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久田さんと別れた後、正面玄関へ向かった。話題は悠人のことだ。黒崎にはまだ話していなかったことを話したい。
「……悠人から聞いたんだけど。悠人のお父さんは、相手の社会的なステータスにこだわっているんだってさ。そういうことを選んで付き合いをしているのが嫌だって言っていたよ」
「……そうならざるを得ない。悪い人じゃないぞ」
「そっか。うちのお父さんと仲が良いから不思議なんだよ。お父さんって、頓着していないみたいだし」
「学生時代の友人と、社会人になった後で出来た友人は違う。そういうことを言っているんじゃ無いのか?」
「そうなんだ……。まだ分からないよ」
「それはそうだ。卒業すらしていない。今のうちに楽しんでおけ」
「うん……」
これが大人になるということか。俺が黒崎家の一員だから仲良くしろと、悠人は久田さんからそう言われて、嫌な思いをしたそうだ。将来のことを考えて、有利な方を選ばそうとしたのかも知れない。
「夏樹。そう沈むな。社会人の全員がそうとは限らないぞ。ひとつの例だ」
「ありがとう。勉強になったよ」
黒崎から手を握られた。何も言わなくても通じていると実感した。正面エントランスへ歩いていると、壁沿いに立てられた看板が目に入った。敷地内にある教会でオルガン演奏があると書かれている。出入りは自由だ。
「黒崎さん。この病院に教会があるよ。旧館の方向にあるって」
「オルガン演奏があるのか。寄っていくか?」
「もちろんだよー。開明を卒業してから、オルガンを聴いてないよ。あっちだよね?」
「こっちだ。ほら、行くぞ」
「もう一回、誓いを立てようよ」
「何度も立てるものじゃない」
「照れてるよ~、ふふん」
「寄らなくていいのか?」
「行くよ~」
黒崎のことを置いて、先に小走りに向かった。走るなと言われながら。
「……悠人から聞いたんだけど。悠人のお父さんは、相手の社会的なステータスにこだわっているんだってさ。そういうことを選んで付き合いをしているのが嫌だって言っていたよ」
「……そうならざるを得ない。悪い人じゃないぞ」
「そっか。うちのお父さんと仲が良いから不思議なんだよ。お父さんって、頓着していないみたいだし」
「学生時代の友人と、社会人になった後で出来た友人は違う。そういうことを言っているんじゃ無いのか?」
「そうなんだ……。まだ分からないよ」
「それはそうだ。卒業すらしていない。今のうちに楽しんでおけ」
「うん……」
これが大人になるということか。俺が黒崎家の一員だから仲良くしろと、悠人は久田さんからそう言われて、嫌な思いをしたそうだ。将来のことを考えて、有利な方を選ばそうとしたのかも知れない。
「夏樹。そう沈むな。社会人の全員がそうとは限らないぞ。ひとつの例だ」
「ありがとう。勉強になったよ」
黒崎から手を握られた。何も言わなくても通じていると実感した。正面エントランスへ歩いていると、壁沿いに立てられた看板が目に入った。敷地内にある教会でオルガン演奏があると書かれている。出入りは自由だ。
「黒崎さん。この病院に教会があるよ。旧館の方向にあるって」
「オルガン演奏があるのか。寄っていくか?」
「もちろんだよー。開明を卒業してから、オルガンを聴いてないよ。あっちだよね?」
「こっちだ。ほら、行くぞ」
「もう一回、誓いを立てようよ」
「何度も立てるものじゃない」
「照れてるよ~、ふふん」
「寄らなくていいのか?」
「行くよ~」
黒崎のことを置いて、先に小走りに向かった。走るなと言われながら。
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