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俺は真利奈と話を始めた。挨拶から始めて、お互いの近況を短く話し、お互いに健康で居られていることを喜び合った。今のこの時間を言葉で表現すると、かけがえのない時間を失っていたということの悲しみだ。中学時代と高校時代に、もっと彼女と話せば良かったと思った。俺がそう言うと、彼女もそうだと言ってくれた。
「私も同じよーー。お互いに年を取ったってことじゃないの?あんた、優しい沙耶ちゃんのそばばかりに居て、私に近づいてこなかったじゃない」
「そうでもないぞ。体育祭の時は、お前のそばに居た。あいつ、宮川がじっと俺達のことを見ていたからだ。せっかく入った高校を退学処分になるような事を起こそうにも、あいつなりに我慢が出来たんだろう。理性があったということだ。それがない奴だったら、お前は危なかったんだぞ。お母さんにも言われただろう」
「私ね、最初は宮川君のことを止めるつもりはなかったの。でも、自分の席に座った直後に、なぜか身体が動いて、宮川君のことを止めたのよ。その後は知っての通り。交通事故で再会するし、子供達が同じクラスだしで、どういう縁なのか心配になっているのよ。田川の義父がね、霊能者を探しているの。義母も同じなの。知り合いに聞いているんだけど、まだ見つかっていないのよ」
「それなら俺がいい人を知っている。月島さんという。キシヤマ味噌の社長だ」
「あら、キシヤマ味噌はうちで使っているわよ。そうだったのね……」
「紹介してやる。今日は法事だが、家を出るまでにはまだ時間がある。今から月島さんに連絡を取る。それでどうだ?」
「ぜひお願いするわ。実家の母の事も相談したいの。孫の顔を見せてくれって、うるさくて……。それこそ、去年、田川家の法事に実家の両親が来たんだけど、満羽は母方のおばあちゃん達だって分かっているんだけど、義母の後ろに隠れたのよ。そしたら、義母が母に気を遣ってねーーー。後で、義母には、満羽に私の気持ちが伝わったのかしらねーーって言っておいたわ。義母には、こらって、叱られたけど。きゃはははは」
「嫁に行ったはずが、娘にしてもらえたということか」
「ええ。とても良くして貰っているのよ。満羽のことも、友達の優月ちゃんのことも可愛がって貰っているの」
「そうか。お前が結婚した相手のことも、子供を産んだことも忘れていたんだぞ」
「あら、結婚披露宴に来てくれたし、出産祝いも頂いているわよ。満羽っていう名前、いいなって言ってくれたじゃないの。あとね、過去のことで訴訟を起こすというのは宮川君に昔のことを思い出して欲しかったからよ」
「こら。俺もお前のことを叱ってやる。本気じゃないなら良かった。じゃあ、これから月島さんに連絡を取る。後で連絡する」
「ありがとう。とても助かります」
俺達は電話を終えた。そして、月島さんの電話番号をタップした。日曜の早い時間だが、かえってこの時間の方が連絡をしやすいと言っていた。そして、俺は繋がった電話口に向かって、朝早くにすみませんと言い、今回の件を話した。すると、月島さんが、シャワーを浴びに行かなくて良かったと言った。ついでに長風呂もする予定だったという。
「月島さん。冗談で言っているんですよね?」
「ははは。本気だよ。電話が掛かってくる気がしたんだ。今日法事だと聞いていたから、何かあるかなと思っていた。そうか。友達のことか……。僕の方は来月の日曜はいつでも都合がいい。平日なら、……日と、水曜日がいい」
「分かりました。彼女に伝えます。今、僕が先に聞いておきたいんですが……」
「いいよ。まずは誰のことを見ようか?」
「彼女のお母さんのことをお願いします。僕も当時のことは納得していなくて、宮川のお母さんのことと宮川のことを庇い、真利奈にはあんたが悪いとまで言いそうになっていた人です。当時はどういう心境だったんでしょう……」
「分かった。名前は分からなくても良いよ。真利奈さんのお母さんということで見てみる……」
「……」
少しの間、無言の時間が続き、俺は大広間の壁にもたれた。自分が霊能者との繋がりが出来て、しかも、これほどに信頼するなど、思ってもみなかった。
「私も同じよーー。お互いに年を取ったってことじゃないの?あんた、優しい沙耶ちゃんのそばばかりに居て、私に近づいてこなかったじゃない」
「そうでもないぞ。体育祭の時は、お前のそばに居た。あいつ、宮川がじっと俺達のことを見ていたからだ。せっかく入った高校を退学処分になるような事を起こそうにも、あいつなりに我慢が出来たんだろう。理性があったということだ。それがない奴だったら、お前は危なかったんだぞ。お母さんにも言われただろう」
「私ね、最初は宮川君のことを止めるつもりはなかったの。でも、自分の席に座った直後に、なぜか身体が動いて、宮川君のことを止めたのよ。その後は知っての通り。交通事故で再会するし、子供達が同じクラスだしで、どういう縁なのか心配になっているのよ。田川の義父がね、霊能者を探しているの。義母も同じなの。知り合いに聞いているんだけど、まだ見つかっていないのよ」
「それなら俺がいい人を知っている。月島さんという。キシヤマ味噌の社長だ」
「あら、キシヤマ味噌はうちで使っているわよ。そうだったのね……」
「紹介してやる。今日は法事だが、家を出るまでにはまだ時間がある。今から月島さんに連絡を取る。それでどうだ?」
「ぜひお願いするわ。実家の母の事も相談したいの。孫の顔を見せてくれって、うるさくて……。それこそ、去年、田川家の法事に実家の両親が来たんだけど、満羽は母方のおばあちゃん達だって分かっているんだけど、義母の後ろに隠れたのよ。そしたら、義母が母に気を遣ってねーーー。後で、義母には、満羽に私の気持ちが伝わったのかしらねーーって言っておいたわ。義母には、こらって、叱られたけど。きゃはははは」
「嫁に行ったはずが、娘にしてもらえたということか」
「ええ。とても良くして貰っているのよ。満羽のことも、友達の優月ちゃんのことも可愛がって貰っているの」
「そうか。お前が結婚した相手のことも、子供を産んだことも忘れていたんだぞ」
「あら、結婚披露宴に来てくれたし、出産祝いも頂いているわよ。満羽っていう名前、いいなって言ってくれたじゃないの。あとね、過去のことで訴訟を起こすというのは宮川君に昔のことを思い出して欲しかったからよ」
「こら。俺もお前のことを叱ってやる。本気じゃないなら良かった。じゃあ、これから月島さんに連絡を取る。後で連絡する」
「ありがとう。とても助かります」
俺達は電話を終えた。そして、月島さんの電話番号をタップした。日曜の早い時間だが、かえってこの時間の方が連絡をしやすいと言っていた。そして、俺は繋がった電話口に向かって、朝早くにすみませんと言い、今回の件を話した。すると、月島さんが、シャワーを浴びに行かなくて良かったと言った。ついでに長風呂もする予定だったという。
「月島さん。冗談で言っているんですよね?」
「ははは。本気だよ。電話が掛かってくる気がしたんだ。今日法事だと聞いていたから、何かあるかなと思っていた。そうか。友達のことか……。僕の方は来月の日曜はいつでも都合がいい。平日なら、……日と、水曜日がいい」
「分かりました。彼女に伝えます。今、僕が先に聞いておきたいんですが……」
「いいよ。まずは誰のことを見ようか?」
「彼女のお母さんのことをお願いします。僕も当時のことは納得していなくて、宮川のお母さんのことと宮川のことを庇い、真利奈にはあんたが悪いとまで言いそうになっていた人です。当時はどういう心境だったんでしょう……」
「分かった。名前は分からなくても良いよ。真利奈さんのお母さんということで見てみる……」
「……」
少しの間、無言の時間が続き、俺は大広間の壁にもたれた。自分が霊能者との繋がりが出来て、しかも、これほどに信頼するなど、思ってもみなかった。
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