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12-15
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19時半。
これからステージが始まる。司会者が今夜のバンドと、一曲目の紹介をした。とうとう演奏されようとしている。ツインギターは、植本さんと佐久弥だ。ステージから赤いライトが放射されている。ドラム音、ベース、ギタフレーズが鳴り響き、ヴォーカルが観客を煽った。
「ハロウィンイベント。今夜限定のバンドの登場です!」
ワーーー!
サクヤーー!
ウエムラーー!
「……みんなでうたいましょう!Zero addressーー!」
ド派手なフレーズを刻んでいるのは、毒々しい魔法使いスタイルの佐久弥だ。一気にステージが華やかになり、自然と目が惹きつけられた。植本さんが時計の針のように、正確なリズムを刻んでいる。その演奏に圧倒されて、あんぐりと口を開けた。
「あああ……どうしよう?」
「ゆうとくーん、それは感動?」
「裕理さん、騎士は魔法使いを守るよ。佐久弥も魔法使いだけど」
「……毒々しい魔法使いだ」
「ふん。裕理さんはインチキ魔法使いだよ。七変化男!」
「……はあ。可愛くないなあ」
言い合いをしていたのが良かったようだ。緊張する間もなく、ステージ担当のスタッフから、スタンバイの声が掛かった。
今回のステージでは、流れるようにして、メンバーの交代を演出する。俺は2曲目が始める直前に勢いよくステージに走って行き、スタンドに立ててセッティングされているギターを持ち、演奏が続いているドラムとベース音へ仲間入りすることになっている。
演奏を聴いている間、胸がドキドキした。足も震えている。しかし、ここで後ろ向きな姿を見せるわけにはいかない。すると、ステージスタッフから支持が飛んできた。
「悠人君!入ってーー!植本さんの右側!」
「はーい!」
真っ赤に光っているステージへ走って行った。真っ暗で何も見えないかと思って心配になったが、すぐに目が慣れてきて、メンバーの姿が視界に入った。そして、スタンドからギターを取った。さらにベースからのアイコンタクトを受けた後、植本さんが合図をしてきた。俺が演奏に入るタイミングになったからだ。
ピックを握っている手には腕時計がある。このステージのためにプレゼントしてくれたのだろう。右利きの自分は左手でピックを持つからだ。早瀬もここにいる。そして、ラストの曲でも同じステージに立つ。
「ギターー!ユーート、ウエモトーー!」
司会者の声の直後に、ギターフレーズを刻んだ。すると、目の前の観客が、真っ暗な夜空と一体化した。ステージ前方から上がった、4つの花火の効果によるものだ。演奏している側からは、同じ光に見える。
(ステージから下りたくない。ここも自分の居場所だ……)
俺の演奏の出だしは成功しただろうか?高鳴る鼓動、観客の声援、夜空に振り上げられた腕が答えだった。
ワーーー!
ユーートーー!
まるで夢のようだ。自分の名前を呼ばれている。頬に温かいものが流れてきた。すると、早瀬からの声が聞こえた。この歓声の中では聞こえづらいはずなのに。3曲目に入るから、スタンバイしていた。
「……まだ泣くのは早い。失敗して悔し泣きしろ!」
「……きいいいいいっ」
「……始まるぞ!」
「……おーーー!」
3曲目に入った。これも流れるようにして始まった。今夜は早瀬と一緒に弾く。早瀬のフレーズが引き立つように、ベースと一緒に土台を支えるのが俺の役目だ。ドラムとベースが土なら、リズムギターが木の幹だ。ヴォーカルの高音が太陽の光だ。早瀬の華やかなフレーズが、その花を咲かせた。
ダダダダ!
すると、今夜のバンドが奏でる旋律の中に、新しい音が参加した。サイドから黒いマントを翻して、佐久弥が走り込んできた。ヴォーカルのそばに立ち、ギターをかき鳴らしている。その派手なギタープレイが華を添えて、ステージに舞い散る花びらになった。さらに、ヴォーカルが声を張り上げた。
「今夜の観客のみなさんへ!花束を贈りますーー!」
ワーーー!
一斉に歓声が上がった。それが風となり、さらに強い風になり、花を舞い散らせた。その直後、ステージからは、スモークが吹き出した。
佐久弥がサイドに移動した。早瀬のフレーズに、ちょっかいをかけている。まるで会話のようにやり取りが始まり、観客から笑いが起こった。
すると今度は俺のそばに来て、俺の腕を引っ張ってきた。そして、そのままステージの前方に連れて行かれて、ヴォーカルが位置を変えた。俺のことを目立たせるためだ。
すると、今度は急に、佐久弥がリズムギターを弾き始めた。つまりは、俺に即興でアレンジして弾けということだ。アレンジは得意分野で、これなら負けないと思っている。もう迷うことなく、自分のフレーズを奏でた。
ダダダダダ!
最後の一音が怒涛のように鳴り響き、演奏を終えた。俺は早瀬のそばへ行き、ステージ前方へ引っ張った。そして、佐久弥が早瀬の頬へキスをした後、俺の唇を奪った。その瞬間、観客から大きな歓声が上がった。
これからステージが始まる。司会者が今夜のバンドと、一曲目の紹介をした。とうとう演奏されようとしている。ツインギターは、植本さんと佐久弥だ。ステージから赤いライトが放射されている。ドラム音、ベース、ギタフレーズが鳴り響き、ヴォーカルが観客を煽った。
「ハロウィンイベント。今夜限定のバンドの登場です!」
ワーーー!
サクヤーー!
ウエムラーー!
「……みんなでうたいましょう!Zero addressーー!」
ド派手なフレーズを刻んでいるのは、毒々しい魔法使いスタイルの佐久弥だ。一気にステージが華やかになり、自然と目が惹きつけられた。植本さんが時計の針のように、正確なリズムを刻んでいる。その演奏に圧倒されて、あんぐりと口を開けた。
「あああ……どうしよう?」
「ゆうとくーん、それは感動?」
「裕理さん、騎士は魔法使いを守るよ。佐久弥も魔法使いだけど」
「……毒々しい魔法使いだ」
「ふん。裕理さんはインチキ魔法使いだよ。七変化男!」
「……はあ。可愛くないなあ」
言い合いをしていたのが良かったようだ。緊張する間もなく、ステージ担当のスタッフから、スタンバイの声が掛かった。
今回のステージでは、流れるようにして、メンバーの交代を演出する。俺は2曲目が始める直前に勢いよくステージに走って行き、スタンドに立ててセッティングされているギターを持ち、演奏が続いているドラムとベース音へ仲間入りすることになっている。
演奏を聴いている間、胸がドキドキした。足も震えている。しかし、ここで後ろ向きな姿を見せるわけにはいかない。すると、ステージスタッフから支持が飛んできた。
「悠人君!入ってーー!植本さんの右側!」
「はーい!」
真っ赤に光っているステージへ走って行った。真っ暗で何も見えないかと思って心配になったが、すぐに目が慣れてきて、メンバーの姿が視界に入った。そして、スタンドからギターを取った。さらにベースからのアイコンタクトを受けた後、植本さんが合図をしてきた。俺が演奏に入るタイミングになったからだ。
ピックを握っている手には腕時計がある。このステージのためにプレゼントしてくれたのだろう。右利きの自分は左手でピックを持つからだ。早瀬もここにいる。そして、ラストの曲でも同じステージに立つ。
「ギターー!ユーート、ウエモトーー!」
司会者の声の直後に、ギターフレーズを刻んだ。すると、目の前の観客が、真っ暗な夜空と一体化した。ステージ前方から上がった、4つの花火の効果によるものだ。演奏している側からは、同じ光に見える。
(ステージから下りたくない。ここも自分の居場所だ……)
俺の演奏の出だしは成功しただろうか?高鳴る鼓動、観客の声援、夜空に振り上げられた腕が答えだった。
ワーーー!
ユーートーー!
まるで夢のようだ。自分の名前を呼ばれている。頬に温かいものが流れてきた。すると、早瀬からの声が聞こえた。この歓声の中では聞こえづらいはずなのに。3曲目に入るから、スタンバイしていた。
「……まだ泣くのは早い。失敗して悔し泣きしろ!」
「……きいいいいいっ」
「……始まるぞ!」
「……おーーー!」
3曲目に入った。これも流れるようにして始まった。今夜は早瀬と一緒に弾く。早瀬のフレーズが引き立つように、ベースと一緒に土台を支えるのが俺の役目だ。ドラムとベースが土なら、リズムギターが木の幹だ。ヴォーカルの高音が太陽の光だ。早瀬の華やかなフレーズが、その花を咲かせた。
ダダダダ!
すると、今夜のバンドが奏でる旋律の中に、新しい音が参加した。サイドから黒いマントを翻して、佐久弥が走り込んできた。ヴォーカルのそばに立ち、ギターをかき鳴らしている。その派手なギタープレイが華を添えて、ステージに舞い散る花びらになった。さらに、ヴォーカルが声を張り上げた。
「今夜の観客のみなさんへ!花束を贈りますーー!」
ワーーー!
一斉に歓声が上がった。それが風となり、さらに強い風になり、花を舞い散らせた。その直後、ステージからは、スモークが吹き出した。
佐久弥がサイドに移動した。早瀬のフレーズに、ちょっかいをかけている。まるで会話のようにやり取りが始まり、観客から笑いが起こった。
すると今度は俺のそばに来て、俺の腕を引っ張ってきた。そして、そのままステージの前方に連れて行かれて、ヴォーカルが位置を変えた。俺のことを目立たせるためだ。
すると、今度は急に、佐久弥がリズムギターを弾き始めた。つまりは、俺に即興でアレンジして弾けということだ。アレンジは得意分野で、これなら負けないと思っている。もう迷うことなく、自分のフレーズを奏でた。
ダダダダダ!
最後の一音が怒涛のように鳴り響き、演奏を終えた。俺は早瀬のそばへ行き、ステージ前方へ引っ張った。そして、佐久弥が早瀬の頬へキスをした後、俺の唇を奪った。その瞬間、観客から大きな歓声が上がった。
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