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12月
12月25日
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12月25日
今日も、若い刑事に事情聴取をされました。
「お前、中島 はるかと手を組んでHaruを殺した!
違うか?」
「俺は人を殺していませんし、はるかさんも人を殺しません!」
俺は、思わず怒鳴ってしまいました。
すると若い刑事は、俺よりも大きな声で怒鳴りました。
「人を殺した人間はな!
誰でも同じことを言うんだ!」
「じゃ、本当にやっていない人はなんて言うんですか?」
俺は、その若い刑事の顔を睨みました。
「減らず口を叩くんじゃない!」
若い刑事は、そう言って俺の顔を殴りました。
そして、もう一発俺を殴ろうとした時、突然取調室に入って来た中年の刑事が、その腕を掴み止めました。
「杉山!何をやっているんだ?」
中年の刑事が、若い刑事の体を押さえました。
名前は、杉山と言うのですか、覚えておきます。
「福田さん!
もう少し殴れば、こういう奴は吐きます!」
「杉山!何を焦っているんだ?」
中年の刑事が、杉山をなだめると俺に自己紹介をしてくれました。
「私は、福田と言う。
私がここに来たのは、中島はるかに頼まれてね。
どうしても、猫君と話がしたいと言うのでね。
杉山、猫君を借りていくぞ?」
福田さんが、そう言うと杉山が大きな声で言いました。
「福田さん!
どうして会わせる必要があるんですか!」
「猫君になら、全て話してくれるかもしれない。
それに私にはどうも、この子達が犯人とは思えなくてね。
私は、知りたいんだ。
中島はるかが誰を庇っているのかを……」
福田さんは、そう言って取調室のドアを開けてくれました。
静かに福田さんの方に歩き取調室から出ようとした時、杉山が言いました。
「絶対お前を犯人にしてやる!
覚悟しておけ!」
杉山の言葉に少し疑問を覚えましたが、俺はあまり気にしないようにすることにしました。
そして、俺は福田さんの案内で、はるかさんのいる取調室に向かいました。
案内された取調室には、泣いているはるかさんが居ました。
「猫さん……」
はるかさんは、俺の顔を見ると安心したような顔をした後、俺の体を力強く抱きしめました。
「1時間だけだよ……」
福田さんは、そう言うと部屋を出ました。
「キスするね」
はるかさんは、そう言うと俺にキスをしました。
「ありがとう……
やっぱ、猫さんは猫さんだね」
「あはは……」
少し恥ずかしいけど、少し嬉しかった。
はるかさんの笑顔を見れて俺も少し安心しました。
「猫さん聞いて良い?」
「うん?」
「殺人犯と結婚できますか?」
「え?」
「私が、ここから出る事が出来たら結婚してくれる?」
「今のままでは無理です」
「え?」
はるかさんは、泣きそうな顔になりました。
「ほら俺って今、無職ですし。
はるかさんが出てくる時に俺が、安定した仕事につけていたのなら貴方と一緒になりたいです」
俺は、何を回りくどい言い方をしているのでしょう。
はるかさんは、小さく笑いました。
「ありがとう、それが聞けただけでも嬉しいよ」
はるかさんは、そう言うともう一度俺にキスをした後、取調室を出ました。
「もう、いいのかい?」
ドアの前で待機していた福田さんが、はるかさんにそう尋ねるとはるかさんは、小さく頷きました。
なぜだろう?
はるかさんに二度と会えない気がします。
だから、何か言葉をかけなくちゃ……
でも、言葉は思いつきません。
思いつかないままドアが閉まりました。
福田さんが、その後すぐに俺がいる取調室のドアを開けて言いました。
「疲れただろう……?
君は、もう帰っていいよ。
杉山には、私が上手く誤魔化しておくから」
杉山さんが、優しく笑いました。
その笑顔を見てこの人は、信用できる人だと思いました。
良い人に違いない。
警察署から出た後、はるかさんに貰った手袋をはめました。
それでも寒いので、手に息を吐きかけると手袋からはるかさんの匂いがしました。
はるかさん、俺がはるかさんの無実を証明しますからね。
そして、その時は結婚しましょう。
家につき、眠ろうと思いベッドに横になった時、福田さんから携帯に電話が掛ってきました。
「猫君、落ち着いて聞いてくれ」
「なんでしょう?」
福田さんは、低い声で言いました。
「先ほど、中島はるかが自殺した」
頭の中が真っ白になりました。
福田さんが、何を言っているのかがわかりません。
きっと冗談を言っているのでしょう。
前言撤回、福田さんは良い人じゃないです。
「もう一度言うよ。
中島はるかが自殺した」
「嘘ですよね?
冗談ですよね?」
俺は、福田さんに尋ねた。
でも、福田さんはもう一度言った。。
「中島はるかは、死んだ。
留置所で首を吊って、見つけた時には手遅れだった。
君に遺書を残している。
君さえよければ、取りに来てほしい」
「今すぐ、はるかさんに会えますか?」
声が震えていました。
「すまない。
今は、検死中なんだ。
だから、今は会わせることはできない」
「そうですか……」
「杉山に見つかると厄介だからね。
出来れば早めに取りに来てほしいのだが……」
「わかりました。
今から行きます」
俺は服を着替え、走って警察署に向かいました。
すると入口に福田さんが立っていました。
福田さんは、無言で俺にはるかさんが書いた遺書を渡してくれました。
俺は、その場でゆっくりとはるかさんの遺書を読みました。
猫さんへ
私をお嫁さんに迎えてくれるって言ってくれてありがとう。
凄く嬉しかったよ。
今まで、風俗の女ってだけで、すぐにヤらせてくれるって
思う男の人が多かったけど、猫さんだけは違っていた。
本当はね、猫さんの事騙そうと思ったの……
でも、猫さんがあまりにも優しくて暖かくて不器用で、 まるで、弟が出来たみたいで可愛くなった。
弟までだったら良かったのにね、好きになってしまったの。
ごめんね……
だから、これは罰。
猫さんを信じれなかった罰でもあるの。
でも、これだけは信じて!
Haruを殺したの、私じゃないの!
何を今更って、感じだろうけど。
私じゃないの、猫さんは信じてくれるよね?
本当は、大きな声を上げて泣きたかったです。
でも、涙は一滴も出ませんでした。
悔しくて悲しくて、そして現実を受け入れられない自分がいます。
オマエガコロシタンダ
俺の中のもう1人が、そう言いました。
本当にその通りなのかもしれない。
俺が、はるかさんをキチンと信じてあげていれば、はるかさんは、自殺なんてしなかったかもしれないのです。
「はるかさんに会いたいです」
「すまないね。
さっきも言ったように今は、検死中だ。
また明日来なさい。
どうにか会えるように手配するから」
駄目だと言うことは、俺にも分かっていました。
でも、そう聞かずにはいられませんでした。
「わかりました。
また明日来ます」
「ああ……
今日は、もう帰りなさい」
俺は、静かに家に帰りました。
俺は、無力です……
今日も、若い刑事に事情聴取をされました。
「お前、中島 はるかと手を組んでHaruを殺した!
違うか?」
「俺は人を殺していませんし、はるかさんも人を殺しません!」
俺は、思わず怒鳴ってしまいました。
すると若い刑事は、俺よりも大きな声で怒鳴りました。
「人を殺した人間はな!
誰でも同じことを言うんだ!」
「じゃ、本当にやっていない人はなんて言うんですか?」
俺は、その若い刑事の顔を睨みました。
「減らず口を叩くんじゃない!」
若い刑事は、そう言って俺の顔を殴りました。
そして、もう一発俺を殴ろうとした時、突然取調室に入って来た中年の刑事が、その腕を掴み止めました。
「杉山!何をやっているんだ?」
中年の刑事が、若い刑事の体を押さえました。
名前は、杉山と言うのですか、覚えておきます。
「福田さん!
もう少し殴れば、こういう奴は吐きます!」
「杉山!何を焦っているんだ?」
中年の刑事が、杉山をなだめると俺に自己紹介をしてくれました。
「私は、福田と言う。
私がここに来たのは、中島はるかに頼まれてね。
どうしても、猫君と話がしたいと言うのでね。
杉山、猫君を借りていくぞ?」
福田さんが、そう言うと杉山が大きな声で言いました。
「福田さん!
どうして会わせる必要があるんですか!」
「猫君になら、全て話してくれるかもしれない。
それに私にはどうも、この子達が犯人とは思えなくてね。
私は、知りたいんだ。
中島はるかが誰を庇っているのかを……」
福田さんは、そう言って取調室のドアを開けてくれました。
静かに福田さんの方に歩き取調室から出ようとした時、杉山が言いました。
「絶対お前を犯人にしてやる!
覚悟しておけ!」
杉山の言葉に少し疑問を覚えましたが、俺はあまり気にしないようにすることにしました。
そして、俺は福田さんの案内で、はるかさんのいる取調室に向かいました。
案内された取調室には、泣いているはるかさんが居ました。
「猫さん……」
はるかさんは、俺の顔を見ると安心したような顔をした後、俺の体を力強く抱きしめました。
「1時間だけだよ……」
福田さんは、そう言うと部屋を出ました。
「キスするね」
はるかさんは、そう言うと俺にキスをしました。
「ありがとう……
やっぱ、猫さんは猫さんだね」
「あはは……」
少し恥ずかしいけど、少し嬉しかった。
はるかさんの笑顔を見れて俺も少し安心しました。
「猫さん聞いて良い?」
「うん?」
「殺人犯と結婚できますか?」
「え?」
「私が、ここから出る事が出来たら結婚してくれる?」
「今のままでは無理です」
「え?」
はるかさんは、泣きそうな顔になりました。
「ほら俺って今、無職ですし。
はるかさんが出てくる時に俺が、安定した仕事につけていたのなら貴方と一緒になりたいです」
俺は、何を回りくどい言い方をしているのでしょう。
はるかさんは、小さく笑いました。
「ありがとう、それが聞けただけでも嬉しいよ」
はるかさんは、そう言うともう一度俺にキスをした後、取調室を出ました。
「もう、いいのかい?」
ドアの前で待機していた福田さんが、はるかさんにそう尋ねるとはるかさんは、小さく頷きました。
なぜだろう?
はるかさんに二度と会えない気がします。
だから、何か言葉をかけなくちゃ……
でも、言葉は思いつきません。
思いつかないままドアが閉まりました。
福田さんが、その後すぐに俺がいる取調室のドアを開けて言いました。
「疲れただろう……?
君は、もう帰っていいよ。
杉山には、私が上手く誤魔化しておくから」
杉山さんが、優しく笑いました。
その笑顔を見てこの人は、信用できる人だと思いました。
良い人に違いない。
警察署から出た後、はるかさんに貰った手袋をはめました。
それでも寒いので、手に息を吐きかけると手袋からはるかさんの匂いがしました。
はるかさん、俺がはるかさんの無実を証明しますからね。
そして、その時は結婚しましょう。
家につき、眠ろうと思いベッドに横になった時、福田さんから携帯に電話が掛ってきました。
「猫君、落ち着いて聞いてくれ」
「なんでしょう?」
福田さんは、低い声で言いました。
「先ほど、中島はるかが自殺した」
頭の中が真っ白になりました。
福田さんが、何を言っているのかがわかりません。
きっと冗談を言っているのでしょう。
前言撤回、福田さんは良い人じゃないです。
「もう一度言うよ。
中島はるかが自殺した」
「嘘ですよね?
冗談ですよね?」
俺は、福田さんに尋ねた。
でも、福田さんはもう一度言った。。
「中島はるかは、死んだ。
留置所で首を吊って、見つけた時には手遅れだった。
君に遺書を残している。
君さえよければ、取りに来てほしい」
「今すぐ、はるかさんに会えますか?」
声が震えていました。
「すまない。
今は、検死中なんだ。
だから、今は会わせることはできない」
「そうですか……」
「杉山に見つかると厄介だからね。
出来れば早めに取りに来てほしいのだが……」
「わかりました。
今から行きます」
俺は服を着替え、走って警察署に向かいました。
すると入口に福田さんが立っていました。
福田さんは、無言で俺にはるかさんが書いた遺書を渡してくれました。
俺は、その場でゆっくりとはるかさんの遺書を読みました。
猫さんへ
私をお嫁さんに迎えてくれるって言ってくれてありがとう。
凄く嬉しかったよ。
今まで、風俗の女ってだけで、すぐにヤらせてくれるって
思う男の人が多かったけど、猫さんだけは違っていた。
本当はね、猫さんの事騙そうと思ったの……
でも、猫さんがあまりにも優しくて暖かくて不器用で、 まるで、弟が出来たみたいで可愛くなった。
弟までだったら良かったのにね、好きになってしまったの。
ごめんね……
だから、これは罰。
猫さんを信じれなかった罰でもあるの。
でも、これだけは信じて!
Haruを殺したの、私じゃないの!
何を今更って、感じだろうけど。
私じゃないの、猫さんは信じてくれるよね?
本当は、大きな声を上げて泣きたかったです。
でも、涙は一滴も出ませんでした。
悔しくて悲しくて、そして現実を受け入れられない自分がいます。
オマエガコロシタンダ
俺の中のもう1人が、そう言いました。
本当にその通りなのかもしれない。
俺が、はるかさんをキチンと信じてあげていれば、はるかさんは、自殺なんてしなかったかもしれないのです。
「はるかさんに会いたいです」
「すまないね。
さっきも言ったように今は、検死中だ。
また明日来なさい。
どうにか会えるように手配するから」
駄目だと言うことは、俺にも分かっていました。
でも、そう聞かずにはいられませんでした。
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