25 / 117
03 大好き
25
しおりを挟む
――それから数年後
壱は、パンダのマークを目印とした斎藤警備会社を立ち上げていた。
警備の評価はもちろんながら、斎藤警備会社のホームページのユーモア溢れるデザインで人々の心を掴み、バッチグーデザイン賞を受賞した。
そして、それを気に壱は、斎藤デザイン警備会社と社名変更し幼稚園や保育園や学校などの中心とした警備に力を入れ……
「ひとり誰かを救うことが出来れば、そのひとりが誰かを助けてくれるかもしれない。
そして、そのひとりがまた誰かを助け笑顔の輪が広がる世界を僕は見てみたい」
この言葉を座右の銘にして、今日も立派に警備をしていた。
そして、壱は社長でありながら街の警備を自らの足でしていたとき……
ある喧嘩を目撃した。
「ちょっと、なにをしているのかな?」
そこにいたのは、服が破れた女性と一人の青年。
そして、複数の男子高生だった。
複数の男子高生たちのひとりは、壱に向かって唾を吐く。
「なんだ?コイツ。
パンダの警備さんじゃないのか?
警備員ごときが俺らに逆らっているんじゃねぇよ!」
男子高生たちの視線が、壱の警備員服のパンダのパッチワークを見ていた。
男子高生のひとりが、そう言って壱に殴り掛かる。
しかし、壱はその拳を避けその男子高生に尻もちをつかせた。
「ああん?
一警備員の分際で!
お前なんて、俺の親父の鶴の一声でクビにできるんだぞ!」
壱の眉間に皺が寄る。
「うーん。
それは、困ったな」
壱がため息を吐くとその男子高生が、ニッコリと笑う。
「じゃ、土下座だな。
土下座!」
男子高生たちが手をたたき始める。
「どーげーざー!どーげーざー!」
すると絡まれていただろう青年が、その男子高生のひとりの顔を殴った。
「なにするんだ?
テメェ!お前も土下座しろ!」
すると青年は聞き覚えのある声で答える。
「その人は、土下座なんてしないっす!」
壱は、その声に驚く。
「この声は、梨麻くん?」
「そうっす……
久しぶりっすね!」
そして、別の男子高生をまた殴った。
「くそ!知り合いか!こうなったら戦争だ!」
リーダー格の男子高生が、そういうと他の男子高生たちがそれぞれバタフライナイフを取り出し構えた。
しかし、壱は怯まなかった。
「その人に武器を出さないほうがいいっすよ?」
梨麻が、小さな声でそう言った。
「ああん?ビビってるのか?」
「そうじゃないっすよ」
「じゃ、どう言う――」
リーダー格の男子高生がそう言ったところでひとりの若い女性が、その男子高生の体が宙に舞う。
「はい!」
その女性の名前は美知子。
壱の専属秘書をしている女性だ。
「お?壱さんの彼女っすか?
すごく強いっすね」
梨麻が、小さく笑う。
「彼女じゃありません!」
美知子が顔を赤くさせながらそう言った。
壱は、パンダのマークを目印とした斎藤警備会社を立ち上げていた。
警備の評価はもちろんながら、斎藤警備会社のホームページのユーモア溢れるデザインで人々の心を掴み、バッチグーデザイン賞を受賞した。
そして、それを気に壱は、斎藤デザイン警備会社と社名変更し幼稚園や保育園や学校などの中心とした警備に力を入れ……
「ひとり誰かを救うことが出来れば、そのひとりが誰かを助けてくれるかもしれない。
そして、そのひとりがまた誰かを助け笑顔の輪が広がる世界を僕は見てみたい」
この言葉を座右の銘にして、今日も立派に警備をしていた。
そして、壱は社長でありながら街の警備を自らの足でしていたとき……
ある喧嘩を目撃した。
「ちょっと、なにをしているのかな?」
そこにいたのは、服が破れた女性と一人の青年。
そして、複数の男子高生だった。
複数の男子高生たちのひとりは、壱に向かって唾を吐く。
「なんだ?コイツ。
パンダの警備さんじゃないのか?
警備員ごときが俺らに逆らっているんじゃねぇよ!」
男子高生たちの視線が、壱の警備員服のパンダのパッチワークを見ていた。
男子高生のひとりが、そう言って壱に殴り掛かる。
しかし、壱はその拳を避けその男子高生に尻もちをつかせた。
「ああん?
一警備員の分際で!
お前なんて、俺の親父の鶴の一声でクビにできるんだぞ!」
壱の眉間に皺が寄る。
「うーん。
それは、困ったな」
壱がため息を吐くとその男子高生が、ニッコリと笑う。
「じゃ、土下座だな。
土下座!」
男子高生たちが手をたたき始める。
「どーげーざー!どーげーざー!」
すると絡まれていただろう青年が、その男子高生のひとりの顔を殴った。
「なにするんだ?
テメェ!お前も土下座しろ!」
すると青年は聞き覚えのある声で答える。
「その人は、土下座なんてしないっす!」
壱は、その声に驚く。
「この声は、梨麻くん?」
「そうっす……
久しぶりっすね!」
そして、別の男子高生をまた殴った。
「くそ!知り合いか!こうなったら戦争だ!」
リーダー格の男子高生が、そういうと他の男子高生たちがそれぞれバタフライナイフを取り出し構えた。
しかし、壱は怯まなかった。
「その人に武器を出さないほうがいいっすよ?」
梨麻が、小さな声でそう言った。
「ああん?ビビってるのか?」
「そうじゃないっすよ」
「じゃ、どう言う――」
リーダー格の男子高生がそう言ったところでひとりの若い女性が、その男子高生の体が宙に舞う。
「はい!」
その女性の名前は美知子。
壱の専属秘書をしている女性だ。
「お?壱さんの彼女っすか?
すごく強いっすね」
梨麻が、小さく笑う。
「彼女じゃありません!」
美知子が顔を赤くさせながらそう言った。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる