4 / 19
第二章 インテルメディオの風来坊
中間界の女の体
しおりを挟む
話はフリアーナの視線のことに戻った。ミーヤは
「フリアーナ様が修行したニルミータというのは禁断の視線の世界。そこの性行為というのが、男女が見つめ合うだけなの。あなたがそのまま見続けていたらニルミータなら彼女と性行為をしたことになったのよ。フリアーナ様は視線を使ってここの男を誑かし、意のままに操ることが出来るそうなのであなたも既に支配されているかもしれない」
「ニルミータって面倒な所だなあ。じゃあ、ここ中間界の性行為はどんなものなの?」
「ここは昔ニルマーナラティと呼ばれた世界で、男女が向かい合って互いに笑うだけで性行為は終わると聞くわ。だから一瞬であっけなく終わる。しかもすぐ子供が出来て膝の上に乗っている。生まれた時既に九才に成長しているので授乳もしないのよ。子を生むのは簡単だけど母となるとき女は一瞬でげっそり老けるとかいうわ。私自身は体験が無い。あまりに簡単なのでうっかりするとバンバン子供が増えて女はすぐに骨と皮だけになる。だから私は笑わない、と言ったのよ。無愛想のつもりは無いのよ」
ここでは冗談を言って一緒に笑うたびに子供がバンバンできてしまうらしい。
しかし多少は回避できるテクニックもある。
サッと視線をずらすとか笑いを吸い込むとか少し遅れて笑うとか距離をとりながら笑うとか。
幼さの残っているミーヤはわりと無意識にほほ笑む。
しかし紳士はいつもムスッとしているべきだが笑わないのも苦しい。
その代わりとして、じろじろ見て笑いをこらえていても怒らない習慣が出来たという。
その習慣があるのでミーヤでもどこをじっと見られても平気だった。
中間界の女は股間や胸を生殖行為に使わない、すなわち性的な意味が無いのでそこを見られることは全く恥ずかしくないことだという。
女護衛官の制服が尻丸出しで平気な理由はこれだった。
ここの生殖方法に合わせて体も心も進化した。
大人の女でも野原でしゃがんで尻丸出しで小用を足すことができる。
少し後、慣れてかなり親しくなって何でも言えるようになってきた頃だった。
おれは現世界のことや技術をミーヤに話していた。
話が人体の構造の違いになった時、最初の頃聞いた話にずっと疑問があった。
あんな方法で遺伝子が伝わるのか。
「見つめ合うだけ、微笑み合うだけという性行為の話はみな伝聞だろう?」
「ええ、そういえばすべて伝聞よね。遺伝子が伝わらない? そうね。すると……ただの伝説だったのかしら」
「他にも方法が有るんじゃあないの?」
「じゃあ、私とあなたで実験してみましょうよ」
「え?」
以前からなんとなく思っていたが彼女がここまであっけらかんとしていることは、この世界に来てから二度目の驚愕だった。
ミーヤはあどけない表情で現世界の性行為のやり方を教えて、と言った。
おれは恥ずかしがりながら黒板に人体断面図を描いて説明した。
描画が進むにつれて彼女は眼を爛々と輝かせてきた。
やにわにテーブルにあおむけに寝て
「ねえ、現世界の女と違う所を教えて」
仰天して尻込みするおれに彼女は真面目に言った。
「大丈夫。私は触られても何事も起らない。股も手も同じ感覚だから。やってみようよ」
彼女は眼を閉じてたおやかに横たわった。
子どもの頃の秘密めいた遊びの雰囲気になり始めた。
何をやってもいいのなら、じゃあやろう。
おれが彼女の衣類を捲り上げて下半身を露出した。
すると彼女は足を閉じていた。
恥ずかしがっているように見えるがそうではなかった。
ここの女の股は前後にはよく開くが左右にはそれほど開かない。
剣を構えたときも我々と違って足を前後に開く。
彼女の膝を持ち上げて局部がよく見えるようにした。
おや? 意外なことにおれの男としての欲情をそそらない。
口髭のような陰毛はあるのに子どもの体のような感じがした。
その下には普通の排泄孔しか無い。探したが生殖用の孔はどこにも無かった。
ミーヤに聞けば管はそれだけだという。
それどころか臍も無い。
乳房は大きいくせにその頂上には何も部品が無くてつるんとした饅頭のようだった。
やっぱりここは地球ではない。
ひょっとしてこの世界はカエルの世界か。
ところが
「あら、私どうしたのかしら。あなたに見られていると思うと心も体も熱くなってくる。あついわあ。体の中で何かがもぞもぞして飛び出てきそう。きもちいいわあ。こんな変な気分は初めてよ」
意外にもミーヤは興奮して顔を赤くし息を弾ませてきた。
まさかこれが性的興奮?
この世界では性愛の行為が簡単なのでうっかり子どもが出来過ぎないよう、快楽や欲望が淡いものになっているらしい。
現世界では性行為が強烈な快感をもたらし歴史を変えるほど人の行動を支配すると聞いて彼女はしばらく考えていた。
そして
「そちらの性行為をしてみて。思いきり私を支配して。現世界ではものすごく気持ちいいんでしょ? もしかして私だって……」
「ミーヤのおなかは蛙のおなかだね。おれはどうすることも出来ないよ」
「あれそうなの。あなたに背負われて帰る時に体が密着したまま揺られていると、気分が落ち着いてとっても気持ち良くなって、だから……」
それを聞いて再び彼女をおぶって歩き回ってやった。
幼い時の親を想い出したミーヤは泣いた。
体はこんなに違うが現世界人と中間界人は混血できるのだろうか。
謎だった。
信じがたいことに、ここの男の陰部は女と同じ構造だとミーヤは言った。
なるほど彼らはあまり男らしく感じないし、女より小柄な者が多い。
女護衛官に到底勝てない。
いろいろ知ってくると見合って笑うだけという伝説の方法は本当だと思わざるを得なくなった。
ここの男たちは女体にあまり興味を持たないそうで、当然痴漢もいない。
男と女は対面したとき無表情になるが、同性同士はよく微笑みを交わしている。
ただし地球人と同じような性的好奇心と嗜好を持つ男もたまにいて、ここでは変態と言われる。
謹厳な護衛官マリサは普段から独りぼっちでいる。
美人であることは確かで、鼻や唇や眉毛は細くのびやかで目は青く大きくて潤いがある。
兜をかぶっているので髪の色はよくわからない。
ゲルマン女のように顔も尻も白い。
背が高く手足がスマートだが露出している尻と太もも上半分はよく発達していて、そこに他の女と違う性的色気をおれは感じた。
もちろん本人は知らない。
厳しくしつけられたのか何か思う所が有ったのか、仕事に忠実なあまり直立不動で無表情、前方だけを見ているのでスフィンクスのようだ。
支配者フリアーナより年長で、おれと同年齢に見える。
マリサの両親も既に無くなり年の離れた妹と二人暮らしだ。
姉マリサは一人で頑張ってきたせいか、流行を追う軽薄さに馴染めない。
謹厳実直で努力勉強を好み、そのまま行かず後家になりそうだ。
公爵、ミーヤと並ぶとマリサが最も知的だ。
その妹は姉以上に無愛想で難物らしい。
不機嫌そうにすることを好む。
こんな娘と結婚する男はどんな男だろう。
その妹を見てしまったら姉のマリサとも結婚しようと思う男がいないのは解る。
どうやら姉のマリサでもてこずる時があるらしい。
あるときマリサは
「欲しけりゃ妹をあげる。食べてもいいわよ」
おれはマリサに始めから無視されていたのでおれも彼女に興味を持っていなかった。
対照的にミーヤは愛想が良くて人を疑わない。
二人とも処女(男と微笑み合ったことが無い)で、剣の腕は公国有数。
年一回の公式トーナメント大会ではしばしば準決勝に勝ち残るとのこと。
ミーヤは小柄でも強いのだ。
あるとき練習試合でマリサと対決してみた。
地球にいたときより身軽だったので自信があった。
しかし剣を撃ち合った瞬間、マリサの鋭い返し技をかろうじて防いだ。
そのあと睨み合ったが結局引き分けた。
男の挑戦者は今まで一人残らずコテンパンに叩きのめしていたというマリサは負けたわけではないのに落胆していた。
初めてマリサに挨拶した時おれは吟遊詩人気取りで言った。
「ラ セニョリータ エンセナーダにはご機嫌麗しゅう……」
これに意外にもマリサが顔を赤らめ落ち着きを無くした。
殆どの男はわざとベスーゴ(鯛)と呼び捨てて彼女がふくれるのを見て面白がる。
マリサの堅苦しさは男たちによくからかわれていた。
おれはこのストイックすぎる女騎士の行く末が少し気がかりだった。
そんなとき初夏の青天の日、暇だったので陽気に誘われて人里離れた森の中に入っていった。
途中で道は途切れ深い茂みに入っていた。
考えていた時何かが蠢いているのに気づいたので隠れてそっと近づいて様子を見た。
そこに蠢いていたのはマリサだったがその行為に愕然とした。
彼女にも人知れぬ悩みのようなものがあるのだろう、おれは同情しながら見ていた。
奥手の処女の彼女が顔を上に向け口を半開きでハアハア息をし、眼を閉じて何かに集中していた。
その身体はリズミカルに上下に動き……彼女は何かの植物を利用して後ろの排泄孔で秘密の快楽世界に浸っていた。
若い女である彼女も当然性欲は我慢しきれないが、それをする部位はここの普通の女と違っていた。
男が近寄らない孤独な彼女の疼きを慰めていた植物は、皮を剥すとぬるっとした棒状だった。
現世界でも同じことをする女がいるらしいので、ひょっとすると彼女は現世界の血を濃く引いているのではないか。
護衛官マリサの謹厳な勤務ぶりを支えていたのはこれだった。
マリサにわからないようにそっと抜け出したつもりだったが後日物陰からそっと声を掛けられた。
言われて同じ物陰に入ったら狭すぎて体が密着してしまった。
ここを選んだのはマリサだから仕方がない。
男の体を直接感じるマリサは言った。
「見たでしょ」
「藪から棒に何を?」
「それを私の口から言わせるの?」
「え? 何だったかな。この間の藪の中のこと?」
なぜかハアハア興奮して来たマリサはやっとのことで言った。
「ここインテルメディオの女は男に秘密を見られたら、その秘密を守るため絶対その男の嫁にならなければならないの。それじゃ私は困るでしょっ! でもあなたは異界人だから関係ない。あなたは見ていない、私はやっていない、すべて無かったことにしてっ!」
マリサの出まかせのような気がしたが
「いいよ。ただし中に植物が折れ残ると取り出せなくなって血流が滞り、内臓が壊死して命の危険があると聞く」
「え? ふーん、そうなの……ねえ、どいてくださらない? どいてよう」
マリサは密着したとき、おれの下半身に起こった変化に気付いたはずだ。
その意味はまだ知らないだろう。
おれが出現したときからマリサは自分の体が現世界に関係があると直感して図書館で調べはじめた
それで現世界の人間であるおれによく質問してくるようになった。
目をパチパチさせて
「あのっ、現世界では……」
こういうときのマリサは几帳面な勉強家のお姉さんが性に目覚めながらそのことを自分では否認しているような感じがあって面白かった。
藪で見たこと以外、彼女は真面目で身持ちのいい謹厳な運動神経抜群の淑女だ。
話し合っているとき以外はやっぱり無愛想だった。
他の男たちは強すぎる女丈夫のマリサに近寄らない。
以降マリサとおれが平然と話しているのを人々が見ることが多くなり、次第におれもここの人々に馴染んで行った。
中間界とはムンド インテルメディオというべきだがインテルメディオ単独で正式名称にしたそうだ。
「フリアーナ様が修行したニルミータというのは禁断の視線の世界。そこの性行為というのが、男女が見つめ合うだけなの。あなたがそのまま見続けていたらニルミータなら彼女と性行為をしたことになったのよ。フリアーナ様は視線を使ってここの男を誑かし、意のままに操ることが出来るそうなのであなたも既に支配されているかもしれない」
「ニルミータって面倒な所だなあ。じゃあ、ここ中間界の性行為はどんなものなの?」
「ここは昔ニルマーナラティと呼ばれた世界で、男女が向かい合って互いに笑うだけで性行為は終わると聞くわ。だから一瞬であっけなく終わる。しかもすぐ子供が出来て膝の上に乗っている。生まれた時既に九才に成長しているので授乳もしないのよ。子を生むのは簡単だけど母となるとき女は一瞬でげっそり老けるとかいうわ。私自身は体験が無い。あまりに簡単なのでうっかりするとバンバン子供が増えて女はすぐに骨と皮だけになる。だから私は笑わない、と言ったのよ。無愛想のつもりは無いのよ」
ここでは冗談を言って一緒に笑うたびに子供がバンバンできてしまうらしい。
しかし多少は回避できるテクニックもある。
サッと視線をずらすとか笑いを吸い込むとか少し遅れて笑うとか距離をとりながら笑うとか。
幼さの残っているミーヤはわりと無意識にほほ笑む。
しかし紳士はいつもムスッとしているべきだが笑わないのも苦しい。
その代わりとして、じろじろ見て笑いをこらえていても怒らない習慣が出来たという。
その習慣があるのでミーヤでもどこをじっと見られても平気だった。
中間界の女は股間や胸を生殖行為に使わない、すなわち性的な意味が無いのでそこを見られることは全く恥ずかしくないことだという。
女護衛官の制服が尻丸出しで平気な理由はこれだった。
ここの生殖方法に合わせて体も心も進化した。
大人の女でも野原でしゃがんで尻丸出しで小用を足すことができる。
少し後、慣れてかなり親しくなって何でも言えるようになってきた頃だった。
おれは現世界のことや技術をミーヤに話していた。
話が人体の構造の違いになった時、最初の頃聞いた話にずっと疑問があった。
あんな方法で遺伝子が伝わるのか。
「見つめ合うだけ、微笑み合うだけという性行為の話はみな伝聞だろう?」
「ええ、そういえばすべて伝聞よね。遺伝子が伝わらない? そうね。すると……ただの伝説だったのかしら」
「他にも方法が有るんじゃあないの?」
「じゃあ、私とあなたで実験してみましょうよ」
「え?」
以前からなんとなく思っていたが彼女がここまであっけらかんとしていることは、この世界に来てから二度目の驚愕だった。
ミーヤはあどけない表情で現世界の性行為のやり方を教えて、と言った。
おれは恥ずかしがりながら黒板に人体断面図を描いて説明した。
描画が進むにつれて彼女は眼を爛々と輝かせてきた。
やにわにテーブルにあおむけに寝て
「ねえ、現世界の女と違う所を教えて」
仰天して尻込みするおれに彼女は真面目に言った。
「大丈夫。私は触られても何事も起らない。股も手も同じ感覚だから。やってみようよ」
彼女は眼を閉じてたおやかに横たわった。
子どもの頃の秘密めいた遊びの雰囲気になり始めた。
何をやってもいいのなら、じゃあやろう。
おれが彼女の衣類を捲り上げて下半身を露出した。
すると彼女は足を閉じていた。
恥ずかしがっているように見えるがそうではなかった。
ここの女の股は前後にはよく開くが左右にはそれほど開かない。
剣を構えたときも我々と違って足を前後に開く。
彼女の膝を持ち上げて局部がよく見えるようにした。
おや? 意外なことにおれの男としての欲情をそそらない。
口髭のような陰毛はあるのに子どもの体のような感じがした。
その下には普通の排泄孔しか無い。探したが生殖用の孔はどこにも無かった。
ミーヤに聞けば管はそれだけだという。
それどころか臍も無い。
乳房は大きいくせにその頂上には何も部品が無くてつるんとした饅頭のようだった。
やっぱりここは地球ではない。
ひょっとしてこの世界はカエルの世界か。
ところが
「あら、私どうしたのかしら。あなたに見られていると思うと心も体も熱くなってくる。あついわあ。体の中で何かがもぞもぞして飛び出てきそう。きもちいいわあ。こんな変な気分は初めてよ」
意外にもミーヤは興奮して顔を赤くし息を弾ませてきた。
まさかこれが性的興奮?
この世界では性愛の行為が簡単なのでうっかり子どもが出来過ぎないよう、快楽や欲望が淡いものになっているらしい。
現世界では性行為が強烈な快感をもたらし歴史を変えるほど人の行動を支配すると聞いて彼女はしばらく考えていた。
そして
「そちらの性行為をしてみて。思いきり私を支配して。現世界ではものすごく気持ちいいんでしょ? もしかして私だって……」
「ミーヤのおなかは蛙のおなかだね。おれはどうすることも出来ないよ」
「あれそうなの。あなたに背負われて帰る時に体が密着したまま揺られていると、気分が落ち着いてとっても気持ち良くなって、だから……」
それを聞いて再び彼女をおぶって歩き回ってやった。
幼い時の親を想い出したミーヤは泣いた。
体はこんなに違うが現世界人と中間界人は混血できるのだろうか。
謎だった。
信じがたいことに、ここの男の陰部は女と同じ構造だとミーヤは言った。
なるほど彼らはあまり男らしく感じないし、女より小柄な者が多い。
女護衛官に到底勝てない。
いろいろ知ってくると見合って笑うだけという伝説の方法は本当だと思わざるを得なくなった。
ここの男たちは女体にあまり興味を持たないそうで、当然痴漢もいない。
男と女は対面したとき無表情になるが、同性同士はよく微笑みを交わしている。
ただし地球人と同じような性的好奇心と嗜好を持つ男もたまにいて、ここでは変態と言われる。
謹厳な護衛官マリサは普段から独りぼっちでいる。
美人であることは確かで、鼻や唇や眉毛は細くのびやかで目は青く大きくて潤いがある。
兜をかぶっているので髪の色はよくわからない。
ゲルマン女のように顔も尻も白い。
背が高く手足がスマートだが露出している尻と太もも上半分はよく発達していて、そこに他の女と違う性的色気をおれは感じた。
もちろん本人は知らない。
厳しくしつけられたのか何か思う所が有ったのか、仕事に忠実なあまり直立不動で無表情、前方だけを見ているのでスフィンクスのようだ。
支配者フリアーナより年長で、おれと同年齢に見える。
マリサの両親も既に無くなり年の離れた妹と二人暮らしだ。
姉マリサは一人で頑張ってきたせいか、流行を追う軽薄さに馴染めない。
謹厳実直で努力勉強を好み、そのまま行かず後家になりそうだ。
公爵、ミーヤと並ぶとマリサが最も知的だ。
その妹は姉以上に無愛想で難物らしい。
不機嫌そうにすることを好む。
こんな娘と結婚する男はどんな男だろう。
その妹を見てしまったら姉のマリサとも結婚しようと思う男がいないのは解る。
どうやら姉のマリサでもてこずる時があるらしい。
あるときマリサは
「欲しけりゃ妹をあげる。食べてもいいわよ」
おれはマリサに始めから無視されていたのでおれも彼女に興味を持っていなかった。
対照的にミーヤは愛想が良くて人を疑わない。
二人とも処女(男と微笑み合ったことが無い)で、剣の腕は公国有数。
年一回の公式トーナメント大会ではしばしば準決勝に勝ち残るとのこと。
ミーヤは小柄でも強いのだ。
あるとき練習試合でマリサと対決してみた。
地球にいたときより身軽だったので自信があった。
しかし剣を撃ち合った瞬間、マリサの鋭い返し技をかろうじて防いだ。
そのあと睨み合ったが結局引き分けた。
男の挑戦者は今まで一人残らずコテンパンに叩きのめしていたというマリサは負けたわけではないのに落胆していた。
初めてマリサに挨拶した時おれは吟遊詩人気取りで言った。
「ラ セニョリータ エンセナーダにはご機嫌麗しゅう……」
これに意外にもマリサが顔を赤らめ落ち着きを無くした。
殆どの男はわざとベスーゴ(鯛)と呼び捨てて彼女がふくれるのを見て面白がる。
マリサの堅苦しさは男たちによくからかわれていた。
おれはこのストイックすぎる女騎士の行く末が少し気がかりだった。
そんなとき初夏の青天の日、暇だったので陽気に誘われて人里離れた森の中に入っていった。
途中で道は途切れ深い茂みに入っていた。
考えていた時何かが蠢いているのに気づいたので隠れてそっと近づいて様子を見た。
そこに蠢いていたのはマリサだったがその行為に愕然とした。
彼女にも人知れぬ悩みのようなものがあるのだろう、おれは同情しながら見ていた。
奥手の処女の彼女が顔を上に向け口を半開きでハアハア息をし、眼を閉じて何かに集中していた。
その身体はリズミカルに上下に動き……彼女は何かの植物を利用して後ろの排泄孔で秘密の快楽世界に浸っていた。
若い女である彼女も当然性欲は我慢しきれないが、それをする部位はここの普通の女と違っていた。
男が近寄らない孤独な彼女の疼きを慰めていた植物は、皮を剥すとぬるっとした棒状だった。
現世界でも同じことをする女がいるらしいので、ひょっとすると彼女は現世界の血を濃く引いているのではないか。
護衛官マリサの謹厳な勤務ぶりを支えていたのはこれだった。
マリサにわからないようにそっと抜け出したつもりだったが後日物陰からそっと声を掛けられた。
言われて同じ物陰に入ったら狭すぎて体が密着してしまった。
ここを選んだのはマリサだから仕方がない。
男の体を直接感じるマリサは言った。
「見たでしょ」
「藪から棒に何を?」
「それを私の口から言わせるの?」
「え? 何だったかな。この間の藪の中のこと?」
なぜかハアハア興奮して来たマリサはやっとのことで言った。
「ここインテルメディオの女は男に秘密を見られたら、その秘密を守るため絶対その男の嫁にならなければならないの。それじゃ私は困るでしょっ! でもあなたは異界人だから関係ない。あなたは見ていない、私はやっていない、すべて無かったことにしてっ!」
マリサの出まかせのような気がしたが
「いいよ。ただし中に植物が折れ残ると取り出せなくなって血流が滞り、内臓が壊死して命の危険があると聞く」
「え? ふーん、そうなの……ねえ、どいてくださらない? どいてよう」
マリサは密着したとき、おれの下半身に起こった変化に気付いたはずだ。
その意味はまだ知らないだろう。
おれが出現したときからマリサは自分の体が現世界に関係があると直感して図書館で調べはじめた
それで現世界の人間であるおれによく質問してくるようになった。
目をパチパチさせて
「あのっ、現世界では……」
こういうときのマリサは几帳面な勉強家のお姉さんが性に目覚めながらそのことを自分では否認しているような感じがあって面白かった。
藪で見たこと以外、彼女は真面目で身持ちのいい謹厳な運動神経抜群の淑女だ。
話し合っているとき以外はやっぱり無愛想だった。
他の男たちは強すぎる女丈夫のマリサに近寄らない。
以降マリサとおれが平然と話しているのを人々が見ることが多くなり、次第におれもここの人々に馴染んで行った。
中間界とはムンド インテルメディオというべきだがインテルメディオ単独で正式名称にしたそうだ。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
【アラウコの叫び 】第1巻/16世紀の南米史
ヘロヘロデス
歴史・時代
【毎日07:20投稿】 1500年以降から300年に渡り繰り広げられた「アラウコ戦争」を題材にした物語です。
マプチェ族とスペイン勢力との激突だけでなく、
スペイン勢力内部での覇権争い、
そしてインカ帝国と複雑に様々な勢力が絡み合っていきます。
※ 現地の友人からの情報や様々な文献を元に史実に基づいて描かれている部分もあれば、
フィクションも混在しています。
また動画制作などを視野に入れてる為、脚本として使いやすい様に、基本は会話形式で書いています。
HPでは人物紹介や年表等、最新話を先行公開しています。
公式HP:アラウコの叫び
youtubeチャンネル名:ヘロヘロデス
insta:herohero_agency
tiktok:herohero_agency
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる