ありがとうまぁ兄…また逢おうね

REN

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第六章 悲恋の始まり

別離の兆し

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まぁやんと舞華が結婚して1年が経ち、初めての結婚記念日を迎えた。
ふたりはお互い仕事が忙しく、共にいる時間を作るのは難しいが、この日だけはふたりとも休みを取った。
外食することも考えたが、ふたりっきりの時間を大切にしたいとのまぁやんの提案で、いわゆる【おうちデート】にした。
「舞華、今日は何にもしなくていいぞ」
「えぇ!やだよ。私も何かするぅ」
「いや、マジでいいんだ。掃除は昨日のうちに全て終わらせてあるし、買い出しも終わってるから」
実際、部屋はすごく綺麗で、飾り付けまでやっていた。
昨日、まぁやんは休みを取って、恋や康二、龍弥に手伝ってもらい、掃除や買い出し、料理の仕込み、装飾などを行っていた。
「ねぇ、まぁやん。今日は家でデートなの?」
「そうだよ。今日はな、お昼はもう頼んであって、夜は俺が作ってやる。そして明日の朝は例のパンを作ってやるからな」
「パパパンだね!」
「お前、好きだろ?」
「うんっ!今日はいたでりつくせりだね!」
「記念日だしな」
舞華は好きな読書を満喫して、まぁやんはそんな舞華を微笑ましく眺めていた。
「なぁ、舞華」
「ん?なぁに?」
「こんな日がさぁ、ずっと続くけばいいなぁ」
「なに?突然」
「いや…さぁ…俺知ってるんだ。最近お前、胸が苦しいの頻繁してるだろ?」
「え?そんなことないよ…」
舞華は最近になって、発作的に胸の苦しみを発していたが、まぁやんに心配かけさせないように黙っていた。
「隠すなよ。頼むから病院に行ってくれよ」
「わかってるって。もう。心配症だなー」
「だってよ…俺、もしお前がいなくなったら、正気じゃいられない…」
「バカ!」
「バカってことないでしょ?俺はお前が…」
「まぁやん、もしもだよ!もしも私がいなくなったとしても、まぁやんには家族がいるんだから!数日落ち込むのは許すけど…それ以上は絶対に許さないからね」
「舞華…」
「ねっ!はい!この話はおしまい!せっかくの結婚記念日なんだから、まぁやん。ぎゅってして?」
「…わかった。ごめんな…」
そう言ってまぁやんは舞華を後ろから抱きしめた。
「やっぱ落ち着くな…」
「うん…」
「舞華?」
「ん?」
「愛してる…」
「私も…愛してるよ…」
ふたりは見つめ合い…そして深いキスをした。
「舞華…俺…ダメだわ…」
「クスッ…しょうがないなぁ…」
舞華はまぁやんを抱きしめて、愛し合った。
……

「ん?今何時だ?」
「17時ちょい過ぎだね…」
「お腹…空かない?」
「まだ大丈夫。もうちょっとこうしていたい…」
「俺も…」
まぁやんと舞華はソファの上でお互い裸で抱き合っていた。
「なんか…こういうのもいいね」
「んもう。エッチ」
「今…誰か来たら…やばいな」
「鍵…かけてるよね?」
「多分…」
「みてきてよぉ~」
「舞華から離れたくなーい」
「もう!また甘えん坊になって!」
舞華がまぁやんの好きなところのひとつがこのギャップだった。
普段はビシッとして、ちょっとオラオラ系っぽいところがあって男らしいけど…ふたりっきりになると、ちょいちょい甘えん坊なまぁやんが顔を出す。
「じゃあ一緒に行くよ」
「うぃー」
舞華にがっちりまぁやんがくっついて、玄関まで行った。
「ちょっと!鍵開いてんじゃん!」
「えへ!」
「まぁやん!えへ!じゃないよ…」
っとその時であった。
玄関の外から声が聞こえた。
「あれ?まい姉?いるの?」
恋の声である。
「れ、恋ちゃん!どうしたの?」
「今日結婚記念日でしょ?お祝い持ってきたの」
と言いながら、ドアノブを回そうとした。
「ちょーっとストップ!恋ちゃん、ごめんちょっと待って?」
っと言ったが遅かった。
恋がドアを開けると、裸の舞華とまぁやんが抱き合っている光景が…
「きゃー!ごめん!」
「れ、恋ちゃん!ちょちょっと待っててね?」
「見られたな!」
「『見られたな!』じゃないでしょ?早く服着て!」
ふたりはそそくさと服を羽織った。
「恋ちゃん、ごめんね!大丈夫だよ」
ドアを開けると、顔を真っ赤にした恋がいた。
「…んと…あの…」
「ごめんね。いやーでも恋ちゃんだけでほんとよかったよぉ~!龍くんとかいたらどうしようかと…」
恋は申し訳なさそうな顔をして
「いや…あの…ね…」
「ん?まぁ、早く上がったら?」
その時である。
「いや~昼間っからお盛んですな。まいまい!」
「そ…その声は…」
龍弥である。訪問していたのは恋と龍弥と美紀であった。
「う…うそ…でしょ」
「まいまいぃ~おーい!大丈夫だぞ。ちょっとしか見えてないから」
「まぁ~や~ん!」
奥からまぁやんが出てきて
「龍…マジか…」
「まぁやんが鍵かけないからぁ~」
ちょっとした騒動になってしまった。

まぁやんの家に恋と龍弥と美紀、後から康二もきて、結婚記念日お祝いパーティーとなった。
「いやーはははは!それにしても、さっきはおもろ過ぎだったなぁー」
「う~…龍くんのバカ…」
すると美紀が龍弥の頭をパシーンっと張った。
「龍ちん!舞華さんの恥ずかしいのを笑わない!」
「だってよぉ~…」
「龍…頼む…忘れてくれ…」
まぁやんもうなだれていた。
「ほ…ほら!今日はまぁ兄とまい姉の結婚記念日なんだし…ねっ!」
「そうだよ。まぁやんさんと舞華さんだって…ラブラブしたかったんだし…」
美紀がフォローしようとしたが、逆効果だった。
まぁやんと舞華は恥ずかしそうに下を向いた。
「美紀ぃ~あはははは!逆効果だってーの」
「うっ…うっさい!バカ龍!」
「よし!お祝い始めるぞ!まぁやんも舞華ちゃんも」
「お…おう…」
「うん…」
ふたりは顔が赤いのはしばらく続いた。
「でもみんな…今日はありがとう…来てくれて嬉しい」
「ほんと?最初はお邪魔かなって思ったんだけど」
「全然!ほんと嬉しいよ」
「約1名はお邪魔だって思ってるよな」
「う…うっせい」
『わははははは』
「まい姉、体調は?変わりない?」
「うん!この通り!大丈夫だよ」
「よかったぁ~ねぇ?美紀」
「うん!ほんとよかった」
すると康二がゴソゴソと何かを取り出して
「じゃあそんな舞華ちゃんに、プレゼント!」
「え~!なに!おっきいんだけど」
「まぁやんのよりか?」
龍弥が下ネタを言った途端、恋と美紀に袋叩きにあった。
「アホは無視して…開けてみてよ」
舞華は包みを剥がした。
「これ…最新バージョンのノートパソコンじゃん!」
「ちゃんと、フォトショップとイラストレーターも入ってるよ」
「こんな高いの…もらえないよー」
「舞華、もらってやれよ。康二は金持ちだから」
「でも…」
「俺も、舞華ちゃんが喜んでそれ使ってくれた方が嬉しいよ」
「ありがとう…大切に使わせてもらいます」
「うん!よかった」
「まぁやんにはこれだ!」
「おお!めちゃいいソムリエナイフ!」
「あと、間に合わなかったんだけど、近々スーツ届くから」
「康二…俺は良き弟を持ったよ…」
そう言ってまぁやんは康二を抱きしめた。
「わたしたちからはこれね」
恋たちはコーヒーメーカーを渡した。
「これ…前に俺が欲しいって言ったやつじゃん!」
「覚えてたんだ!えらいでしょー」
「でかしたぞ!恋!」
まぁやんは恋の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「もう!小ちゃい子じゃないよ!髪の毛崩れるぅ」
「ははは!悪りぃ悪りぃ」
でも、恋はまぁやんのこの撫で方が好きだった。
皆でワイワイと盛り上がった。
不意に舞華がクスッと笑った。
「どした?舞華?」
「うん…やっぱりいいな…家族って」
「ん?」
「私さぁ、小さい頃にママが亡くなって、パパがひとりで育ててくれたでしょ?だからこんな賑やかな事って無かったの。だから嬉しくて…」
「お前も、このみんなの家族なんだぞ」
「うん…嬉しい…」
舞華の目に光るものがあった。まぁやんはすぐに気づいたが、何も言わずに舞華を抱き寄せた。
「いい家族だろ?俺たち」
「とても…」
みんな舞華のほうを見た。みんな笑顔だった。

そしてみんなが帰り、再びまぁやんと舞華が2人っきりになった。
「今日…楽しかったか?」
「すっごくいい結婚記念日になったよ」
「よかった」
「ちょっとしたトラブルもあったけどね」
「もう…鍵も閉めたし、誰もいないぞ」
まぁやんは舞華を抱きしめた。
「んもう!エッチ!」
「愛してる証拠だ」
「ちょっと待ってて、歯磨きしてくるから」
「早くおいでよ」
舞華は洗面所に行った。
洗面所で歯を磨こうとした時…
「う!」
胸に激痛が走った…
「お願い…まだ…まだ逝きたくない…お願い」
実は舞華の心臓は…限界を迎えていた…
「はぁ…はぁ…はぁ…お願い!」
遠くから、まぁやんの呼ぶ声がした。
「おーい!まいかぁー」
「はーい!今行くー」
舞華は洗面所にある薬と吸入薬を吸入した。
「ごめんね…まぁやん…」
舞華はまぁやんに、症状が悪化していることを隠していた。まぁやんを心配させまいと思ったからである。
「ふぅ~…おさまった…」
舞華は寝室へと戻っていった…
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