みんなのサスペンス~ちょっぴり残酷な物語

はらぺこおねこ。

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Scene04 赤ちゃんの十戒

32 明るい世界

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 ママは、私を抱きかかえたまま明るい部屋に連れて来てくれた。
 テレビは、ついていない。
 パパが、冷蔵庫からケーキを持ってきてくれた。

 私は、ケーキが大好き。
 甘くてふわふわして、美味しいから。

 ママは、私を椅子に座らせる。
 そして、パパが私の前にケーキを置く。

 パパ?
 私、ケーキは、大好きだけど1人でこんなに食べれないよ?

 そんな事を思っていると、パパがロウソクを2本ケーキの上に刺す。

 何をしているの?

 私は、不安な表情でケーキを見つめる。
 パパが、ロウソクに火をつける。

 ケーキを焼くの?
 焼きケーキ?
 ねぇ?それって、美味しいの?

 私の不安は大きくなる。

 ママが、電気のスイッチに手を当てる。
 すると暗くなる。

 ロウソクの光だけが、そこに残る。

 怖い気持と不安な気持ちがぐちゃぐちゃに入り込む。

「ハッピーバースディ、トゥーユー」

 ママが、歌う。
 パパが、続けて歌う。

 なんか楽しい気持ちになって来た。

「ハッピーバースディ。
 ディア、理香。
 ハッピバースディートゥーユー」

 歌が、そこで終わる。
 あれ?

 私は、どうしたらいいの?
 私は、不安な表情でママを見る。

「ふーっとロウソクに息を吹きかけて……」

 ママが、そう言うので私はケーキに息を吹きかけた。
 ロウソクの火が消える。

「上手だぞ」

 パパのその一言と共に闇が訪れる。

 暗くなる。
 その漆黒なる闇は、私を包み込む。
 私の心が不安でいっぱいになる。
 そして、思わず私は泣いてしまった。

「パパー!ママ―!
 怖いよー」

 パパは、慌てて電気をつけてママは、私の体を抱っこしてくれた。

「ごめんな……
 怖かったな」

 パパが、そう言って私の頭を撫でてくれる。
 その感触が温かくて心地よかった。

 ママが、ハンカチで私の涙を拭ってくれた。

「さぁ、理香。
 ケーキを食べようか?」

 私は、大きく頷いた。

「じゃ、ケーキを切るぞ」

 パパが、そう言って大きなケーキを3等分してくれた。
 パパもママも私も同じ大きさ。

 さっきまで泣いていた事なんて忘れていたかのように、私は笑顔でケーキを頬張った。

 ケーキが美味しい。

 それだけで、私は幸せになった。

 ケーキを食べ終えた私は、パパと一緒にお風呂に入ることになった。

「理香、ケーキは、美味しかったか?」

「うん!」

 私は、大きく頷いた。

「そっかー。
 また、ケーキ食べような!」

「うん!」

 私は、再び大きく頷く。

 パパが、私の身体を綺麗に洗ってくれた。
 その後、シャンプーをしてくれた。
 シャンプーは、気持ちが良い。
 くしゃくしゃくしゃと髪の毛を洗われる感触は、なんとも言えない。

 そして、頭からシャワーを浴びる。

 これが、また気持ちいい。
 お湯の温度も熱くないように……
 そして、冷たくないように設定されている。
 だから、気持ちが良い。

 しあわせ。
 しあわせ。
 しあわせ。

 ただ、その言葉しか思いつかなかった。
 つらいことや悲しいこと……
 こんな私にも色々あるけれど……
 それだけで、全てを忘れる事が出来た。

 お風呂からあがると私は、パパに抱きかかえられベッドへと向かった。

 ベッドは気持ちが良い。
 ふわふわして、干したての布団は太陽の香りがして気持ちが良い。
 私は、すぐに眠りについた。

 しあわせだった。
 しあわせだった。
 しあわせだった。

 温かい布団にぽかぽかお風呂。
 そして、温かいご飯。

 今日は、全て体験した。
 今日は特別な日。
 そう、今日は私の2回目の誕生日。
 私は、2歳になったんだ。
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