いけめんほいほい

はらぺこおねこ。

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Scene07 コインロッカーの女の子

153 噂話

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嫌でも糞でも悲しくても噂話は入ってくる。
突然入ってくる話と覚悟して入ってくる話。
十三は由香の存在が気になった。
だから聞いてみることにした。

みんなの孤児院を経営する斎藤 茂重しげしげに。

「君が噂の久留里十三くんかい?」

「はい。
 知っているのですか?」

「自由ちゃんが有名だからね……」

茂重はそう言って笑うと十三は少し焦る。

「自由はお世話になってます」

「で、十三くんはここに何をしにきたんだい?」

「橘由香ちゃんのことです」

「由香ちゃんがなにかしたのかい?」

「飴ちゃんをくれました」

「……」

「……」

「……はい?」

茂重は首を傾げる。
十三は一連の出来事を話した。

「そうかい。
 あの子が飴をね」

「はい」

「だけど話すわけにはいかないよ。
 個人情報だからね」

茂重は深々く頭を下げた。

「じゃ、私には話してくれる?」

由香がそっと現れぽつんと呟く。

「由香ちゃん?」

十三は驚く。

「まだ早いが……でも」

茂重は戸惑う。

「お姉ちゃんがお母さんに殺されたことなら知ってるよ」

「え?」

十三は驚く。

「どこでそれを?」

茂重の顔が険しくなる。

「お姉ちゃんから聞いたの」

「お姉ちゃん?」

「理香お姉ちゃん。
 私ね、見えるの。
 死んだ人の姿が」

由香はそう言って小さく頷いた。

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