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勝手に身体が逃げようとするぐらいの熱量に押されている。顔を逸らそうとすると追いかけてきて捕らえられた。胸がギュッと痛くなった。
至近距離で見つめ合っていると、どこからかチャイムが鳴った。お食事です、そう声が聞こえてきたから慌てて離れた。右手を使って身体を押しのけたことで痛みが走った。
「ごめんね。やりすぎた」
「ううん、平気だよ。それよりもご飯が気になるんだよーー」
本気で口にしたことなのに、心配気な目で見られている。きっと無理をしていると思われただろう。これは違うよと、左手で早瀬の頬をつまんでやった。いつも俺がやられているように、グリグリと撫でてやった。
「ゆうとくーん、食べられないぞーー」
「ネガティブゆうり、我慢しろーー」
食事が来たというのに遊んでいると、ドアの向こうから声を掛けられた。さっと離れて返事をすると、卵料理の匂いが漂う食事が運ばれてきた。早瀬が受け取った後、さっそく見せてもらった。
オムレツの皿が乗っていた。さすがに作りたてというわけにはいかない。冷めても美味しいスパニッシュオムレツだ。まるで家に居るときのように、同じ物を食べられる。そう思うと嬉しくなった。
「いただきまーす」
「いただきます」
ベッドのそばにテーブルを移動させた。これから一緒に向かい合って食べることが出来る。そこそこ広さがあるから不便はない。ダイニングよりも狭い分だけ近くで食べられる。なんだか嬉しい。とても口には出せることではない。
さらに照れくさいことに、早瀬から食べさせてもらっている。左手でフォーク持てば、ゆっくりでも食べることが出来る。今日は甘えてほしい。そう言われて素直にそうした。
「恥ずかしくないだろう。俺が怪我をした時と同じだ」
「あれは仕方ないじゃん」
去年、早瀬が怪我をしたことがある。会社にいるときに脚立から落ちた人を抱き留めた。その勢いで倒れて指を打撲した。たしかにこんなふうに食事を手伝った。
「今回も同じだ。はい、アーーン」
「あーーん」
「モグモグ……」
「もぐもぐ……」
「ゴク……」
「ごく……」
「アーーーン」
「あーーーん」
どうしよう?どこかのカップルのような状況だ。黒崎カップルというものだ。しかも嬉しいから、デレデレするのを隠せない。オムレツを飲み込んだ後、優しく微笑まれて胸がキュンとした。この包容力に吸い寄せられて捕獲された。
「オムレツの味はどうだ?美味しい?」
「おいひいー、うん……」
「ここの病院食は評判がいいらしい。もう一晩、泊まったらどうだ?」
「もう……、イジワルを言うなよ!」
早瀬がいじめっ子の顔に変わった。覗き込むようにして笑われている。頬を指先でツンツンと突かれた。
「一人でお泊まりできるかー?」
「もうーーっ」
「モウモウ言うとウシになるぞー?」
「ヤギになってやる!メエメエー」
「モウモウ……」
「メエメエ……」
「ゆうとー、連れて帰りたい」
「裕理さん……、帰りたい」
「今夜も一緒だぞ。んん?これで我慢しろ」
「ん……」
明日は病院の教会に寄ってから帰ろうね。美味しいものを食べようね。そんな会話をしながら晩ご飯を食べた。
至近距離で見つめ合っていると、どこからかチャイムが鳴った。お食事です、そう声が聞こえてきたから慌てて離れた。右手を使って身体を押しのけたことで痛みが走った。
「ごめんね。やりすぎた」
「ううん、平気だよ。それよりもご飯が気になるんだよーー」
本気で口にしたことなのに、心配気な目で見られている。きっと無理をしていると思われただろう。これは違うよと、左手で早瀬の頬をつまんでやった。いつも俺がやられているように、グリグリと撫でてやった。
「ゆうとくーん、食べられないぞーー」
「ネガティブゆうり、我慢しろーー」
食事が来たというのに遊んでいると、ドアの向こうから声を掛けられた。さっと離れて返事をすると、卵料理の匂いが漂う食事が運ばれてきた。早瀬が受け取った後、さっそく見せてもらった。
オムレツの皿が乗っていた。さすがに作りたてというわけにはいかない。冷めても美味しいスパニッシュオムレツだ。まるで家に居るときのように、同じ物を食べられる。そう思うと嬉しくなった。
「いただきまーす」
「いただきます」
ベッドのそばにテーブルを移動させた。これから一緒に向かい合って食べることが出来る。そこそこ広さがあるから不便はない。ダイニングよりも狭い分だけ近くで食べられる。なんだか嬉しい。とても口には出せることではない。
さらに照れくさいことに、早瀬から食べさせてもらっている。左手でフォーク持てば、ゆっくりでも食べることが出来る。今日は甘えてほしい。そう言われて素直にそうした。
「恥ずかしくないだろう。俺が怪我をした時と同じだ」
「あれは仕方ないじゃん」
去年、早瀬が怪我をしたことがある。会社にいるときに脚立から落ちた人を抱き留めた。その勢いで倒れて指を打撲した。たしかにこんなふうに食事を手伝った。
「今回も同じだ。はい、アーーン」
「あーーん」
「モグモグ……」
「もぐもぐ……」
「ゴク……」
「ごく……」
「アーーーン」
「あーーーん」
どうしよう?どこかのカップルのような状況だ。黒崎カップルというものだ。しかも嬉しいから、デレデレするのを隠せない。オムレツを飲み込んだ後、優しく微笑まれて胸がキュンとした。この包容力に吸い寄せられて捕獲された。
「オムレツの味はどうだ?美味しい?」
「おいひいー、うん……」
「ここの病院食は評判がいいらしい。もう一晩、泊まったらどうだ?」
「もう……、イジワルを言うなよ!」
早瀬がいじめっ子の顔に変わった。覗き込むようにして笑われている。頬を指先でツンツンと突かれた。
「一人でお泊まりできるかー?」
「もうーーっ」
「モウモウ言うとウシになるぞー?」
「ヤギになってやる!メエメエー」
「モウモウ……」
「メエメエ……」
「ゆうとー、連れて帰りたい」
「裕理さん……、帰りたい」
「今夜も一緒だぞ。んん?これで我慢しろ」
「ん……」
明日は病院の教会に寄ってから帰ろうね。美味しいものを食べようね。そんな会話をしながら晩ご飯を食べた。
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