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04 神か悪魔か

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 ――料亭チキンライス

「コウさん。
 食事の時くらいペンを置いたら?」

 そういったのは、あごひげライオンの副ギルドマスターの宇野まき。
 そして、そう言われたのはあごひげライオンのギルドマスターのヒロセ・コウです。

「そんなことをいっても、まきさん。
 六花さんの原稿の取り立ては怖いんだよ?」

 コウは、髭に憧れる女ギルドマスター。
 コウは、名前から男だと思われることが多いので、本人はそのことを結構気にしているようです。

「それはわかります」

 まきは、そういってため息を吐きます。

「さて、ご飯も食べたことだし。
 腹ごなしにひとしごとしなくちゃだ」

「何をするの?」

 まきの質問にコウが答えました。

「美獣メドゥサ!蛇と人のキメラなんだけど……
 悪さをしているという噂なのさー」

「メドゥサ……
 なんかやばめの人だけど。
 懸賞金はいかほど?」

「生きて捕獲すれば5000Gで、死体だと500G」

「わぉ。
 生きているかどうかで10倍も違うの?」

「そうなんだわさ。
 で、私はハンターから逃げている彼女に突撃取材!
 ああ、売れる予感しかしない」

 コウの目がキラキラと輝かせます。

「どこにいるかわかるの?」

「うん。
 ここから少し離れたさんざす山脈の山荘に住んでいるのよ」

「どんな悪さをしているの?」

「山荘にきた男達を虜にして精気を吸って、虜にして飽きたら石にしているみたい。
 しかも、イケメンばかり……」

「イケメンって」

 まきは、少し苦笑いを浮かべています。

「噂では、告井 和哉さんも虜にされているらしいの」

「へ?和哉が?」

「まきさん、ファンでしたよね?」

「そうです!
 最近、行方不明になったって噂があったから心配してました!」

「メデゥサ専用のボーカリストになっている見たいです……
 その他にも、台風やV5のメンバー等のアイドルも囲っている見たいです」

「許せませんね……」

「飽きたら即石化ですしね……」

「コウさん
 今すぐ行きましょう、今すぐ倒しましょう!」

 まきは、そういって席をたちました。

「と、そのまえに面接があるんだった」

 コウの言葉にまきが首を傾げます。

「面接?」

「うん。
 ちとワケありの子。
 清空さんに頼まれてね。
 亜金さんって子なんだけど、なんどかまきちゃんも会っているよね?」

「うん。
 亜金ちゃんなら知っているけど。
 ウチに入るの?」

「うん、清空さんに頼まれちゃったからね」

「そっかー
 清空さんの頼みなら断れないね」

「でしょ?
 まぁ、亜金さんなら断る理由はないからいいんだけど」

「問題は戦力だよね」

「うん。
 まぁ、そのへんは鍛えましょ」

 まきが、そういって目をキラキラと輝かせてます。

「ま、そんなわけだ。
 亜金をよろしくな!」

 清空がさり気なくそういうとコウとまきが全力で頷きました。

「任せて!」

「え?まさかの合格?」

 隣りにいた亜金が驚く。

「亜金ちゃんを鍛えようキャンペーンだね!」

 まきがそういうと清空が親指を立てて言います。

「そうだな。
 亜金は、世界を変える力があるはずだ!」

 そうして、亜金はあごひげライオンに入ることになりました。
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