不老に剣士

はらぺこおねこ。

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Scene03 カリュドーンの猪

70 力の差

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するとバビロンの胸に小さな穴が空きます。

「え?」

バビロンも驚きます。

「まぁ、油断した君が悪いよ」

13がそう言って笑います。

「油断?」

バビロンは小さく笑います。

「え?まさかダメージない?」

13は少し焦ります。

「なら、殴り飛ばすだけだ!」

焔が地面から現れバビロンの顎を殴ります。

「それで?」

バビロンは動じません。
それどころか余裕の笑みです。

「マジかよ。
 今の一撃、結構魔力を込めたんだぜ?」

焔はバビロンとの間合いを開けます。

「不意打ちのつもりかしら?」

バビロンは金杯の水を地面に垂らします。
六輝は槍でバビロンを背中を突き破ります。

「不意打ちでいいよ!
 そうしないと倒せないでしょ?」

六輝はそのまま槍に魔力を込めます。

「倒せると思っているの?
 あなた達程度で!」

バビロンの言葉を無視してカリュドーンが指先に魔力を込めてバビロンの頭部を破壊します。

「んー、やっぱ無理か」

カリュドーンはそういうと大きくため息を吐きます。

「わかっているじゃないの。
 テオスはそんなに甘くないわよ?」

バビロンの笑い声が響きます。
バビロンの体が燃え上がります。

「でもまぁ、今回は見逃してあげる。
 ちょうど今、呼び出しがあったから……」

「呼び出し?」

六輝が首を傾げます。

「テオス会があるから、またね!」

バビロンはそういうと姿を消しました。

「そんなクラス会に行くみたいにいうのかよ」

焔がそういうもバビロンは返事をしません。
そこに残ったのは魔力がほとんど残っていないモノたちだけです。

「……まぁ、生きているだけで丸儲けだよ」

カリュドーンが小さく笑うと皆はその場に倒れました。

「大丈夫ですか?」

天使がそう言ってカリュドーンの頭を撫でます。

「あ、天使さん」

カリュドーンがその天使の方を見ます。

「とりあえず魔力を回復しますね」

天使がそういって回復結界を一瞬であたり一面に貼ります。

「ありがとうございます」

焔がお礼を言います。

「いえいえ、こう見えて私もファルシオンですから」

天使の名前はシンフォニア。
ファルシオンの再生部隊の隊長です。
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