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18時。
日が傾き始めて、大きな窓からは夕焼け空が見えている。なんだか物悲しくなるのは、どうしてだろう。帰る時間が近づき、キッチンの片づけを手伝った。
黒崎と蔵之介さんに佐久弥が加わり、理久のことを話題に出している。なんだか放っておけなくて、弟のように思っているのは悠人も同じだ。しかし、3人が話している内容を聞くと印象が変わった。しっかりしていると思って、自分と比べて恥ずかしくなってきた。話題は、理久が作った『一人分の甘酒製造機』のことだ。その影響もあってなのか、サエキ酒造と黒崎製菓が甘酒を使った商品でコラボすることになった。すごいねと声をかけると、黒崎が頷いた。
「理久君の意見では、サエキ酒造で使用するよりも、シェアの広い黒崎製菓で使ってもらう方が効果的だと話していた」
「理久がなー。俺には子供っぽい面しか見せないのに。いつの間に成長したんだ?クラー、いつからだ?」
「5年前からしっかりした。お前がデビューした頃だ。お前には甘える弟でいるんだろう。……理久君にはワタベ電機に入ってほしい。でも、黒崎製菓が良いと言われた」
蔵之介さんが残念そうにしている。蔵之介さんの勤務先であるワタベ電機は技術者の集まりであり、切磋琢磨できる環境だという。しかし、理久が求めている環境は、クリエイティブな発想が受け入れられる企業だ。黒崎製菓では、去年辺りからそういう方向へシフトしたというのが理久の意見だそうだ。会社の合併時期と重なる。蔵之介さんが話を振ると、黒崎が笑って頷いた。
「黒崎ホールディングスは自由な発想を重視した企業だった。石頭の企業と合併しても合わないだろうと思ったが。いい方向にマイルドになった。昔から理久君は勉強熱心だったんですか?」
「久弥が音楽業界に進んだ頃から、熱心に勉強を始めていました。……久弥、そうだったろう?」
「ああ。俺のことを反面教師にすると、笑顔で宣言された。俺言うことは聞かない子だ。その頃、裕理からアドバイスを受けたはずだ。勉強が役に立つって。その後で俺とは音信不通になったからな。……ぎゃははは。なつきー。どうした?」
「インターンシップの時、早瀨さんが理久君のことを戻るように説得したんだ。早瀨さんの言うことなら聞く感じなのかなって思ったんだ」
「理久にとっては、裕理とクラは優しい。俺は最後の砦だ。昔いたバンドメンバーの言うことも、理久は聞いていたぞー。理久がそいつに悪戯をして、こらー!って、怒られていた。……夏樹!同い年の相手と比べているだろ?悠人と切磋琢磨するのは良いことだ。君には歌声という特技がある。生まれた時に持たされたギフトだ。それを開封しなくてどうする?思い切ってジャンプしろ!下手くそだって否定されるのが怖いだろー?俺も同じだった」
「うん……」
「返事はーーー?」
「はい!」
「よし!」
自分が子供に戻った気がした。悠人がそばに座り、俺の頭をグリグリ撫でてきた。黒崎が優しい笑顔のを向けてきて、帰りに寄りたい場所はないのか?と聞いてきた。今日は子供っぽい面を認めて答えた。アイビー書店に寄ってくれと。悠人がふむふむと頷きながら、夏樹の機嫌を取るポイントが分かったと言い出して、笑いが起きた。和やかな雰囲気の中で。
日が傾き始めて、大きな窓からは夕焼け空が見えている。なんだか物悲しくなるのは、どうしてだろう。帰る時間が近づき、キッチンの片づけを手伝った。
黒崎と蔵之介さんに佐久弥が加わり、理久のことを話題に出している。なんだか放っておけなくて、弟のように思っているのは悠人も同じだ。しかし、3人が話している内容を聞くと印象が変わった。しっかりしていると思って、自分と比べて恥ずかしくなってきた。話題は、理久が作った『一人分の甘酒製造機』のことだ。その影響もあってなのか、サエキ酒造と黒崎製菓が甘酒を使った商品でコラボすることになった。すごいねと声をかけると、黒崎が頷いた。
「理久君の意見では、サエキ酒造で使用するよりも、シェアの広い黒崎製菓で使ってもらう方が効果的だと話していた」
「理久がなー。俺には子供っぽい面しか見せないのに。いつの間に成長したんだ?クラー、いつからだ?」
「5年前からしっかりした。お前がデビューした頃だ。お前には甘える弟でいるんだろう。……理久君にはワタベ電機に入ってほしい。でも、黒崎製菓が良いと言われた」
蔵之介さんが残念そうにしている。蔵之介さんの勤務先であるワタベ電機は技術者の集まりであり、切磋琢磨できる環境だという。しかし、理久が求めている環境は、クリエイティブな発想が受け入れられる企業だ。黒崎製菓では、去年辺りからそういう方向へシフトしたというのが理久の意見だそうだ。会社の合併時期と重なる。蔵之介さんが話を振ると、黒崎が笑って頷いた。
「黒崎ホールディングスは自由な発想を重視した企業だった。石頭の企業と合併しても合わないだろうと思ったが。いい方向にマイルドになった。昔から理久君は勉強熱心だったんですか?」
「久弥が音楽業界に進んだ頃から、熱心に勉強を始めていました。……久弥、そうだったろう?」
「ああ。俺のことを反面教師にすると、笑顔で宣言された。俺言うことは聞かない子だ。その頃、裕理からアドバイスを受けたはずだ。勉強が役に立つって。その後で俺とは音信不通になったからな。……ぎゃははは。なつきー。どうした?」
「インターンシップの時、早瀨さんが理久君のことを戻るように説得したんだ。早瀨さんの言うことなら聞く感じなのかなって思ったんだ」
「理久にとっては、裕理とクラは優しい。俺は最後の砦だ。昔いたバンドメンバーの言うことも、理久は聞いていたぞー。理久がそいつに悪戯をして、こらー!って、怒られていた。……夏樹!同い年の相手と比べているだろ?悠人と切磋琢磨するのは良いことだ。君には歌声という特技がある。生まれた時に持たされたギフトだ。それを開封しなくてどうする?思い切ってジャンプしろ!下手くそだって否定されるのが怖いだろー?俺も同じだった」
「うん……」
「返事はーーー?」
「はい!」
「よし!」
自分が子供に戻った気がした。悠人がそばに座り、俺の頭をグリグリ撫でてきた。黒崎が優しい笑顔のを向けてきて、帰りに寄りたい場所はないのか?と聞いてきた。今日は子供っぽい面を認めて答えた。アイビー書店に寄ってくれと。悠人がふむふむと頷きながら、夏樹の機嫌を取るポイントが分かったと言い出して、笑いが起きた。和やかな雰囲気の中で。
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