喫茶★失恋

はらぺこおねこ。

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01 ファーストキス

04

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 ひとりぼっちがつらいわけじゃない。
 ひとりのほうが気が楽になれた。

 マザー・テレサは言った。
 
 【好きの反対は無関心】

 大人に近づけば近づくほど僕の病気に関心をもつ人は減っていった。
 でも、0じゃない。
 たまに、子どもに石をぶつけられたり知らない不良にののしられる時があるけれど……
 それは、仕方がないんだ。
 だって、僕は【バケモノ】なのだから……
 小さな頃は、よくそう言ってイジメられた。
 助けてくれる大人なんてひとりもいなかった。
 それどころかイジメに加担する教師やそれを先導する教師もいた。
 ある教師言った。

「イジメられる方にも原因がある」

 イジメられる原因は、見た目だけじゃないと思う。
 もし、僕がケンカが強くて誰にも負けないくらい怖い人だったなら……
 僕をイジメれる人はいなかっただろう。
 でも、それが出来ない。
 だから、イジメられる。

「不潔にしているからそんな病気になったんだ」

 と持論をいう教師もいた。
 子どもにとって教師の言葉は信頼の置けるもので親の次くらいに信じている。
 だから、その瞬間から僕は【不潔者】と言われるようになった。
 僕が触ったものには、ばい菌がつく。
 だから、僕は何も触らない。
 素手で殴ればばい菌が移るからとエアーガンの的にされることだってあった。
 助けて欲しかった。
 誰かに救われたかった。
 でも、誰も助けてくれない。

 何故なら僕は、ひとりだから……

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