不老に剣士

はらぺこおねこ。

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Scene04 あなたへ

86 あかるいせかい

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変わる景色。
変わる世界。

苦手なススキの香り。
痛くなる目。。

丹歌が頭を押さえます。
目眩。
頭痛。
吐き気。
それは拒絶なのかも知れません。

科学の王国クールポコ。

「お前は何者だ?」

若い兵士が現れます。

「僕は……」

自分はこの王国の王さまの子ども。
そう言おうと思ったのですが信じてもらえない。
そう考えました。

「おや?この魔力は……」

その声に丹歌は聞き覚えがあります。

「セバスさん?」

丹歌は思わず声を出します。

「覚えておられましたか?」

セバス=チャン。
丹歌の知る限りではクールポコ王国の執事をやっています。

「セバスさん知り合いですか?」

兵士がそう言ってまっすぐとセバスの方を見ます。

「そうですね、一応王位を次ぐ人のひとりです」

それを聞いた兵士は慌てます。

「ってことはこの方は……」

「亜金=タンさまです」

セバスが微笑みます。

「でも、どうしてこのタイミングで?」

兵士はそういって丹歌の方を見ます。

「どのタイミングなんですか?」

「貴方のお父上。
ポコさまは今、酷い病気なのです。
どんな科学でもどんな医療でも勝てませんでした。
いわゆる呪いですね」

「呪い……ですか……」

セバスの言葉に丹歌は口元を押さえます。

父が今、王になったこと。
その父が、呪いで病気になったこと。
色んなことが整理できません。

「はい、もう長くはないです。
3日も持てないらしいです」

セバスの目が悔しそうに歪みます。

「呪いなのならなんとかなるかもです」

「亜金さまになにができるのですか?」

「これも呪いです」

丹歌はそういって小さく笑いました。

「わかりました。こちらは藁にもすがりたい気分です」

セバスはそういってポコ王の寝室に丹歌を案内しました。
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