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すると、黒崎のスマホに電話が掛かってきた。南波さんからだった。オンライン飲み会に参加していたのだろうか。俺の方からは連絡していないから、月島さんが連絡したのか。このタイミングだとユーリーの事だと思ったが、偶然、掛かってきたのかも知れない。今日は山に行っていると思う。
「夏樹。電話に出る。……もしもし。南波か。山にいるのか?」
「僕から彼に連絡をしたんだ。ユリウス君が倒れたことをね……」
「月島さん……」
月島さんから事情を聞いた。オンライン飲み会には南波さんも参加しており、ユーリーが会いたがるだろうから、今日のことを知らせておいたそうだ。もしものことを考えてのことだ。南波さんはまだ山に行っていなくて、家に居るそうだ。しかし、二日酔いで起き上がれず、やっと今、黒崎に電話を掛けたのだろうということだった。
俺としては月島さんの心意気にじーんと感動した。ユーリーが恋心を寄せている相手との仲を取り持とうとするなんて、俺だったら出来ないと思った。今回は大変なことになったということで連絡を取ったのだとしても、俺は躊躇しただろう。南波さんとは友達になったユーリーであっても、俺なら邪魔したいのに。それはユーリーも同じだったようで、月島さんの手をもう一度握った。
「月島君。君はいい人だ。僕が南波君に向けた感情を知ってのことなのに……」
「君が会いたいだろうと思った。南波君だって同じだ。かけがえのない命が失われるかも知れないとき、誰がそばに居てもらいたいか。そう考えると、僕達は友情で結ばれているからこそ、連絡を取ったんだ。君の幸せを祈っている」
「月島君……。君はさっき僕のことを奪うと言ったじゃないか。それなのに、考えを変えるのか?」
「南波君からの電話が入って、ああ、叶わないと思ったんだよ」
「月島君……」
月島さんがユーリーのことを諦めると言い出した。そして、自分たちは友達の距離で居た方がいいのだと言い、どうか南波君と幸せにと言った。ユーリーはずっと彼のことを追いかけている。それこそ、彼の方から友達の距離でと言われていても、止まらない感じもある。そんなユーリーを見ている月島さんはどんなことを思っていたのだろう。
俺は黙って二人の会話を聞いた。黒崎は電話のために席を外している。ユーリーの状態を話しているのだと思う。それとも、南波さんがユーリーへの気持ちを話しているのだろうか。永遠に失いそうになって気がつく想いというものだ。
なんだか心が痛い。月島さんの想いが叶うと良いのに。そして、ユーリーの心にいる好きだった相手が思い出に変わることを願った。それには南波さんの存在が必要だというなら、俺は応援しないといけない。しかし、誰か一人が傷ついてしまう。なかなか上手くいかないと思った。
すると、ユーリーが月島さんの手を握ったままで、ここから離れないと言った。月島さんは戸惑った顔をしている。
「月島君。君への気持ちは友情だけど、君の綺麗な心を貰って、僕は自分が恥ずかしくなった。今まで色んな子に声を掛けてきた。南波君には一目惚れだった。僕は誰かのことを守りたくて、視界に入りたくて、自分だけの誰かが欲しいと思っていた。そんな中、現われた子なんだ。でも、僕はフラれた。でも、彼からは放っておけないと言われいる。いつか恋人同士になれるかも知れないなんて考えている。そんな僕に君は寄り添い、新しい世界を見せてくれた。君との食べ歩きとオンライン飲み会のメンバーはかけがえのない思い出になった。強い繋がりでもある。君のおかげだよ。この数ヶ月間、楽しかった。でも、僕から離れるなんて言わないでくれ。僕のことを追いかけてくれ」
「ユリウス君……」
「僕は君のことを前向きに考えたいと思っている。僕に必要な人だからだ。友達よりも近い距離なんて言うと中途半端だろうか。でも、僕は君とは友達で居たいと思っている。それでも、君への恋心が全くないわけじゃ無い。恋愛と結婚は別だという話を聞いたことがある。僕へのメッセージじゃないだろうか」
「ユリウス君。僕は君のそばに居る。でも、南波君にはもう一度告白するといい。僕に遠慮は要らない」
「それが僕はいやなんだ!」
ユーリーは声を荒げた。ここは病院だから声を静かにさせたかったが、もう周りに聞こえている。一旦外に出て貰った方がいいだろうか。しかし、ユーリーの身体のことを考えると、立たさない方が良いと思った。
「夏樹。電話に出る。……もしもし。南波か。山にいるのか?」
「僕から彼に連絡をしたんだ。ユリウス君が倒れたことをね……」
「月島さん……」
月島さんから事情を聞いた。オンライン飲み会には南波さんも参加しており、ユーリーが会いたがるだろうから、今日のことを知らせておいたそうだ。もしものことを考えてのことだ。南波さんはまだ山に行っていなくて、家に居るそうだ。しかし、二日酔いで起き上がれず、やっと今、黒崎に電話を掛けたのだろうということだった。
俺としては月島さんの心意気にじーんと感動した。ユーリーが恋心を寄せている相手との仲を取り持とうとするなんて、俺だったら出来ないと思った。今回は大変なことになったということで連絡を取ったのだとしても、俺は躊躇しただろう。南波さんとは友達になったユーリーであっても、俺なら邪魔したいのに。それはユーリーも同じだったようで、月島さんの手をもう一度握った。
「月島君。君はいい人だ。僕が南波君に向けた感情を知ってのことなのに……」
「君が会いたいだろうと思った。南波君だって同じだ。かけがえのない命が失われるかも知れないとき、誰がそばに居てもらいたいか。そう考えると、僕達は友情で結ばれているからこそ、連絡を取ったんだ。君の幸せを祈っている」
「月島君……。君はさっき僕のことを奪うと言ったじゃないか。それなのに、考えを変えるのか?」
「南波君からの電話が入って、ああ、叶わないと思ったんだよ」
「月島君……」
月島さんがユーリーのことを諦めると言い出した。そして、自分たちは友達の距離で居た方がいいのだと言い、どうか南波君と幸せにと言った。ユーリーはずっと彼のことを追いかけている。それこそ、彼の方から友達の距離でと言われていても、止まらない感じもある。そんなユーリーを見ている月島さんはどんなことを思っていたのだろう。
俺は黙って二人の会話を聞いた。黒崎は電話のために席を外している。ユーリーの状態を話しているのだと思う。それとも、南波さんがユーリーへの気持ちを話しているのだろうか。永遠に失いそうになって気がつく想いというものだ。
なんだか心が痛い。月島さんの想いが叶うと良いのに。そして、ユーリーの心にいる好きだった相手が思い出に変わることを願った。それには南波さんの存在が必要だというなら、俺は応援しないといけない。しかし、誰か一人が傷ついてしまう。なかなか上手くいかないと思った。
すると、ユーリーが月島さんの手を握ったままで、ここから離れないと言った。月島さんは戸惑った顔をしている。
「月島君。君への気持ちは友情だけど、君の綺麗な心を貰って、僕は自分が恥ずかしくなった。今まで色んな子に声を掛けてきた。南波君には一目惚れだった。僕は誰かのことを守りたくて、視界に入りたくて、自分だけの誰かが欲しいと思っていた。そんな中、現われた子なんだ。でも、僕はフラれた。でも、彼からは放っておけないと言われいる。いつか恋人同士になれるかも知れないなんて考えている。そんな僕に君は寄り添い、新しい世界を見せてくれた。君との食べ歩きとオンライン飲み会のメンバーはかけがえのない思い出になった。強い繋がりでもある。君のおかげだよ。この数ヶ月間、楽しかった。でも、僕から離れるなんて言わないでくれ。僕のことを追いかけてくれ」
「ユリウス君……」
「僕は君のことを前向きに考えたいと思っている。僕に必要な人だからだ。友達よりも近い距離なんて言うと中途半端だろうか。でも、僕は君とは友達で居たいと思っている。それでも、君への恋心が全くないわけじゃ無い。恋愛と結婚は別だという話を聞いたことがある。僕へのメッセージじゃないだろうか」
「ユリウス君。僕は君のそばに居る。でも、南波君にはもう一度告白するといい。僕に遠慮は要らない」
「それが僕はいやなんだ!」
ユーリーは声を荒げた。ここは病院だから声を静かにさせたかったが、もう周りに聞こえている。一旦外に出て貰った方がいいだろうか。しかし、ユーリーの身体のことを考えると、立たさない方が良いと思った。
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