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02 魔法使い遊園地に行く

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 橘さんが、ニッコリと微笑む。

「どうかしましたか?
 顔が真っ赤ですよ?」

「いえ、なんでもないです……」

 橘さんの素敵な笑顔に俺の胸がときめく。
 橘さんはクスリと笑うと言葉を続けた。

「もう、夕方になっちゃいましたね」

「そう……ですね」

 空を見上げると冬の空が赤く染まっていた。
 そんなに乗り物に乗ることが出来なかったな……
 橘さん、ガッカリしてないかな?
 そんなことを思っていると橘さんが下を見る。

「あっというまでしたね」

「そうですね……
 あ、最後に観覧車に乗りますか?」

 デートといえば観覧車。
 経験のない俺の僅かながらの知識。

「乗ってみたいです」

 橘さんの少し照れた笑顔に俺の胸の鼓動が早くなる。
 愛おしくなる。
 抱きしめたくなる。

 でも、そんな度胸は俺にはない。
 だってそうだろう?
 だからそうだろう?
 俺は、モテない男なのだから……
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