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Scene07 殺さない殺し屋
61 楽しくない日
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朝が来る。
小さな空が広がる。
目に写った景色は曇り色。
でも、うっすらと青い。
綺麗に晴れる日は来るのだろうか?
亜金はそんなことを思った。
その日は、決して来ないだろう。
「なぜなら僕は化け物なのだから」
亜金は小さく涙を流した。
自分は幸せになならない。
幸せになってはいけない。
理由は簡単だ。
自分は劣等種。
遺伝子なんて残してはいけない。
化け物、化け物、化け物。
バケモノ、バケモノ、バケモノ。
ただ幼き頃から言われた言葉が心を傷つける。
亜金もまた呪縛に囚われた子供のひとりだ。
助けて欲しい、でも助けてなんて言えない。
自分が助かるということは誰かが傷つくこと。
誰かを傷つけてまで助かりたいなんて思えない。
時計のアラームが鳴る。
「朝ごはんできたぞ」
そういったのは亜金を預かっている孤児院の職員詩空清空だ。
「はい」
亜金は小さく頷くとベッドから降りて学校の制服に着替える。
そして部屋を出た。
テーブルの上にはトーストと目玉焼き。
温かい紅茶が用意されている。
「……美味いか?」
清空が優しい声でいった。
「はい」
亜金は小さくうなずいた。
清空は亜金が虐められていることを知っている。
でも助けることが救うことでないことを知っている。
どうにかしたいと思っているものの、どうすればいいかわからない。
ただそれだけがつらかった。
「お兄ちゃん、元気ない?」
由香が心配そうに尋ねる。
「由香ちゃんは元気そうだね」
亜金は質問で返した。
「え?そうかな?」
「うん」
「そっかな?そっかな?えへへ」
由香が小さく笑う。
そして笑うようになった。
でも、それは言わない。
なんとなく傷つけると思ったからだ。
「幼稚園は楽しい?」
「うーん、わかんない」
「そっか」
「えへへ」
由香が笑う。
すると奈留がいう。
「由香ちゃんは恋しているんだよね?」
「あー、それは内緒!」
亜金は思った。
あの無表情だった由香に笑顔を作った男、久留里大輔に会ってみたいと。
自分のクラスの担任の久留里十三も凄い人だ。
でも、自分の心は動かない。
ただただ何を変えたい。
そう思っていた。
小さな空が広がる。
目に写った景色は曇り色。
でも、うっすらと青い。
綺麗に晴れる日は来るのだろうか?
亜金はそんなことを思った。
その日は、決して来ないだろう。
「なぜなら僕は化け物なのだから」
亜金は小さく涙を流した。
自分は幸せになならない。
幸せになってはいけない。
理由は簡単だ。
自分は劣等種。
遺伝子なんて残してはいけない。
化け物、化け物、化け物。
バケモノ、バケモノ、バケモノ。
ただ幼き頃から言われた言葉が心を傷つける。
亜金もまた呪縛に囚われた子供のひとりだ。
助けて欲しい、でも助けてなんて言えない。
自分が助かるということは誰かが傷つくこと。
誰かを傷つけてまで助かりたいなんて思えない。
時計のアラームが鳴る。
「朝ごはんできたぞ」
そういったのは亜金を預かっている孤児院の職員詩空清空だ。
「はい」
亜金は小さく頷くとベッドから降りて学校の制服に着替える。
そして部屋を出た。
テーブルの上にはトーストと目玉焼き。
温かい紅茶が用意されている。
「……美味いか?」
清空が優しい声でいった。
「はい」
亜金は小さくうなずいた。
清空は亜金が虐められていることを知っている。
でも助けることが救うことでないことを知っている。
どうにかしたいと思っているものの、どうすればいいかわからない。
ただそれだけがつらかった。
「お兄ちゃん、元気ない?」
由香が心配そうに尋ねる。
「由香ちゃんは元気そうだね」
亜金は質問で返した。
「え?そうかな?」
「うん」
「そっかな?そっかな?えへへ」
由香が小さく笑う。
そして笑うようになった。
でも、それは言わない。
なんとなく傷つけると思ったからだ。
「幼稚園は楽しい?」
「うーん、わかんない」
「そっか」
「えへへ」
由香が笑う。
すると奈留がいう。
「由香ちゃんは恋しているんだよね?」
「あー、それは内緒!」
亜金は思った。
あの無表情だった由香に笑顔を作った男、久留里大輔に会ってみたいと。
自分のクラスの担任の久留里十三も凄い人だ。
でも、自分の心は動かない。
ただただ何を変えたい。
そう思っていた。
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