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13時。
IKU本社の隣にあるスタジオにて、テレビ番組の収録中だ。音楽専門チャンネルの番組の、ライスMAXに出演する。今回で4度目だからかリラックスできた。バンドステージにも集中できた。おかげで一発でOKが出て、トーク収録までに時間の余裕ができた。
今日の収録メンバーが、俺がいる控え室に集まった。久弥の部屋は出入りが多くて騒がしいし、俺の方は静まり返っているからだ。大和が今回からサポートとして参加する。その時のドラムを原田さんで固定して、バンドに慣れやすくした。
この待機時間の間に、新曲の収録の打ち合わせをやった。EDENの次に出すのは、”上弦の月の天使”であり、収録が完了している。そして、3曲目の発売日を変更することと、その時の収録にも大和がサポートメンバーとして参加する方向で進んでいる。
高宮さんとしては、聡太郎も参加できるとベストだと意見だ。本人には話を持って行かないし、伏せてある。バンドに加入するかどうかの選択が鈍るからだ。この間の就任祝いのステージはお試しだった。本人はやりたがっているし、黒崎製菓からもOKが出ているが、体調を見て決める。
それを当たり前のことだと思っていると、大和から出て来た言葉に気持ちが揺れた。こんなに考えてもらえるのか、メンバー重視の形だと言った。
遠藤さんからも話を聞いている。コンテストで入賞後、今のうちに売っておこうと、全く違う路線の楽曲を強いられるのは、珍しい事ではないのだと。メンバー同士が喧嘩をしても、仕事に響かなければOKだという空気もあった。わざわざ争わせている面があり、何の目的なのかは分からない。他にも言えないことがあるだろう。
大和が照れくさそうに笑い、明るいムードに変えようとしている。お菓子を奪い取るのが本来の大和だから、少しずつ元気を取り戻せるといい。悠人が大和のそばに行き、アイスコーヒーを渡した。気分が落ち着くアイテムだ。
「これからメンバーになるんだよ?頑張っていこうね」
「うん。控え室からして違うよ。良い雰囲気だよ。酒は禁止。物を丁寧に扱うこと。ここに貼り紙があるね」
「やまとー。夏樹の控え室のルールは、この他にもあるんだ。……お菓子のくずを落とさないこと。シャツやジャケットの襟元を直しておくこと。飲み物は白湯、ほうじ茶。……一人の待機時間は、絵本の連載、レポート課題の整理をやること。新商品のアイデア、サンプルの課題整理。何か悪い話が入るわけが無いよ。近づきたくないもん」
「ぎゃはは。神仙教授っていう人に似ている。面白いから話を聞いておけよ」
「似ていないってば。本気にしないでよ。大成君に言うなよ~」
神仙教授に似ているのだと、よく言われるようになった。イベントの時にツッコミが入るだろう。久弥は俺達と同じ大学の出身であり、理学部物理学科にいたから、教授のことを知っている。取っつきやすい人に変わったのは、伊吹が理由だ。何があったのかは聞かなかった。
短い打ち合わせが終わった後は、普段の話をして笑いが起きた。大和はO大出身だから、在学中の黒崎がやっていた研究のことを知っていた。マニアックすぎて、教授が高評価を出すしかなかったことも。
そして、明日のイベントに誘った流れで、警備体制の話になった。対策を取っておくのはいい事だねと、大和が嬉しそうに笑った。超がつくほど真面目な子だ。久弥から聞いていた通りだ。このバンドはお堅いぞと、メンバーから笑いが起きた。
IKU本社の隣にあるスタジオにて、テレビ番組の収録中だ。音楽専門チャンネルの番組の、ライスMAXに出演する。今回で4度目だからかリラックスできた。バンドステージにも集中できた。おかげで一発でOKが出て、トーク収録までに時間の余裕ができた。
今日の収録メンバーが、俺がいる控え室に集まった。久弥の部屋は出入りが多くて騒がしいし、俺の方は静まり返っているからだ。大和が今回からサポートとして参加する。その時のドラムを原田さんで固定して、バンドに慣れやすくした。
この待機時間の間に、新曲の収録の打ち合わせをやった。EDENの次に出すのは、”上弦の月の天使”であり、収録が完了している。そして、3曲目の発売日を変更することと、その時の収録にも大和がサポートメンバーとして参加する方向で進んでいる。
高宮さんとしては、聡太郎も参加できるとベストだと意見だ。本人には話を持って行かないし、伏せてある。バンドに加入するかどうかの選択が鈍るからだ。この間の就任祝いのステージはお試しだった。本人はやりたがっているし、黒崎製菓からもOKが出ているが、体調を見て決める。
それを当たり前のことだと思っていると、大和から出て来た言葉に気持ちが揺れた。こんなに考えてもらえるのか、メンバー重視の形だと言った。
遠藤さんからも話を聞いている。コンテストで入賞後、今のうちに売っておこうと、全く違う路線の楽曲を強いられるのは、珍しい事ではないのだと。メンバー同士が喧嘩をしても、仕事に響かなければOKだという空気もあった。わざわざ争わせている面があり、何の目的なのかは分からない。他にも言えないことがあるだろう。
大和が照れくさそうに笑い、明るいムードに変えようとしている。お菓子を奪い取るのが本来の大和だから、少しずつ元気を取り戻せるといい。悠人が大和のそばに行き、アイスコーヒーを渡した。気分が落ち着くアイテムだ。
「これからメンバーになるんだよ?頑張っていこうね」
「うん。控え室からして違うよ。良い雰囲気だよ。酒は禁止。物を丁寧に扱うこと。ここに貼り紙があるね」
「やまとー。夏樹の控え室のルールは、この他にもあるんだ。……お菓子のくずを落とさないこと。シャツやジャケットの襟元を直しておくこと。飲み物は白湯、ほうじ茶。……一人の待機時間は、絵本の連載、レポート課題の整理をやること。新商品のアイデア、サンプルの課題整理。何か悪い話が入るわけが無いよ。近づきたくないもん」
「ぎゃはは。神仙教授っていう人に似ている。面白いから話を聞いておけよ」
「似ていないってば。本気にしないでよ。大成君に言うなよ~」
神仙教授に似ているのだと、よく言われるようになった。イベントの時にツッコミが入るだろう。久弥は俺達と同じ大学の出身であり、理学部物理学科にいたから、教授のことを知っている。取っつきやすい人に変わったのは、伊吹が理由だ。何があったのかは聞かなかった。
短い打ち合わせが終わった後は、普段の話をして笑いが起きた。大和はO大出身だから、在学中の黒崎がやっていた研究のことを知っていた。マニアックすぎて、教授が高評価を出すしかなかったことも。
そして、明日のイベントに誘った流れで、警備体制の話になった。対策を取っておくのはいい事だねと、大和が嬉しそうに笑った。超がつくほど真面目な子だ。久弥から聞いていた通りだ。このバンドはお堅いぞと、メンバーから笑いが起きた。
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