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歌を披露する広場は、広い池が背後にある場所だ。テラスにはベンチが並び、休憩している人たちがいる。ワオキツネザル、カンガルー、反対方向にはキリンがいる。爬虫類や、水辺の生物もいるようだ。
そこで思い出したことがある。何かの番組の中で、コメディアンの男性が、ザリガニを鼻に挟んでいた。そして、リアクションを起こして、笑いを取っていた。ゲストもやっていたはずだ。
(俺もするのかな?むせたから、鼻が痛いんだけど……)
こういう希望は出さない方がいいのかな?いや、ちゃんと言うべきだ。羽音さんがそばに来たから、聞いてみよう。スタッフさんも来たことだし。
「羽音さん。これからザリガニを鼻に挟んで、リアクションを起こすんですよね?」
「……え?井川さんのことだねー」
「はい。珈琲でむせたから鼻が痛いんです。断れないでしょうか……。え?どうして笑っているんですか?今日は無いのか。番組が違うんですね」
さらに笑いが起きて戸惑った。井川さんも笑っている。ザリガニがいないから出来ないよと。是非とも僕の番組に出て欲しいとまで言われた。すると、羽音さんが提案があると言い出した。
「同じバンドの悠人君と共演させるといいですよ。リアクションが面白い子です。そうだよね?夏樹君?」
「はい。本人はクールな男を目指しているんですけど。そうならなくて」
正直に答えたのに、みんなが笑いながら話し始めた。どこかへ連絡している人もいる。羽音さんがスタンバイを始めると、すでに気づいていた人達が集まって来た。
そして発声練習をすると、あちこちから拍手が起きて、スマホが向けられた。不思議そうに通り過ぎて行く人もいる。さらに羽音さんの歌声が響き渡ると、誰もが足を止めて、観客になった。
(すごいなぁ。レベルが違うよ……)
大きな木の影に隠れて待機している。黒崎からは、頬をつまんだり引っ張られたりした。なんだよと見上げると、頭をくしゃくしゃと撫でられた。
「今年の誕生日も楽しいものになった」
「そうだろ?この後は、キリンとお話しようね。……え?帰ってからだよ~」
今日はどうしたのか?スタッフが近くに居るのに、軽く抱き寄せられた。左手の甲へキスをされたことで、独占欲の発動かと呆れたが、くすぐったい気持ちになった。冗談も入っている。
「やきもちを妬く相手がいないだろ」
「予防策だ。いい笑顔を見せてくれ」
「うん。黒崎さんの方を向いて歌うからね」
ぎゅっと抱きついた後、合図と同時にスタンバイした。拍手が送られているなか、羽音さんから手招きされて参加した。空を見上げると晴れ渡っている。そして、目の前の木陰で微笑んでいる、親愛なる人へと歌声をあげた。
そこで思い出したことがある。何かの番組の中で、コメディアンの男性が、ザリガニを鼻に挟んでいた。そして、リアクションを起こして、笑いを取っていた。ゲストもやっていたはずだ。
(俺もするのかな?むせたから、鼻が痛いんだけど……)
こういう希望は出さない方がいいのかな?いや、ちゃんと言うべきだ。羽音さんがそばに来たから、聞いてみよう。スタッフさんも来たことだし。
「羽音さん。これからザリガニを鼻に挟んで、リアクションを起こすんですよね?」
「……え?井川さんのことだねー」
「はい。珈琲でむせたから鼻が痛いんです。断れないでしょうか……。え?どうして笑っているんですか?今日は無いのか。番組が違うんですね」
さらに笑いが起きて戸惑った。井川さんも笑っている。ザリガニがいないから出来ないよと。是非とも僕の番組に出て欲しいとまで言われた。すると、羽音さんが提案があると言い出した。
「同じバンドの悠人君と共演させるといいですよ。リアクションが面白い子です。そうだよね?夏樹君?」
「はい。本人はクールな男を目指しているんですけど。そうならなくて」
正直に答えたのに、みんなが笑いながら話し始めた。どこかへ連絡している人もいる。羽音さんがスタンバイを始めると、すでに気づいていた人達が集まって来た。
そして発声練習をすると、あちこちから拍手が起きて、スマホが向けられた。不思議そうに通り過ぎて行く人もいる。さらに羽音さんの歌声が響き渡ると、誰もが足を止めて、観客になった。
(すごいなぁ。レベルが違うよ……)
大きな木の影に隠れて待機している。黒崎からは、頬をつまんだり引っ張られたりした。なんだよと見上げると、頭をくしゃくしゃと撫でられた。
「今年の誕生日も楽しいものになった」
「そうだろ?この後は、キリンとお話しようね。……え?帰ってからだよ~」
今日はどうしたのか?スタッフが近くに居るのに、軽く抱き寄せられた。左手の甲へキスをされたことで、独占欲の発動かと呆れたが、くすぐったい気持ちになった。冗談も入っている。
「やきもちを妬く相手がいないだろ」
「予防策だ。いい笑顔を見せてくれ」
「うん。黒崎さんの方を向いて歌うからね」
ぎゅっと抱きついた後、合図と同時にスタンバイした。拍手が送られているなか、羽音さんから手招きされて参加した。空を見上げると晴れ渡っている。そして、目の前の木陰で微笑んでいる、親愛なる人へと歌声をあげた。
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