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こうやって遊ぶのは、一年ぶりだ。さすがに腰を痛めると言われたから、自分の方から着地した。そして、向かい合って笑い、俺の方から額同士をコツコツ当てた。嫌がるのを無理やりにだ。
「何でも言うことを聞くんだよねー?」
「……乗ってくれ。ここは冷えるだろう」
「うん。……あれー?何かあるね」
「……俺が使うものだ。お前の為じゃない」
後部座席には、ショップ袋が置いてあった。お風呂グッズ専門店の、バスボムの匂いがしている。店頭に寄ってくれたのかと嬉しくなった。さっそく紙袋を開けると、全部、泡が立たないものだった。
「身体が見えないから?俺とのお風呂タイムで……」
「当たり前だ。2人で入る意味がない」
「あからさまに言うなよ~っ」
「おじさんはエロい。知らなかったのか?」
前を向いたままで、スケベたらしい笑い声を立てている。そして肩にかかった髪の毛に触れて来て、ついでとばかりに、シャツの中に手を入れられた。期待に応えてやると言われたから、その手に噛みついてやった。痛いからやめろ。だったら触るな。触らせろ。そんな言い合いをしながら笑った。
信号待ちで停車した後、そろそろ飲んでおけと、視線を向けられた。カップホルダーには、迎えに来る前に買ってくれた珈琲が置いてある。ちょうどいい熱さになり、ほっこりした気分で飲み始めた。
食事の後で、深夜まで開いているマリーズカフェへ行く。控えめに食べなくてもOKだ。デザートは別腹だ。今夜はどれほど甘い匂いを漂わせても、構わない。せっかくのチャンスだ。
「……夏樹。ソフトクリームは、2つまでにしておけ」
「せっかくのキャンペーンだもん。……春のソフトクリーム祭り、3個同時にお買い上げで、もう1個プレゼント。……4つのフレーバーを楽しみたいんだ。3分の1サイズにして、カップで食べるよ。うひゃひゃ」
「……4分の1サイズで頼んでやる」
「たいして変わらないじゃん。意地悪ばっかり言うなよ。今日はねえ……」
「言うことを聞くが、意地悪のことには触れていない。約束もしていない」
「何だよ~」
すぐに言い返したが、無駄な抵抗だと知った。長い信号待ちだと、シートへふんぞり返ったからだ。いくら叩こうが動じずに、手を掴んで阻まれるだけだ。
(夜のデートだなあ。気分が沈むのも悪くない。黒崎さんも笑っているし……)
黒崎は悠然として信号を見つめている。店に着くまで寝てもいいぞと、声をかけられた。大丈夫だと答えて、その姿を眺めた。体形差が一目瞭然だから羨ましくなった。
おまけに馬鹿力だと、今更のように驚くときがある。駐車場でクルクル回った時も、腕が下がっていなかった。
家にあるアルバムの中の男の子は、華奢な体形をしていた。一見して女の子に見えるほど、大人しい印象もあった。ただし3歳の時から目元が強くて、今の姿と重なる。いつから”黒崎さん”になったのかな?
「聞いてもいいかな?いつから体を鍛えたの?運動が出来なかったなら、中学から鍛えた?」
「……そうだ。祖父母の家で暮らし始めた頃からだ。いきなり具合が良くなって嬉しかった。……他にも理由があるぞ。とにかく、喧嘩を吹っかけられることが多かった。都内の私立小学校に通っていた生徒が来たら、珍しくて気になる。自分たちと同時に入学してもだ」
「イケメンだしね。女の子からキャーキャー言われたら、悔しいだろうし」
「お前も目立っていただろう」
「俺は目つきが悪かったからね~」
何だか不思議な気持ちだ。自分自身のことを思い出して、懐かしいなと思ったからだ。
「何でも言うことを聞くんだよねー?」
「……乗ってくれ。ここは冷えるだろう」
「うん。……あれー?何かあるね」
「……俺が使うものだ。お前の為じゃない」
後部座席には、ショップ袋が置いてあった。お風呂グッズ専門店の、バスボムの匂いがしている。店頭に寄ってくれたのかと嬉しくなった。さっそく紙袋を開けると、全部、泡が立たないものだった。
「身体が見えないから?俺とのお風呂タイムで……」
「当たり前だ。2人で入る意味がない」
「あからさまに言うなよ~っ」
「おじさんはエロい。知らなかったのか?」
前を向いたままで、スケベたらしい笑い声を立てている。そして肩にかかった髪の毛に触れて来て、ついでとばかりに、シャツの中に手を入れられた。期待に応えてやると言われたから、その手に噛みついてやった。痛いからやめろ。だったら触るな。触らせろ。そんな言い合いをしながら笑った。
信号待ちで停車した後、そろそろ飲んでおけと、視線を向けられた。カップホルダーには、迎えに来る前に買ってくれた珈琲が置いてある。ちょうどいい熱さになり、ほっこりした気分で飲み始めた。
食事の後で、深夜まで開いているマリーズカフェへ行く。控えめに食べなくてもOKだ。デザートは別腹だ。今夜はどれほど甘い匂いを漂わせても、構わない。せっかくのチャンスだ。
「……夏樹。ソフトクリームは、2つまでにしておけ」
「せっかくのキャンペーンだもん。……春のソフトクリーム祭り、3個同時にお買い上げで、もう1個プレゼント。……4つのフレーバーを楽しみたいんだ。3分の1サイズにして、カップで食べるよ。うひゃひゃ」
「……4分の1サイズで頼んでやる」
「たいして変わらないじゃん。意地悪ばっかり言うなよ。今日はねえ……」
「言うことを聞くが、意地悪のことには触れていない。約束もしていない」
「何だよ~」
すぐに言い返したが、無駄な抵抗だと知った。長い信号待ちだと、シートへふんぞり返ったからだ。いくら叩こうが動じずに、手を掴んで阻まれるだけだ。
(夜のデートだなあ。気分が沈むのも悪くない。黒崎さんも笑っているし……)
黒崎は悠然として信号を見つめている。店に着くまで寝てもいいぞと、声をかけられた。大丈夫だと答えて、その姿を眺めた。体形差が一目瞭然だから羨ましくなった。
おまけに馬鹿力だと、今更のように驚くときがある。駐車場でクルクル回った時も、腕が下がっていなかった。
家にあるアルバムの中の男の子は、華奢な体形をしていた。一見して女の子に見えるほど、大人しい印象もあった。ただし3歳の時から目元が強くて、今の姿と重なる。いつから”黒崎さん”になったのかな?
「聞いてもいいかな?いつから体を鍛えたの?運動が出来なかったなら、中学から鍛えた?」
「……そうだ。祖父母の家で暮らし始めた頃からだ。いきなり具合が良くなって嬉しかった。……他にも理由があるぞ。とにかく、喧嘩を吹っかけられることが多かった。都内の私立小学校に通っていた生徒が来たら、珍しくて気になる。自分たちと同時に入学してもだ」
「イケメンだしね。女の子からキャーキャー言われたら、悔しいだろうし」
「お前も目立っていただろう」
「俺は目つきが悪かったからね~」
何だか不思議な気持ちだ。自分自身のことを思い出して、懐かしいなと思ったからだ。
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