恋人はメリーゴーランド少年だった~永遠の誓い編

夏目奈緖

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15-13(黒崎視点)

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 19時30分。

 喧嘩の仲裁にきた。友人達から頼み込まれた時、父から呼ばれる口実だと予想した。しかし、実際に案内された先には、友人が話していた通りの光景が広がっていた。大喧嘩の最中だった。

 大学時代の友人同士が、社内のもめ事を持ち込んで言い争っていた。黒崎製菓で勤務する彼らは出世コースを争っている仲だ。放っておきたい気持ちがあったが、入社すると決まった以上、片付けておきたいと思った。

 仲裁を済ませて部屋から出た後、友人の山下からエレベーターまで見送られた。さっき呼びに来た一人だ。

「黒崎、助かった。みっともない話だ」
「……黒崎製菓の醜聞になる。峯口には深川副社長から話がある。そう伝えてくれ。夏樹の様子はどうだ?見に行ってくれたんだろう?」
「何も起きていない」
「父のことか?父がそばにいるのか?」
「すまない……。実は、社長が夏樹君と話したがっていた。少し話をしているのを見た。すまない」
「なんだと?」
「笑いながら話していた。大丈夫だ」

 仲裁する間、友人二人に、夏樹のそばを離れるなと頼んでおいた。夏樹にはそれを言っていない。一人で待たせてもらえないと、拗ねるからだ。誰かから声をかけられていても、見ているだけにするよう頼んでいた。しかし、手に負えないような厄介な者が現れたら、置いてある花瓶を落として騒ぎを起こせとも言ってあった。例えば、俺の父だ。そうすれば、ロビーマネージャーから避難するように指示がある。その時に、もう一人が夏樹に声をかけてそばにいろと言っておいた。しかし、彼らは俺の指示を守らずに、父と話させてしまった。

「分かった。夏樹と話をする」
「もう帰るのか?」
「今すぐ帰る。他に誰が来ている?」
「R&W社の執行役員の黒崎晴海氏が出席している。君のことは探していないし、お父さんの同伴でもない。夏樹君に会いたがっていたが、会わせないようにする。指示通りの出席者を、夏樹君の目に触れさせないようにする」
「そうか。兄貴が来ているのか。他に嫌みを向けてくるグループはいるのか?」
「あの女性グループが来ている。君が来ていることを知っているようだ」
「話をしておく。俺に近づけてくれ」
「晴海氏は遠ざけておくんだな?」
「ああ。兄貴には会わせたくない。頼んだぞ。先に行ってくれ」
「分かった!」

 山下が今夜の出席者の同級生達へ指示を出した。今夜のことは、こうして夏樹には黙って動いている。彼のことを俺のパートナーだと知らせた上で、認めさせ、傷つけさせないためだ。それには、同級生達の力を借りた。協力してもらったというより、俺の命令だと思えなくもない。
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