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06 泣かない彼と泣き虫な彼女
2012年11月27日
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2012年11月27日
俺は、いつものようにベッドの上で項垂れている。
すると小太郎と御幸さんが見舞いに来てくれた。
御幸さんは、弁護士……
きっと美穂の話だろう。
「亜金、杉並美穂さんのことで話があるんだ……」
小太郎が、静かな声で言った。
「ああ。
偽物だってことはわかっている。
でも、もういいんだ」
「いいってどういうことだ?
騙されて腹が立たないのか?」
「んー。
なんていうんだろ。
腹が立つと言うか、むしろ感謝しているんだ。
俺に『生きろ』と言ってくれた。
俺に『死ぬな』と言ってくれた。
俺に命の儚さを教えてくれた……
でも、たぶん、あの子は、いっぱい嘘をついている。
俺が脳腫瘍だと言うのも嘘なんだろう?」
俺は、表情を変えず天井を見た。
「そこまで気づいていたのかい?」
御幸さんが、少し驚いた様子だった。
「うん」
「単刀直入に言うと、亜金君は、健康だ。
まぁ、少し高血圧ではあるが、生活に支障はない」
「うん」
「で、なぜこの病院にいるのか……
気になるだろう?」
「そうだね」
「それは、美穂さんの意向らしい。
美穂さんが、遺言書を残していたんだ。
君だけが、もし助かった場合、亜金君に生きる希望を持つまでこの病院で入院させてやってくれってね……」
「そうか……」
「そして、もう2度と自殺しないと誓うのなら退院はできるみたいだ」
「そっか……
迷惑かけるのもあれだし、自殺しない宣言をして退院してしまおうかな」
「退院した後は、どうするつもりだい?」
「お金もないし。
野宿だな……」
「彼女は、そんなのを望んでいなかっただろう。
君の自立を望んでいたはずだ」
「そう言われてもな……」
「とりあえず、あの子をどうするか……
それを考えるんだ」
「あの子?」
「そう、偽物の美穂さんのことだ……
あの子も悪気があって君を騙しているわけじゃない。
君を騙していること、許してやってほしい」
「許すも何も怒ってなんかないさ……」
「そうなのかい?」
「俺、あの子のこと惚れたみたいだ。
昔の美穂じゃない、今の美穂のことを……」
「だったら、答えは出ているね」
御幸さんが、微笑む。
そう答えは、もう出ている……
問題は俺にその答えを出す勇気が、あるかどうかだ……
俺は、いつものようにベッドの上で項垂れている。
すると小太郎と御幸さんが見舞いに来てくれた。
御幸さんは、弁護士……
きっと美穂の話だろう。
「亜金、杉並美穂さんのことで話があるんだ……」
小太郎が、静かな声で言った。
「ああ。
偽物だってことはわかっている。
でも、もういいんだ」
「いいってどういうことだ?
騙されて腹が立たないのか?」
「んー。
なんていうんだろ。
腹が立つと言うか、むしろ感謝しているんだ。
俺に『生きろ』と言ってくれた。
俺に『死ぬな』と言ってくれた。
俺に命の儚さを教えてくれた……
でも、たぶん、あの子は、いっぱい嘘をついている。
俺が脳腫瘍だと言うのも嘘なんだろう?」
俺は、表情を変えず天井を見た。
「そこまで気づいていたのかい?」
御幸さんが、少し驚いた様子だった。
「うん」
「単刀直入に言うと、亜金君は、健康だ。
まぁ、少し高血圧ではあるが、生活に支障はない」
「うん」
「で、なぜこの病院にいるのか……
気になるだろう?」
「そうだね」
「それは、美穂さんの意向らしい。
美穂さんが、遺言書を残していたんだ。
君だけが、もし助かった場合、亜金君に生きる希望を持つまでこの病院で入院させてやってくれってね……」
「そうか……」
「そして、もう2度と自殺しないと誓うのなら退院はできるみたいだ」
「そっか……
迷惑かけるのもあれだし、自殺しない宣言をして退院してしまおうかな」
「退院した後は、どうするつもりだい?」
「お金もないし。
野宿だな……」
「彼女は、そんなのを望んでいなかっただろう。
君の自立を望んでいたはずだ」
「そう言われてもな……」
「とりあえず、あの子をどうするか……
それを考えるんだ」
「あの子?」
「そう、偽物の美穂さんのことだ……
あの子も悪気があって君を騙しているわけじゃない。
君を騙していること、許してやってほしい」
「許すも何も怒ってなんかないさ……」
「そうなのかい?」
「俺、あの子のこと惚れたみたいだ。
昔の美穂じゃない、今の美穂のことを……」
「だったら、答えは出ているね」
御幸さんが、微笑む。
そう答えは、もう出ている……
問題は俺にその答えを出す勇気が、あるかどうかだ……
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