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一貴さんは突拍子のないことをしながらも、どっしり構えている。しかし、藤沢の前ではネガティブになる。藤沢が憎めない人だと笑っていたが、今は迷惑がっている。
(藤沢とは進展なしなのか。たぶん一貴お兄ちゃんのことは好きだと思うけど。でも、お兄ちゃん、浮気症っぽく見えるもんな……)
俺の方から見ると、一貴さん達は両想いという状態だ。気さくに誰とも話すようになった分、恋心を向けて来る相手とも気軽に接する。それを間近で見ている藤沢の気持ちを思うと、胸がちくちくと痛む。一貴さんには悪気がない。
「お兄ちゃん、藤沢のことだけど……」
「いいぞ?……ああー、しまった!」
「どうしたの?」
「修輔君にラインで送る画像を間違えた!変なものにした……」
「何でも気にしないよ。……黒崎さん、まずいやつ?」
「俺なら気にしない。受け取る側として」
「どんなの?どれどれ」
画面には悠人との自撮り写真がある。この間の大学のイベントの帰りにカフェで合流した時に撮ったものだ。どうして変なものなんだろう?仲が良いのは知っている。
「どうして?悠人なのに」
「チャラい奴に見えないか?自撮りに慣れている」
「楽しそうでいいじゃん。この時って、藤沢が近くにいたよ?」
「ああー、調子に乗った気がする」
一貴さんがため息をついた。それよりも、イベントの時に、藤沢のそばで、男の子達と3人と盛り上がって話していた方が引っかかるのに。あの中の一人はモデルで、撮影現場で話したことがある人だったそうだ。やましいことはなくても、藤沢にとっては面白くない。その気持ちは分かる。
一貴さんが画像を送り直すと、すぐに返信が入った。デザイン発表が楽しみですねという文面だった。
「ああー、まずい……」
今度は一貴さんが悩み始めた。他人行儀な返事だと。黒崎が何か言おうとしたから止めた。今はそっとしておいた方がいい。
「黒崎さん。そろそろ帰ろうよ。出張なんだから早めに寝ようよ」
「そうする。一貴、ストールを置いて行こうか?写真を撮るなら」
「いや、十分に撮らせてもらった。今度は使っているところを見せてもらう」
「うん。今月は雨が多いからね。一日晴れの予報のときに使うよ」
そう返事をしつつも、普段使いするのが勿体ないと思っている。それは言わずにしておいて、元の箱に片づけた。いや、どれか一つを置いて行く。気が紛れるだろう。
「この巾着を置いておくよ。作りが凝っているからさ。好きな感じじゃない?」
「そうか、内側がこうなっているのか。……ありがとう。明日、返しに行く。いや、大学へ迎えに行くんだった……」
「ありがとう。黒崎さーん。引き受けてくれたよ」
「……助かった。明後日、藤沢君にスタジオで会えるだろう。祭典の司会アシスタントを務めると聞いた」
「そうなんだ?聞いていないよ」
「当初予定していたモデルが、仕事のダブルブッキングになったらしい。同じ事務所だ」
「そっか。話ができそうだね。……そうだ、このトートバッグを見てもらうよ。その時に話したらどうかな?」
きっかけがあれば、藤沢が話を盛り上げてくれる。ちょうどネタになるだろう。一貴さんへ手を振り、黒崎の背中を押して部屋を出た。
(藤沢とは進展なしなのか。たぶん一貴お兄ちゃんのことは好きだと思うけど。でも、お兄ちゃん、浮気症っぽく見えるもんな……)
俺の方から見ると、一貴さん達は両想いという状態だ。気さくに誰とも話すようになった分、恋心を向けて来る相手とも気軽に接する。それを間近で見ている藤沢の気持ちを思うと、胸がちくちくと痛む。一貴さんには悪気がない。
「お兄ちゃん、藤沢のことだけど……」
「いいぞ?……ああー、しまった!」
「どうしたの?」
「修輔君にラインで送る画像を間違えた!変なものにした……」
「何でも気にしないよ。……黒崎さん、まずいやつ?」
「俺なら気にしない。受け取る側として」
「どんなの?どれどれ」
画面には悠人との自撮り写真がある。この間の大学のイベントの帰りにカフェで合流した時に撮ったものだ。どうして変なものなんだろう?仲が良いのは知っている。
「どうして?悠人なのに」
「チャラい奴に見えないか?自撮りに慣れている」
「楽しそうでいいじゃん。この時って、藤沢が近くにいたよ?」
「ああー、調子に乗った気がする」
一貴さんがため息をついた。それよりも、イベントの時に、藤沢のそばで、男の子達と3人と盛り上がって話していた方が引っかかるのに。あの中の一人はモデルで、撮影現場で話したことがある人だったそうだ。やましいことはなくても、藤沢にとっては面白くない。その気持ちは分かる。
一貴さんが画像を送り直すと、すぐに返信が入った。デザイン発表が楽しみですねという文面だった。
「ああー、まずい……」
今度は一貴さんが悩み始めた。他人行儀な返事だと。黒崎が何か言おうとしたから止めた。今はそっとしておいた方がいい。
「黒崎さん。そろそろ帰ろうよ。出張なんだから早めに寝ようよ」
「そうする。一貴、ストールを置いて行こうか?写真を撮るなら」
「いや、十分に撮らせてもらった。今度は使っているところを見せてもらう」
「うん。今月は雨が多いからね。一日晴れの予報のときに使うよ」
そう返事をしつつも、普段使いするのが勿体ないと思っている。それは言わずにしておいて、元の箱に片づけた。いや、どれか一つを置いて行く。気が紛れるだろう。
「この巾着を置いておくよ。作りが凝っているからさ。好きな感じじゃない?」
「そうか、内側がこうなっているのか。……ありがとう。明日、返しに行く。いや、大学へ迎えに行くんだった……」
「ありがとう。黒崎さーん。引き受けてくれたよ」
「……助かった。明後日、藤沢君にスタジオで会えるだろう。祭典の司会アシスタントを務めると聞いた」
「そうなんだ?聞いていないよ」
「当初予定していたモデルが、仕事のダブルブッキングになったらしい。同じ事務所だ」
「そっか。話ができそうだね。……そうだ、このトートバッグを見てもらうよ。その時に話したらどうかな?」
きっかけがあれば、藤沢が話を盛り上げてくれる。ちょうどネタになるだろう。一貴さんへ手を振り、黒崎の背中を押して部屋を出た。
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