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9月19日。日曜日。13時。
アントワネットを家族に迎えると決めてワクワクして眠れなかった。昨日は黒崎と甲藤さんとの三人でペット用品を買いに行き、その帰りに物件の見学に行った。そして、とうとうアントワネットが到着した。今日の昼前だった。甲藤さんが持っているキャリーケースの中にアントワネットがいる。まだ慣れていないから、しばらくケースの中にいるそうだ。
新しい場所に慣れるまで、甲藤さんから彼女が使うゲージを置く位置を見てもらった。そして、ペットフード、給水ボトルはここにセットしていいかどうかを聞き、OKをもらえた。そして、食事のサイクルと寝ている時間も教わった。
「そろそろ大丈夫そうだ」
「出てきてくれるかな?」
30分が経った。そろそろ慣れた頃だと言い、甲藤さんがキャリーケースを開くと、白茶の毛をした子犬が飛び出して来た。外に出たくてうずうずしていたのか、アントワネットが室内を走り回り始めた。初めての場所なのに怖がらないから安心した。
黒崎は本当に動物に好かれるから、今回も例外がない。アントワネットに気に入られたようで、足下に飛びつかれていた。彼が抱き上げると、ぺろぺろと顔を舐められていた。それを見た甲藤さんが驚いていた。黒崎が笑っていたからだ。まるで子供みたいになっていた。
「黒崎さん……、恥ずかしがっていないね」
「どうしてだ?この子が楽しんでいる。……くすぐったい」
「ああー、よかった。この子をよろしくお願いします。明後日、待っている」
「はい。里帰りに遊びに行きます。黒崎さん。お水を飲ませないと……」
「そうか……」
しばらく遊んだ後、甲藤さんが帰って行った。そして、玄関を見つめたまま、アントワネットの尻尾が垂れてしまった。寂しいのだと思う。明後日、甲藤さんの家に遊びに連れて行く。少しずつ慣れてもらいたいからだ。
黒崎からの提案で、アントワネットのことを”アン”と呼ぶことにした。偶然にも、甲藤さんの家でも”アン”という名前だったそうだ。子犬が混乱せずに済むから良かったと思った。黒崎がアンの背中を撫でた後、話しかけた。
「アン、寂しいのか?」
「これから一緒に暮らすんだよ。よろしくね。こっちがパパ。俺は夏樹だよ。……覚えやすいように、パパって呼ぶ方がいいよ」
「そういうものなのか。……アン、走り回ってもいいぞ」
言葉が通じたのだろうか。アンがひと通り走り回り、ソファーに飛び乗った。そして、クッションに体を預けて尻尾を振っている。その姿はお姫様のようだ。
「指定席を決めたんだねー。お水はこっちだよ。トイレも用意したからね。フードを柔らかくして、おかゆ状にしたよ。自由にしてね。……慣れるのが早いね?レモンは時間がかかったのに。いい子だねー」
「気に入ってくれたのか?初対面だぞ?」
「気に入ったんだねー。アンー、こんなに怖い顔でもいいの?……いいそうだよ。動物は外見で判断しないからねー」
黒崎の膝の上に飛び乗り、嬉しそうにして手で遊び始めた。アンのことを見つめる黒崎の顔が優しい。きっと寂しさが和らぐだろう。ごく自然に頬ずりした姿を見て、心が温かくなった。
アントワネットを家族に迎えると決めてワクワクして眠れなかった。昨日は黒崎と甲藤さんとの三人でペット用品を買いに行き、その帰りに物件の見学に行った。そして、とうとうアントワネットが到着した。今日の昼前だった。甲藤さんが持っているキャリーケースの中にアントワネットがいる。まだ慣れていないから、しばらくケースの中にいるそうだ。
新しい場所に慣れるまで、甲藤さんから彼女が使うゲージを置く位置を見てもらった。そして、ペットフード、給水ボトルはここにセットしていいかどうかを聞き、OKをもらえた。そして、食事のサイクルと寝ている時間も教わった。
「そろそろ大丈夫そうだ」
「出てきてくれるかな?」
30分が経った。そろそろ慣れた頃だと言い、甲藤さんがキャリーケースを開くと、白茶の毛をした子犬が飛び出して来た。外に出たくてうずうずしていたのか、アントワネットが室内を走り回り始めた。初めての場所なのに怖がらないから安心した。
黒崎は本当に動物に好かれるから、今回も例外がない。アントワネットに気に入られたようで、足下に飛びつかれていた。彼が抱き上げると、ぺろぺろと顔を舐められていた。それを見た甲藤さんが驚いていた。黒崎が笑っていたからだ。まるで子供みたいになっていた。
「黒崎さん……、恥ずかしがっていないね」
「どうしてだ?この子が楽しんでいる。……くすぐったい」
「ああー、よかった。この子をよろしくお願いします。明後日、待っている」
「はい。里帰りに遊びに行きます。黒崎さん。お水を飲ませないと……」
「そうか……」
しばらく遊んだ後、甲藤さんが帰って行った。そして、玄関を見つめたまま、アントワネットの尻尾が垂れてしまった。寂しいのだと思う。明後日、甲藤さんの家に遊びに連れて行く。少しずつ慣れてもらいたいからだ。
黒崎からの提案で、アントワネットのことを”アン”と呼ぶことにした。偶然にも、甲藤さんの家でも”アン”という名前だったそうだ。子犬が混乱せずに済むから良かったと思った。黒崎がアンの背中を撫でた後、話しかけた。
「アン、寂しいのか?」
「これから一緒に暮らすんだよ。よろしくね。こっちがパパ。俺は夏樹だよ。……覚えやすいように、パパって呼ぶ方がいいよ」
「そういうものなのか。……アン、走り回ってもいいぞ」
言葉が通じたのだろうか。アンがひと通り走り回り、ソファーに飛び乗った。そして、クッションに体を預けて尻尾を振っている。その姿はお姫様のようだ。
「指定席を決めたんだねー。お水はこっちだよ。トイレも用意したからね。フードを柔らかくして、おかゆ状にしたよ。自由にしてね。……慣れるのが早いね?レモンは時間がかかったのに。いい子だねー」
「気に入ってくれたのか?初対面だぞ?」
「気に入ったんだねー。アンー、こんなに怖い顔でもいいの?……いいそうだよ。動物は外見で判断しないからねー」
黒崎の膝の上に飛び乗り、嬉しそうにして手で遊び始めた。アンのことを見つめる黒崎の顔が優しい。きっと寂しさが和らぐだろう。ごく自然に頬ずりした姿を見て、心が温かくなった。
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