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09 謳うものと唄われるもの

84 寂しい

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 ――数日後:曽呂勇士学園

ジルがいなくなった学園はジャキにとっては退屈な日々だった。
ベラは行方不明。
何が起きたのかわからない。
ただ始まるのは孤独との戦い。

学園は崩壊状態。

灰色になったあの日。

世界はすべてを変えた。

「ジャキくん」

丹歌がそういってジャキに近づく。

「なんだ?」

「アンタ後悔してない?」

丹歌のそばにいるプレゲトンがジャキに尋ねる。
すると別の方から声が聞こえる。

「後悔も後退もありません。
 私達の道に後ろはありません」

見慣れぬ黒髪の学生の方をジャキは見る。

「アンタは?」

「私の名前は、柊六曜ろくよう
 貴方のクラスメイト柊万桜の兄です。
 君のことはずっと監視させて貰っていました」

「そうか……」

「貴方の力。パンドラサポートで活かしませんか?」

そういった六曜の顔は眩しかった。
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