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かぐや姫が寄り添う意味を欲しがったのなら、その求婚者のことに惹かれていたのだろう。その求婚者は職人にレプリカを作らせて、本物だと偽ってプレゼントしてきた。かぐや姫はショックを受けたと思う。
「黒崎さーん。……かぐや姫に、”レプリカを作ってもいいですかー?”って聞いていたら、どんな結末だったと思う?」
「ハッピーエンドだ。何度も家に来て、信頼関係ができたということだ」
「うん。普通に話せる人が良かったんだね。その後で……、そこの庭に落ちている木を取ってきてよ。それで構わないよって言ったのかもね?」
「そうなると分かりすい要求だな。……連なっている枝が欲しい。同じ発想が欲しかったのかもしれない」
「こうやって窓の外を眺めてさ。あの枝でいいー?って。幸せだよね。月に帰る日が来たけど……」
気持ちが通じ合った後のストーリーを思い浮かべた。そう長くは、一緒に暮らせなかったはずだ。月から迎えに来るのは同じだ。
月に向かって弓矢を構えて、彼女を奪い取られないようにした。しかし、迎えにきた人達を、弓矢で射ることが出来なかった。動けなくされたのではない。躊躇ったからだ。その気持ちをお土産にして、かぐや姫は月に帰った。俺はそう思っている。
「どうして、ここに生まれて来たのかな?帰ることが分かっているのに」
「俺たちにも同じことが言える。そうだろう?」
そうか。やっと理由が分かった。優しい人の元に生まれて育てられた。誰でも天に還る日が来るわけで、親よりも先にその日を迎えた。残された人が不老長寿の薬をもらったが、それを使わずに捨てた。俺もそうすると思う。
このおとぎ話は、ある人の一生の物語だ。これらを黒崎に話すと、頭をくしゃくしゃと撫でられた。
「絵本のコラムに使ったらどうだ?黒崎双樹の解釈として……」
「やったー。これで締め切りに間に合うよ。11月の掲載分をやっているんだ」
「……そんなに近いのか。12月ぐらいかと思っていた」
「何もかも知りたがっていたのにね?……知らなかったのはこれだけって?負けず嫌いな人だね~」
「当たり前だ。知らないことはない。たまたまだ」
「黒崎さん……。やっぱり負けず嫌いじゃん。ショックだった?」
「いいや。お前の活動の幅が広がった分、余力を残してある。……ドイツ旅行の代わりの話をする」
そばのソファーに座った。黒崎がスマホを取ってきて、見せたい写真があると言った。さっそく画面を見てみると、クリスマスマーケットのような画像が出ていた。どこの分だろう?背景の山には鉄塔が写っている。日本っぽい。
「これはCGだ。遊具のレンタルリース会社に依頼した。今年のハロウィンイベントは、クリスマスマーケットのイメージで開催する」
「わあーー、面白そうだね!……カボチャを飾るよね?」
「もちろんだ。ハロウィンの趣きもつくる」
黒崎が肩を揺らして笑った。何のイベントか分からないだろう?と、ツッコミを入れて来た。毎年3月から計画を立て始めて、5月には全体のイメージが決定する。その頃には旅行の話が出ていたから、提案したそうだ。
「今年27回目の開催だ。たまには趣向を変えたい。イルミネーションを使って派手にする。たまにはいいだろう?……悠人君の誕生日だからな。賑やかなものがいい」
「俺達の記念日が30日にあるよ。忘れていない?」
「何のことだ?……そう怒るな。本当は連れて行きたい。これで堪えてくれ」
「黒崎さーん。嬉しいよ!」
なんてことを言うのか。心配かけずに楽しめることが大事だ。満月に迎えに来いなんて言わない。レプリカを持ってくるなとは言わない。こんなに心が込められた贈り物だ。しかも、ハロウィンコラボという特別感満載だ。
黒崎の肩に抱きついて、今の気持ちを伝えた。ありがとうと。黒崎がホッとしたように溜め息をついたから、すがりついて頬へキスをした。ばかやろうという言葉つきで。
「黒崎さーん。……かぐや姫に、”レプリカを作ってもいいですかー?”って聞いていたら、どんな結末だったと思う?」
「ハッピーエンドだ。何度も家に来て、信頼関係ができたということだ」
「うん。普通に話せる人が良かったんだね。その後で……、そこの庭に落ちている木を取ってきてよ。それで構わないよって言ったのかもね?」
「そうなると分かりすい要求だな。……連なっている枝が欲しい。同じ発想が欲しかったのかもしれない」
「こうやって窓の外を眺めてさ。あの枝でいいー?って。幸せだよね。月に帰る日が来たけど……」
気持ちが通じ合った後のストーリーを思い浮かべた。そう長くは、一緒に暮らせなかったはずだ。月から迎えに来るのは同じだ。
月に向かって弓矢を構えて、彼女を奪い取られないようにした。しかし、迎えにきた人達を、弓矢で射ることが出来なかった。動けなくされたのではない。躊躇ったからだ。その気持ちをお土産にして、かぐや姫は月に帰った。俺はそう思っている。
「どうして、ここに生まれて来たのかな?帰ることが分かっているのに」
「俺たちにも同じことが言える。そうだろう?」
そうか。やっと理由が分かった。優しい人の元に生まれて育てられた。誰でも天に還る日が来るわけで、親よりも先にその日を迎えた。残された人が不老長寿の薬をもらったが、それを使わずに捨てた。俺もそうすると思う。
このおとぎ話は、ある人の一生の物語だ。これらを黒崎に話すと、頭をくしゃくしゃと撫でられた。
「絵本のコラムに使ったらどうだ?黒崎双樹の解釈として……」
「やったー。これで締め切りに間に合うよ。11月の掲載分をやっているんだ」
「……そんなに近いのか。12月ぐらいかと思っていた」
「何もかも知りたがっていたのにね?……知らなかったのはこれだけって?負けず嫌いな人だね~」
「当たり前だ。知らないことはない。たまたまだ」
「黒崎さん……。やっぱり負けず嫌いじゃん。ショックだった?」
「いいや。お前の活動の幅が広がった分、余力を残してある。……ドイツ旅行の代わりの話をする」
そばのソファーに座った。黒崎がスマホを取ってきて、見せたい写真があると言った。さっそく画面を見てみると、クリスマスマーケットのような画像が出ていた。どこの分だろう?背景の山には鉄塔が写っている。日本っぽい。
「これはCGだ。遊具のレンタルリース会社に依頼した。今年のハロウィンイベントは、クリスマスマーケットのイメージで開催する」
「わあーー、面白そうだね!……カボチャを飾るよね?」
「もちろんだ。ハロウィンの趣きもつくる」
黒崎が肩を揺らして笑った。何のイベントか分からないだろう?と、ツッコミを入れて来た。毎年3月から計画を立て始めて、5月には全体のイメージが決定する。その頃には旅行の話が出ていたから、提案したそうだ。
「今年27回目の開催だ。たまには趣向を変えたい。イルミネーションを使って派手にする。たまにはいいだろう?……悠人君の誕生日だからな。賑やかなものがいい」
「俺達の記念日が30日にあるよ。忘れていない?」
「何のことだ?……そう怒るな。本当は連れて行きたい。これで堪えてくれ」
「黒崎さーん。嬉しいよ!」
なんてことを言うのか。心配かけずに楽しめることが大事だ。満月に迎えに来いなんて言わない。レプリカを持ってくるなとは言わない。こんなに心が込められた贈り物だ。しかも、ハロウィンコラボという特別感満載だ。
黒崎の肩に抱きついて、今の気持ちを伝えた。ありがとうと。黒崎がホッとしたように溜め息をついたから、すがりついて頬へキスをした。ばかやろうという言葉つきで。
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