マーメイド

はらぺこおねこ。

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 そして、3人は楽しく食事を済ませるとマクベスバーガー店を出た。

「私もブリキュアになれるかな?」

 帰り道ピノが、そう言った。

「ピノはブリキュアになりたいのかい?」

 壱は、真面目な顔で訪ねた。

「ピノね、魔法使いになって悪いやつを殺すの」

 ピノの目が暗くなる。
 それに殺意があることに気づいたものの壱は気づかないふりをして言葉を返す。

「へぇ。
 悪い奴らを倒して正義の味方になるのかい?」

「ピノ、悪い奴らを殺せたら死んでもいい」

「ピノさんが死んだらきっと社長が悲しみますよ」

 美知子が、そういうとピノの手をギュッと握りしめた。

「え?」

「ピノさんの手、暖かいです」

「美智子さんの手も暖かいよ?」

「そうです。
 生きるって暖かいことなんですよ。
 死ぬってことはそれがなくなること……」

 美知子さんの言葉にピノは首を傾げる。

「ピノ、どうとくのじかんだよ」

「え?どうとく?どうとくってなに?」

 ピノが首を傾げる。

「生きる上で必要なことだよ」

 壱が小さくうなずく。

「死ぬってことは、暖かさを失い冷たくなることなんだよ」

「んー。
 よくわかんない。
 人もマーメイドも暖かさを持っているのにどうしてマーメイドだけは、粗末に扱われるの?」

「そうだね。
 それは、人が考えなくちゃいけない課題だ」

「そっか」

 ピノは、わかったのかわからなかったのか小さく頷いた。

「どうとくのじかんは終わり」

「そうやっているとあの人そっくりですね」

 美知子が、そう言って笑うと壱は頷いた。

「そうだね、久留里さん。
 元気にしてるかな」

「社長の『どうとくのじかん』は、久留里さんからの受け売りですものね」

「うん。
 今の僕があるのは久留里さんのおかげかな……
 もう、何年も連絡していないけど元気にしているといいな」

「たしか風のうわさでは教師をしているらしいですよ?」

「そっか。
 あの人ならきっと良い教師になれるよ」

 壱は、そう言って笑うとピノの脇腹を持った。

「え?なに?」

 ピノが怯える。

「ほら!高いぞー!」

 壱はピノの体を持ち上げるとそのまま肩車をした。

「わぁー!」

 ピノが嬉しそうに声を出す。

「ピノ、このきれいな空を忘れないでね」

「うん!」

 ピノの瞳に夜空が映る。
 その空は綺麗で……
 そして、美しかった。



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