78 / 93
05 にょ
78
しおりを挟む
私は、またひとりぼっち。
でも、寂しくない
おやつの時間が過ぎれば、博くんに会いに行き……
先生が迎えに来れば、先生と帰る。
それのくり返し……
先生は、長く付き合ってくれた。
根気よく付き合ってくれたんだと思う。
私は、そんな事など気にしないで、毎日博くんの元へと遊びに行った。
そんなある日……
博くんが病室から消えた……
私はいっぱい、いっぱい病院を探した。
だけど、どこを探してもいなかった。
看護婦さんに聞いた。
「にょにょにょ」
「何かな?」
ダメだ、言葉が通じない。
私は、落ち込んだけど病院の中をいっぱいっぱい探した。
そして、先生が私を見つけた。
「瞳ちゃん帰ろう……」
先生は、辛そうにそう言うと私の体を抱きしめた。
「……にょにょにょ」
「博くんはね、遠い所に行ったの……」
先生が何を言っているかわからない。
「だからね
今夜、博くんに会いに行こう」
先生が何を言っているかわからない。
「瞳ちゃん
強くなろうね」
先生が何を言っているかわからない。
先生に連れられて行った場所には、博くんが眠っていた。
博くんは、木のベットの中で眠っていて、周りにはお花畑が出来ていた。
「……にょにょにょ」
私は、博君の体にそっと触れた。
とても冷たかった。
私の瞳から涙が零れた。
ママと同じだ……
ママと同じで、もうすぐ小さな箱の中に入るんだ……
涙が止まらない……
何故だかわからないけど涙が止まらない……
私のせいだ……
私が、あの時止めていれば……
博くんは、冷たくならなくてすんだかもしれない。
私が、あの時止めていれば……
何度も何度も心の中でその言葉を繰り返した。
次の日……
博くんは、小さな箱に入って孤児院に戻って来た。
博くんのお母さんは、お通夜にもお葬式来なかった。
孤児院の片隅に博くんは存在している。
私は、何もできない……
言葉も話す事も出来ない……
私は泣いた
小さく泣いた
私は、空に向かって叫んだ。
「にょにょにょにょにょにょ!にょにょ!」
でも、寂しくない
おやつの時間が過ぎれば、博くんに会いに行き……
先生が迎えに来れば、先生と帰る。
それのくり返し……
先生は、長く付き合ってくれた。
根気よく付き合ってくれたんだと思う。
私は、そんな事など気にしないで、毎日博くんの元へと遊びに行った。
そんなある日……
博くんが病室から消えた……
私はいっぱい、いっぱい病院を探した。
だけど、どこを探してもいなかった。
看護婦さんに聞いた。
「にょにょにょ」
「何かな?」
ダメだ、言葉が通じない。
私は、落ち込んだけど病院の中をいっぱいっぱい探した。
そして、先生が私を見つけた。
「瞳ちゃん帰ろう……」
先生は、辛そうにそう言うと私の体を抱きしめた。
「……にょにょにょ」
「博くんはね、遠い所に行ったの……」
先生が何を言っているかわからない。
「だからね
今夜、博くんに会いに行こう」
先生が何を言っているかわからない。
「瞳ちゃん
強くなろうね」
先生が何を言っているかわからない。
先生に連れられて行った場所には、博くんが眠っていた。
博くんは、木のベットの中で眠っていて、周りにはお花畑が出来ていた。
「……にょにょにょ」
私は、博君の体にそっと触れた。
とても冷たかった。
私の瞳から涙が零れた。
ママと同じだ……
ママと同じで、もうすぐ小さな箱の中に入るんだ……
涙が止まらない……
何故だかわからないけど涙が止まらない……
私のせいだ……
私が、あの時止めていれば……
博くんは、冷たくならなくてすんだかもしれない。
私が、あの時止めていれば……
何度も何度も心の中でその言葉を繰り返した。
次の日……
博くんは、小さな箱に入って孤児院に戻って来た。
博くんのお母さんは、お通夜にもお葬式来なかった。
孤児院の片隅に博くんは存在している。
私は、何もできない……
言葉も話す事も出来ない……
私は泣いた
小さく泣いた
私は、空に向かって叫んだ。
「にょにょにょにょにょにょ!にょにょ!」
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる