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02 魔法使い遊園地に行く

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 橘さんは小柄。
 俺も決して身長が高い方とはいえないけれど……
 10センチほど差がある。
 なので、俺のペースで歩くと橘さんより早く歩いてしまう。
 だから、少しペースダウンして歩かなくちゃ。

「持内さん優しいね」

「え?」

 橘さんの言葉に俺の鼓動が早くなる。

「なんでもないですよ」

 観覧車の扉が開く。
 橘さんは俺の手をぎゅっと握り締めると俺を中へと引っ張った。
 ヤバい。
 自分の心臓の音が耳まで届く。
 目の前には、穏やかな顔をした橘さんがまっすぐと俺を見ている。

「今晩の予定はなにか入れてますか?」

 どういう意味だ?
 いや、意味は何となくわかる。
 でも、どういう意味だ?

「あ、空いてます」

「じゃ、このあとどこか飲みに行きませんか?」

 橘さんが恥ずかしそうに笑った。
 俺の緊張が頂点に達する。

「よろこんで!」

 きちんと言えたかな?
 きちんと伝わったかな?
 うまくしたがまわらない。

「では、では、引き続きよろしくお願いします」

 橘さんがニッコリと笑った。
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