ~。声量があるっていうかさ~」
「それなら、久弥さんとのコラボ曲の第二弾が期待できるな!ああーー、美味いサンドイッチだ。聡太郎は今頃、美味しくないトーストを食べていることだろう。俺が焼いた方が美味いからだ。味が違うんだ。同じように時間設定をしてもだな……」
「はいはい。分かったよ。あ、早瀬さん達が出てきたよ!おーーーい!」
「おはようーーー」

 悠人が先に歩いてきた。後ろを歩いているのは、お義父さんと一貴さんだ。そして、早瀬さんと久弥があくびをしながら、こっちに向かって手を振ってきた。和室の寝心地はどうだっただろうか。それを聞きたいのだが、画面のコメントはさっきから久弥の登場を期待されているものが多くて、さっそく出て貰いたいと南波さんが言った。さっき、もうすぐで起きてくるよと言ったからだろう。本人から電話が入ったからだ。今から起きるのだと。

 俺と黒崎はサンドイッチを広げて、みんなに食べて貰うようにした。珈琲も準備済みだ。もうすぐで黒崎家の庭には本格的に日が差し込んできて、明るくなる。今はまだ朝の早い時間といった感じで、薄暗さがある。しかし、朝焼けは見られたようで、綺麗だったと、月島さんが言っていた。

 そして、南波さんの番組と小瀬さんの番組の中に久弥が登場し、会いたかったというコメントが多く出てきて、久弥が涙ぐんでしまった。それを俺と悠人達で励まして、朝ご飯を食べ始めた。
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