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13時。
昼ご飯を食べるレストランのガストロノミー・ジュエルへ向かっている。沙耶さんへのプレゼントを買うために、デパートへ寄って来た。楽しい時間のはずが、ショックな出来事があった。俺達のことを見て、ふうんと、嫌な感じの顔で見て来た人がいた。それは、黒崎の過去のデート相手だった。3人立て続けだった。
「ふん……」
「機嫌を直せ」
「ふん……」
「何もしていない」
「引っ越してからは遭遇しなかったから、忘れていたんだよ。狭い町だよね~。一時間以内に3人だったよ?」
今までなら短い会話だけで別れていたのに、環境の変化のせいか、黒崎が優しくなく話していた。優しくなるのは良いことだ。でも、面白くない。
「夏樹……」
「ふん……」
「手を繋ぐ……」
「勝手に繋げば?」
「前よりも話す時間が長くなったのは、意識してのことじゃない。たまたまだ」
「うん……」
「機嫌を直して仲直りしよう」
「キスしてよ」
「ここでか?」
「そうだよ。その後でクルクル回ってよ」
「……」
黒崎が押し黙ってため息をついた。意地悪で言ったことだ。お店に着いたら機嫌を直すことにしている。
強引に繋がれた手が離されて、胸がどきっとした。まさか置いて行かれるパターンだろうか。機嫌を悪くしすぎたせいだと思った。
「文句を言うなよ」
「ん?え、わあっ」
肩にかけていたバッグを奪い取られた後、ぐらっと視界が変わった。近くにあるマリーズカフェの看板が逆さまに見えた。そして、やっと状況が理解できた。黒崎の肩に担がれていることを。今日はゴールデンウイークの真っ只中だ。人通りが多い分だけ、大勢からの視線を浴びた。
「おろしてよ~」
「クルクル回ってやる」
その言葉通り、黒崎が右に回った。不安定な体制にされているから、身体がバランスを崩してしまった。そのまま地面に落ちそうになり、冷や汗が吹き出した。
「わあーーー」
なるべく小さな悲鳴を上げた。落ちた後の衝撃を覚悟していると、しっかりした腕に抱き留められていた。恐る恐る目を開くと、意地悪そうな顔で覗き込まれていた。
「どうだ?もっと回ってやろうか?」
「こんな体制じゃないよっ」
「回るのは同じだ」
「もう降ろしてよ~」
「だめだ。時間に遅れるからこのまま行く」
お姫様抱っこは嫌だと思っていたら、荷物のように肩に担がれてしまった。今度はしっかりと腕が回されている。恥ずかしくて泣きそうだ。
「連れ去り!」
「バカヤロウ」
「うっうっ」
「口は禍の元だ。このまま店へ入るぞ。沙耶に笑われろ」
「お客さんに迷惑だよっ」
「問題ない。スタッフ用の出入り口から入って個室へ向かう。黒崎製菓経営のレストランだ。俺も関係者だ」
「うっうっ」
「ごめんなさいは?」
「ごめんなさい……」
「心がこもっていない。このままだ」
「わあ~っ」
周囲の視線を浴びたままの状態だ。半泣きで謝って降ろしてもらえたのは、店の前だった。
昼ご飯を食べるレストランのガストロノミー・ジュエルへ向かっている。沙耶さんへのプレゼントを買うために、デパートへ寄って来た。楽しい時間のはずが、ショックな出来事があった。俺達のことを見て、ふうんと、嫌な感じの顔で見て来た人がいた。それは、黒崎の過去のデート相手だった。3人立て続けだった。
「ふん……」
「機嫌を直せ」
「ふん……」
「何もしていない」
「引っ越してからは遭遇しなかったから、忘れていたんだよ。狭い町だよね~。一時間以内に3人だったよ?」
今までなら短い会話だけで別れていたのに、環境の変化のせいか、黒崎が優しくなく話していた。優しくなるのは良いことだ。でも、面白くない。
「夏樹……」
「ふん……」
「手を繋ぐ……」
「勝手に繋げば?」
「前よりも話す時間が長くなったのは、意識してのことじゃない。たまたまだ」
「うん……」
「機嫌を直して仲直りしよう」
「キスしてよ」
「ここでか?」
「そうだよ。その後でクルクル回ってよ」
「……」
黒崎が押し黙ってため息をついた。意地悪で言ったことだ。お店に着いたら機嫌を直すことにしている。
強引に繋がれた手が離されて、胸がどきっとした。まさか置いて行かれるパターンだろうか。機嫌を悪くしすぎたせいだと思った。
「文句を言うなよ」
「ん?え、わあっ」
肩にかけていたバッグを奪い取られた後、ぐらっと視界が変わった。近くにあるマリーズカフェの看板が逆さまに見えた。そして、やっと状況が理解できた。黒崎の肩に担がれていることを。今日はゴールデンウイークの真っ只中だ。人通りが多い分だけ、大勢からの視線を浴びた。
「おろしてよ~」
「クルクル回ってやる」
その言葉通り、黒崎が右に回った。不安定な体制にされているから、身体がバランスを崩してしまった。そのまま地面に落ちそうになり、冷や汗が吹き出した。
「わあーーー」
なるべく小さな悲鳴を上げた。落ちた後の衝撃を覚悟していると、しっかりした腕に抱き留められていた。恐る恐る目を開くと、意地悪そうな顔で覗き込まれていた。
「どうだ?もっと回ってやろうか?」
「こんな体制じゃないよっ」
「回るのは同じだ」
「もう降ろしてよ~」
「だめだ。時間に遅れるからこのまま行く」
お姫様抱っこは嫌だと思っていたら、荷物のように肩に担がれてしまった。今度はしっかりと腕が回されている。恥ずかしくて泣きそうだ。
「連れ去り!」
「バカヤロウ」
「うっうっ」
「口は禍の元だ。このまま店へ入るぞ。沙耶に笑われろ」
「お客さんに迷惑だよっ」
「問題ない。スタッフ用の出入り口から入って個室へ向かう。黒崎製菓経営のレストランだ。俺も関係者だ」
「うっうっ」
「ごめんなさいは?」
「ごめんなさい……」
「心がこもっていない。このままだ」
「わあ~っ」
周囲の視線を浴びたままの状態だ。半泣きで謝って降ろしてもらえたのは、店の前だった。
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