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午前11時。
仮装の衣装を届けてもらった。さっそく着てみたところだ。リビングの全身鏡の前で立つと、中世ヨーロッパの騎士のようだと思った。これでマントを着けると、イメージが変わりそうだ。早瀬は軍師に見える。
「圭一さんは、魔王のイメージで用意したそうだ。着る人で変わるね」
「へえー。そう言われるとそうだね。裕理さんは策略家だから軍師だよ」
「褒めているのか?けなしているのか?」
「両方だよーー」
「だったら、褒め言葉として受け取るよ」
「ポジティブだねー」
「君がネガティブすぎるんだよ」
「きいいいっ」
早瀬から耳たぶを引っ張られた。さっきの発言に怒っているようだ。
「マントを着てよーー」
「……ああ、これはここか?」
「こっちだよ。えーーっと、うん、出来たよ」
「……ふうん」
「へええ……。今度は魔法使いみたいだよ」
「ビーフシチューを食べても、美味しさを感じなくなる呪いをかけてあげようか?」
「いらないから!」
持っていた槍のようなものを差し向けた。これは発砲スチロールでできているから、痛くないと思う。でも、長いから気をつけて持たないといけない。
今日のハロウィンイベントに出るのは、黒崎製菓の社員と家族としてになる。仮装して会場内をウロつくだけでOKだから、自由に回ることが出来る。
「夜の部だから、夕方には会場に入ろう。控え室を用意してある」
「8月のコンテストの会場と同じだね」
「勝手知ったる何とやらだ。アーティストのライブもあるんだぞ?」
「マジで?載ってたっけ?」
「君が見たのは去年のページだ」
「うひぇー?」
この時期に、去年のものがあるなんて。そう思い込んでいるのが、去年のものを見た原因だろう。誰が来るのか興味が出た。
「誰がでるのかな?」
「ベテルギウスだよ」
「ひいいいっ、観れるのかーーっ」
「……植本とは普通に連絡を取っているだろう」
「何をやるのかなー?」
「悠人君がコピーしている曲だったらいいね」
「うん。『可視光線』だったらいいなあ……」
「visible rayのことか?」
「そうだよ。ファンはね、日本語読みをするんだ。へへへ」
ファン歴は4年だ。高校生の時に組んでいたバンドで、ベテルギウスの曲も演奏していた。憧れの人のステージが観えられる上に、早瀬とのハロウィンイベントを楽しめるなんて最高だ。
さっそく腹ごしらえをしておこう。朝ごはんが遅かったのに腹の虫が鳴いたから、田中屋のロールパンを食べ始めた。早瀬が笑っているのが嬉しくて、もっと食べたくなった。
仮装の衣装を届けてもらった。さっそく着てみたところだ。リビングの全身鏡の前で立つと、中世ヨーロッパの騎士のようだと思った。これでマントを着けると、イメージが変わりそうだ。早瀬は軍師に見える。
「圭一さんは、魔王のイメージで用意したそうだ。着る人で変わるね」
「へえー。そう言われるとそうだね。裕理さんは策略家だから軍師だよ」
「褒めているのか?けなしているのか?」
「両方だよーー」
「だったら、褒め言葉として受け取るよ」
「ポジティブだねー」
「君がネガティブすぎるんだよ」
「きいいいっ」
早瀬から耳たぶを引っ張られた。さっきの発言に怒っているようだ。
「マントを着てよーー」
「……ああ、これはここか?」
「こっちだよ。えーーっと、うん、出来たよ」
「……ふうん」
「へええ……。今度は魔法使いみたいだよ」
「ビーフシチューを食べても、美味しさを感じなくなる呪いをかけてあげようか?」
「いらないから!」
持っていた槍のようなものを差し向けた。これは発砲スチロールでできているから、痛くないと思う。でも、長いから気をつけて持たないといけない。
今日のハロウィンイベントに出るのは、黒崎製菓の社員と家族としてになる。仮装して会場内をウロつくだけでOKだから、自由に回ることが出来る。
「夜の部だから、夕方には会場に入ろう。控え室を用意してある」
「8月のコンテストの会場と同じだね」
「勝手知ったる何とやらだ。アーティストのライブもあるんだぞ?」
「マジで?載ってたっけ?」
「君が見たのは去年のページだ」
「うひぇー?」
この時期に、去年のものがあるなんて。そう思い込んでいるのが、去年のものを見た原因だろう。誰が来るのか興味が出た。
「誰がでるのかな?」
「ベテルギウスだよ」
「ひいいいっ、観れるのかーーっ」
「……植本とは普通に連絡を取っているだろう」
「何をやるのかなー?」
「悠人君がコピーしている曲だったらいいね」
「うん。『可視光線』だったらいいなあ……」
「visible rayのことか?」
「そうだよ。ファンはね、日本語読みをするんだ。へへへ」
ファン歴は4年だ。高校生の時に組んでいたバンドで、ベテルギウスの曲も演奏していた。憧れの人のステージが観えられる上に、早瀬とのハロウィンイベントを楽しめるなんて最高だ。
さっそく腹ごしらえをしておこう。朝ごはんが遅かったのに腹の虫が鳴いたから、田中屋のロールパンを食べ始めた。早瀬が笑っているのが嬉しくて、もっと食べたくなった。
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