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04 爆弾男の凶行

爆弾男の凶行その2

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――平仮名公園

「さて……
 貴方たちの力量見せてもらいましょうか」
 実が、小さく笑う。
「実様、早めに車に乗ってもらえるか?」
 隼人が、そう言って車の扉を開ける。
「はい、では行きましょう……」
「ヤツは、置いておいていいのか?」
 そう言って、実が車に乗ったことを確認すると隼人は扉を閉じた。
「捨てておいて結構です。
 なにせあの子は、捨て駒ですからね……」
「主も人が悪い……」
 隼人はそう言って笑うと車を発進させた。


「到着っと」
 和久が、そう言ってパトカーを止めた。
「んー」
 心が小さく声を出す。
「どうした?」
 和久が心に尋ねる。
「爆発の割には火薬の匂いがしないなって……」
 心がそう言うと王次がため息をつく。
「だから、ギフト能力者による犯行なんだって……」
「自然を操るギフト能力者だったら、私たちでは勝てなくない?」
 心が、そう言うと和久がため息をつく。
「まぁ、チート系の次にネイチャー系は強いからな。
 亜金がいない今、ネイチャー系が相手だったらヤバイな」
 和久が、そう言ってケラケラ笑う。
「亜金って、そんなに強いのですか?」
 玉藻が、王次に尋ねた。
「亜金くんの場合、敵に武器を持たしたら右に出るものはいないんじゃないかな?」
「へぇ……」
 玉藻が、そう頷くとどこか嬉しそうな表情を浮かべる。
「ふーん」
 心が、そう言って静かに笑う。
「な、なんなんですか?」
「赤ちゃん生まれら抱かせてね」
「誰との赤ちゃんですか!」
 玉藻は顔を真赤にさせる。
「それは、教えられないわ……」
 心はそう言って歩み出す。
「ってか、テメェらここ職場だぞ?
 騒ぐんじゃねぇ!」
 和久が、ふたりを注意した。


――爆破現場

 遺体の損傷は激しく辺りは血塗入れで肉片がそこら中に飛び散っていた。
「これは、グロいわね……
 亜金ちゃんいなくて正解だったかも……」
「卒倒してるかもな……
 ってか、事務員なのに現場に呼ばれる亜金も災難だな」
 和久は、そう言ってため息をついた。
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