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コンテストの動画のネットへのアップが増えて来たことで、早めに公式サイトで紹介しようかと話し合っている。できれば、大和と同時がいい。
その動画を観て懐かしくなった。ゼロスペースとして出場した大和がいて、俺達と抱き合っている場面もあった。その大和がお見舞いに来てくれた時に、笑っていたのが嬉しかった。
「大和がさ、ゆっくり眠れるようになったんだよ。本当だぞって念押しされたから、疑わないよって言い返したら……。”夏樹は疑い深いからだ”って、ストレートに打ち返して来たよ」
「陰険だということか?」
「心配症だってことだよ……」
「自信が無いのか?そうか。悠人君にも聞いておけ」
「黒崎さーーん、人のことは言えないよ?」
「自覚している。いくらでも言え。……それにしても、この内容は広い」
「うん。あんたがビックリするぐらいだもんね~」
大和から貰ったのは、ミュージカル舞台を集めたBlu-ray集だ。俺が絵本が好きだから、幻想的な照明演出の舞台がいいだろうと、海外の作品も入っていた。それらはフリー映像で、自分で編集して楽しんでいたそうだ。こんなに詳しいのか?と、黒崎が一緒に見て驚いたほどだ。
「同じ監督と演出家がコンビを組んだものが中心だな。ストーリーは傾向が違う。相当観てきただろう」
「これから一緒にやって行くから、色んな面が分かると思う。俺の方も意外だって笑われたぐらいだもん。マメなタイプだって分かっていたけどって」
「……どんな子だと思われていたんだ?」
「あんた笑っているじゃん~。知っているだろ?」
「いいや。まだ直接話したことが無い。……予想はついている」
「ふん。……んん?そうだよ」
黒崎が言い当てた。激しいステージをやっているイメージが強くて、まったりと家庭菜園をしたり、コツコツとひざ掛けを編んだりしている姿を想像していなかったと言っていた。インタビュー記事を読んでも、そう思わなかったそうだ。
黒崎が油断している。耳たぶを引っ張って悪戯して、寝返りを打った。やり返されるからだ。
「こっちへ戻って来い、落ちるぞ」
「助けに来てよ。我が儘を言ってやる。そろそろ朝ごはんを食べようよ。フレンドリーラブリーのモーニングセット、久しぶりだよ」
「上手く逃げたな。悠人君からは、何かリクエストされなかったのか?」
「厚焼き玉子をリクエストされたよ。冷めても美味しいから。ただし、キュウリは入れないでくれって頼まれたよ。一貴お兄ちゃんからのトラウマの一つ。俺にとってもそうだよ。お兄ちゃんが変わった食材を入れて焼くからさ~」
「俺も誘われた。桜でんぷん入りだったか……」
「彩りが綺麗だもんねえ。そう思ったらしいよ。うーーん、もう起きるよ。黒崎さん、座っていてね。支度してくるよ」
ベッドから起き上がり、加湿器のスイッチを止めた。各部屋に置いてある状態になったのは、TDDが始まった時だった。白湯を入れたタンブラーを用意することも。今朝は黒崎が用意してくれた。大きなタンブラーだ。スポーツする人が使っているような水筒を、愛情と一緒に抱えて寝室を出た。
その動画を観て懐かしくなった。ゼロスペースとして出場した大和がいて、俺達と抱き合っている場面もあった。その大和がお見舞いに来てくれた時に、笑っていたのが嬉しかった。
「大和がさ、ゆっくり眠れるようになったんだよ。本当だぞって念押しされたから、疑わないよって言い返したら……。”夏樹は疑い深いからだ”って、ストレートに打ち返して来たよ」
「陰険だということか?」
「心配症だってことだよ……」
「自信が無いのか?そうか。悠人君にも聞いておけ」
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「自覚している。いくらでも言え。……それにしても、この内容は広い」
「うん。あんたがビックリするぐらいだもんね~」
大和から貰ったのは、ミュージカル舞台を集めたBlu-ray集だ。俺が絵本が好きだから、幻想的な照明演出の舞台がいいだろうと、海外の作品も入っていた。それらはフリー映像で、自分で編集して楽しんでいたそうだ。こんなに詳しいのか?と、黒崎が一緒に見て驚いたほどだ。
「同じ監督と演出家がコンビを組んだものが中心だな。ストーリーは傾向が違う。相当観てきただろう」
「これから一緒にやって行くから、色んな面が分かると思う。俺の方も意外だって笑われたぐらいだもん。マメなタイプだって分かっていたけどって」
「……どんな子だと思われていたんだ?」
「あんた笑っているじゃん~。知っているだろ?」
「いいや。まだ直接話したことが無い。……予想はついている」
「ふん。……んん?そうだよ」
黒崎が言い当てた。激しいステージをやっているイメージが強くて、まったりと家庭菜園をしたり、コツコツとひざ掛けを編んだりしている姿を想像していなかったと言っていた。インタビュー記事を読んでも、そう思わなかったそうだ。
黒崎が油断している。耳たぶを引っ張って悪戯して、寝返りを打った。やり返されるからだ。
「こっちへ戻って来い、落ちるぞ」
「助けに来てよ。我が儘を言ってやる。そろそろ朝ごはんを食べようよ。フレンドリーラブリーのモーニングセット、久しぶりだよ」
「上手く逃げたな。悠人君からは、何かリクエストされなかったのか?」
「厚焼き玉子をリクエストされたよ。冷めても美味しいから。ただし、キュウリは入れないでくれって頼まれたよ。一貴お兄ちゃんからのトラウマの一つ。俺にとってもそうだよ。お兄ちゃんが変わった食材を入れて焼くからさ~」
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「彩りが綺麗だもんねえ。そう思ったらしいよ。うーーん、もう起きるよ。黒崎さん、座っていてね。支度してくるよ」
ベッドから起き上がり、加湿器のスイッチを止めた。各部屋に置いてある状態になったのは、TDDが始まった時だった。白湯を入れたタンブラーを用意することも。今朝は黒崎が用意してくれた。大きなタンブラーだ。スポーツする人が使っているような水筒を、愛情と一緒に抱えて寝室を出た。
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