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パチパチパチ!
夏椿の天使の演奏を終えたところだ。これはバレンタインイベントでもやったカントリーバージョンだ。バンドでやるとイメージが変わり、楽しかった。俺と夏樹がハイタッチをするようにして観客に手拍子をするように促すと、笑いが起きていた。夏樹も楽しそうだ。
ここで、雰囲気を変える。バラードの登場だ。夏樹がスタンドマイク越しに曲名を伝えた。
「……resumption. 再開という意味での楽曲づくりをしました。聴いて下さい」
波川さんのドラム、桜木さんのベース、藤沢のギターフレーズが奏でられた。俺はハンドベルでの参加だ。夏樹の高音が響き渡った。
「自分に約束したーー、Hope there is a wayー、as we ーーー」
観客からのため息が聞こえてきた。出だしは成功したようだ。奥にある席では、伊吹さんと早瀬が写真と動画を撮ってくれている。ここにいる人達も撮ってくれている。ときどき、俺達に手を振ってくれている人達がいるから、振り返した。
ハンドベルを鳴らしながら、これからのことに思いを馳せた。どんな人との出会いがあるだろうかと。もしかすると、今日の観客の中には、これから始めるバンドのライブに来てくれる人がいるかもしれない。バンドコンテストで俺達を見てくれた人もいるかも知れない。そう思うと、人との縁は不思議だと感じた。
「……In earth as it is in heaven ……Where are you born ……next……」
あなたはどこで生まれましたか。どう歩いて行きますか。そう問いかける歌詞だ。この曲は、桜木さんをイメージして作曲した物に、夏樹が歌詞を書いてくれた。
桜木さんがヴァイオリンをやめた後、後悔する気持ちを押し殺していた時、あることがきっかけでヴァイオリンを再開させようと決めた。それは、腱鞘炎だと診断されたからだった。二度と弾けなくなる前に、もう一度弾きたかったそうだ。俺はその話をイメージして曲を書いたら、不思議なことに、夏樹も同じく、桜木さんの話を元に歌詞を書いたことを知った。
ドラムとベース、ギターの音色が空中に吸い込まれるようにして消えた。そして、俺が最後の一音をハンドベルで表現して演奏を終えた。
リーーーーーン。
パチパチパチ!!
すると、会場内から大きな拍手が送られた。俺達は一人一人にお辞儀をしたくて、何度も頭を下げた。目尻に熱い物が溜まってきた。やり遂げた達成感がある。そして、これで最後なのだと思ったからでもある。するとその時だ。俺が持っているハンドベルが、俺の汗で滑って床に転がってしまった。
「げええええっ」
「わああ~っ」
そのハンドベルを、夏樹が踏んづけそうになった。必死の形相で堪えて踏まずに済んだと思ったら、夏樹がバランスを崩して転びそうになった。それを藤沢が支えた。
「ひいいいっ」
「あったよ、壊れていないよ~」
夏樹が藤沢から支えられながらハンドベルを拾ってくれた。会場内は笑いに包まれている。
「笑われた……」
「うん……」
俺らしいステージだと思った。奥の方では早瀬が笑いながら、俺達の様子を撮ってくれていた。
夏椿の天使の演奏を終えたところだ。これはバレンタインイベントでもやったカントリーバージョンだ。バンドでやるとイメージが変わり、楽しかった。俺と夏樹がハイタッチをするようにして観客に手拍子をするように促すと、笑いが起きていた。夏樹も楽しそうだ。
ここで、雰囲気を変える。バラードの登場だ。夏樹がスタンドマイク越しに曲名を伝えた。
「……resumption. 再開という意味での楽曲づくりをしました。聴いて下さい」
波川さんのドラム、桜木さんのベース、藤沢のギターフレーズが奏でられた。俺はハンドベルでの参加だ。夏樹の高音が響き渡った。
「自分に約束したーー、Hope there is a wayー、as we ーーー」
観客からのため息が聞こえてきた。出だしは成功したようだ。奥にある席では、伊吹さんと早瀬が写真と動画を撮ってくれている。ここにいる人達も撮ってくれている。ときどき、俺達に手を振ってくれている人達がいるから、振り返した。
ハンドベルを鳴らしながら、これからのことに思いを馳せた。どんな人との出会いがあるだろうかと。もしかすると、今日の観客の中には、これから始めるバンドのライブに来てくれる人がいるかもしれない。バンドコンテストで俺達を見てくれた人もいるかも知れない。そう思うと、人との縁は不思議だと感じた。
「……In earth as it is in heaven ……Where are you born ……next……」
あなたはどこで生まれましたか。どう歩いて行きますか。そう問いかける歌詞だ。この曲は、桜木さんをイメージして作曲した物に、夏樹が歌詞を書いてくれた。
桜木さんがヴァイオリンをやめた後、後悔する気持ちを押し殺していた時、あることがきっかけでヴァイオリンを再開させようと決めた。それは、腱鞘炎だと診断されたからだった。二度と弾けなくなる前に、もう一度弾きたかったそうだ。俺はその話をイメージして曲を書いたら、不思議なことに、夏樹も同じく、桜木さんの話を元に歌詞を書いたことを知った。
ドラムとベース、ギターの音色が空中に吸い込まれるようにして消えた。そして、俺が最後の一音をハンドベルで表現して演奏を終えた。
リーーーーーン。
パチパチパチ!!
すると、会場内から大きな拍手が送られた。俺達は一人一人にお辞儀をしたくて、何度も頭を下げた。目尻に熱い物が溜まってきた。やり遂げた達成感がある。そして、これで最後なのだと思ったからでもある。するとその時だ。俺が持っているハンドベルが、俺の汗で滑って床に転がってしまった。
「げええええっ」
「わああ~っ」
そのハンドベルを、夏樹が踏んづけそうになった。必死の形相で堪えて踏まずに済んだと思ったら、夏樹がバランスを崩して転びそうになった。それを藤沢が支えた。
「ひいいいっ」
「あったよ、壊れていないよ~」
夏樹が藤沢から支えられながらハンドベルを拾ってくれた。会場内は笑いに包まれている。
「笑われた……」
「うん……」
俺らしいステージだと思った。奥の方では早瀬が笑いながら、俺達の様子を撮ってくれていた。
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