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03 魔法使いと秘密な彼女

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 俺が目を覚ましたのはベッドの上だった。
 白い天井に白い布団。
 点滴が、俺の腕につながっている。

「病院の上……だよね」

 俺は、辺りを見渡した。
 誰もいない。

 少しだけ寂しくなった。
 別に女の子に好かれているとかは思っていない。
 どちらかと言うと嫌われているんじゃなだろうか。
 橘さんにしたって、もしかしたら何かの罰ゲームとかだったのかもしれない。
 そう思うと何故か涙が出てきた。
 こんなとき。アニメやドラマだと近くに女の子がいるんだよね。
 でも、俺の周りには誰もいない。
 殴られたりからかわれたり散々だ。
 悔しくて。
 悔しくて。
 悔しくて……涙が出た。

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